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キット食品戦略事例:「麻婆春雨の素」の顧客離反防止戦略実現のために生活者に行うべき”ブランド理解”施策

コミュニケーションケーススタディ

前回の”課題認識”フェーズに引き続き、「仕事上がりジム帰りの夜でも手軽&ヘルシーな夕食の準備」というジョブを持つターゲットセグメントに”ブランド理解”を促すための施策を検討します。ジョブが認識されたターゲットに、正しくブランドを理解してもらうために狙うべきインサイト、示すべき価値提案について解説します。

T O P I C S

・麻婆春雨の素と他の中華キット食品は同じもの、と思われている。

・麻婆春雨の素だけが、他の材料も使わずに主食にアレンジできると気づかせる。

・そのままスープにできる、本格的な麻婆ソースが同梱されているという、本格・だからすぐ作れる、という訴求でブランドを理解させる。

戦略のゴール

「これなら他の調味料を使わなくても主食にアレンジできそう」というブランド理解をさせる。

今回ターゲットとして設定している「意識高めDINKS奥様」の中で、まだ”ブランド理解”に至っていない消費者は約200万人存在します。この人たちに麻婆春雨の素を買ってもらうためには、「これなら他の調味料を使わなくても主食にアレンジできそう」ことを理解させることが必要です。

発生している障害の解説

そのまま主食とするには味付けが濃い

何故、「麻婆春雨の素は、他の調味料を使わなくても主食にアレンジできる」というブランド理解が浸透していないのでしょうか。この提案を受け入れる事ができる文脈に必要な要素を探っていきます。意識高めDINKS奥様のカスタマージャーニーを分析し問題を見てみましょう。

総じて意識高めDINKS奥様は「そのまま主食とするには味付けが濃い」という障害によって、「麻婆春雨の素は、他の調味料を使わなくても主食にアレンジできる」という認識に至っていないと考えられます。特に売り場で他の中華おかずと並んで売られている際に、このような間違ったブランド理解に至ることがあるようです。この障害に着目して、ブランドが現在機会損失して取り逃している可能性がある200万人の潜在顧客のカスタマージャーニーを動かす施策を講じていきましょう。

ターゲットインサイト

麻婆春雨の素も、 多くの”中華の素”と同じでしょ? ”昔は麻婆春雨の素も、他に良く使うクックドゥも、同じく中華用の素だと思っていたが、今は実際に使ってみると、どちらも加える野菜をアレンジしたりできるが麻婆春雨の素はそれだけでも春雨があるから主食1品作れることに気づいた。その結果、麻婆春雨の素は他のクックドゥのような調味料というより、カップ麺的な保存食として別に買い置いておくようになった。”(40歳 女性 兵庫県)

この生活者にとって麻婆春雨の素は、他の多くの中華調味料と同じものと元々理解されていました。これにより麻婆春雨の素は「そのまま主食とするには味付けが濃い」といった認識がなされ、正しいブランド認識を阻害している現状です。この生活者に正しいブランド認識を与えることが必要です。

ストーリーテリング

「これなら他の調味料を使わなくても主食にアレンジできそう」に気づかせるストーリー

麻婆春雨の素は、”本格中華スープだしの濃厚麻婆ソースつき”であることにより、即席めんのように主食の1品としてアレンジすることができることを伝える。具体的なストーリーとしては、ターゲットが店頭の中華食材売り場という場面で起こる、「中華調味料はどれも同じようなものに見える」という生活者を描く。そこで”本格中華スープだしの濃厚麻婆ソースつき”で、麻婆春雨の素だと他の中華調味料と違い、主食としてアレンジすることができる、その結果ヘルシーで手軽な夕食の準備が実現できる、と繋げる。その理解を促進す為に、”麻婆ソースがこだわって作られていること”をRTBとして与える。

“麻婆春雨の素も、 多くの”中華の素”と同じでしょ?”

中華の味付けはどれも

似たような濃い味で飽きる

インサイト2

糖質控えめにしているのに

春雨をおかずにしたくない

野菜なども一緒に

用意するのは面倒

インサイト1

インサイト3

麻婆春雨自体を 主食にすればいい 味付けが整っているので アレンジで失敗しづらい 具入りの麻婆ソースで そのままでも完成できる

・・・

・・・

・・・

プロポジション1

プロポジション2

プロポジション3

”本格麻婆スープの素だから、 春雨担々麵に変身!”

「麻婆春雨の素も、多くの”中華の素”と同じでしょ?」というインサイトを持つターゲットに対し、「本格麻婆スープの素だから、春雨担々麵に変身!」というプロポジションによって、「これなら他の調味料を使わなくても主食にアレンジできそう」というブランド理解をもたせることを狙う。次のセクションではこのプロポジション―価値提案を用いたクリエイティブを提案する。

クリエイティブコンセプト提案

中華の巨匠が研究を重ねた、 秘伝の中華スープからつくる、春雨担々麵。 本格中華のスープはたくさんの野菜と豚・鶏から20時間以上かけて取った出汁から作られます。麻婆ソースにはこの本格中華スープを凝縮。このスープを味わうにはいつもよりお湯を多めに、”春雨担々麵”風にアレンジしてはいかがでしょう?―――永谷園 麻婆春雨の素

ゴール

このクリエイティブが狙うゴールは、中華調味料はどれも同じようなモノ、と考えている意識高めDINKS奥様に対し、”本格麻婆スープの素だから、春雨担々麵に変身!”という価値を提案し、「これなら他の調味料を使わなくても主食にアレンジできそう」を目指せるのだと、ブランド理解させることがゴール。

人物

ターゲットセグメントである”意識高めDINKS奥様”。兼業主婦で子どもはいない。とにかく忙しい。仕事は残業も辞さないし、仕事が終わればジムに通い健康な生活と体形を心掛ける。でも本当は料理が苦手。料理に時間をかけたくないが、家庭をおろそかにしたくはない。夫婦の時間・夫婦の食卓を大切にしたいと思っている。中華料理の調味料はどれも同じようなモノだと思っている。あまり調味料や食材の使い分けが上手ではない。

対比構造

よく知られている描写

「中華料理の調味料はどれも似たような物」

 

あまり料理が得意ではないため、食品の細かな違いに普段から気を払っていない。アレンジや使い勝手にあまり意識が向いていないので、売り場が同じの中華調味料はどれも似たようなものだ、と思っている。

知られていない描写

「本格麻婆スープの素だから、

春雨担々麵に変身!」

実は麻婆春雨の素は、主食の代わりになる春雨も、そのままスープにできる味付けがされている合わせ調味料もそろっているので、即席めんのようにそのまま主食として仕上げることが出来てしまう。

反感チェック

今回のコピー・ストーリーについて、ターゲットと同様にDINKS女性に対して提示したところ、自身が反感を感じると回答した人は0%(0人/20人)。同じ回答者に対し、「もし反感・炎上することがあるとしたら、どのような理由が考えられるか」と20名に質問したところ、全員が「思いつかない」という回答だった。

測定KPI

ブランド理解した人の増分を測定

今回の施策の場合、ジョブがまだ認識されていない意識高めDINKS奥様に対し、ジョブがどれだけ顕在化されたかを評価することがこのフェーズにおける指標となります。そのため、キャンペーン展開を行った後に消費者アンケート調査により、施策実施前後で「麻婆春雨の素は、他の調味料を使わなくても主食にアレンジできる」と考える人がどれだけ増加したかを測定する等の方法が考えられます。また、実際にブランド理解によってどれだけの購買が実現したかの寄与を測定することで、このフェーズが起こした変化による売り上げへの貢献増分を算出することが望ましいと言えます。

 

まとめ

このように、ブランドを理解させるためのクリエイティブとしては、そのまま主食に変身できる本格スープが含まれている、という描写を用いて、「麻婆春雨の素は、他の調味料を使わなくても主食にアレンジできる」が可能だと気づかせることが有効と考えられます。ではこのクリエイティブについて展開する媒体としては、主に店頭陳列で即席めんなどの主食系キット食品と並べることで、主食へのアレンジが可能であるように見せる等のコンタクトポイント設計が考えられます。以上の様に、「麻婆春雨の素」のカスタマージャーニーを「ブランド理解」へ進めることが出来ると考えられます。

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”麻婆春雨の素”ケーススタディ

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