ケーススタディを有効活用する、5つのヒント

「学ぶ」

戦略事例から学ぶ - ケーススタディを読み、学ぶ

ケーススタディには、セグメント、ペルソナ、インサイト、価値提案、カスタマージャーニー、起こすべきカスタマージャーニーの変化、顧客接点でのブランド体験事例、クリエイティブ、コミュニケーションストーリー、KPI、媒体の最適組み合わせ、媒体費用対効果、製品コンセプト、サービスコンセプト、コピーなど、マーケティング戦略や施策のコアとなる情報がコンテンツとして読めるストーリー(読み物)としてまとめられています。興味やニーズに合わせて必要な情報を取捨取得して頂ければよいのですが、慣れないうちはどういう視点で読んで行けばよいか迷うこともあるかもしれません。ここではケーススタディを読んで有効活用して頂く為の、お勧めの読み方・視点をいくつかご紹介します。

  • 5つの学び方
  • 学び方1: データ中の因果関係の捉え方を学び、戦略や施策を導く「事例の引き出し」を増やす
  • 学び方2: 競合や他業界の戦略を学び、自社ブランドでも使える気付きを得る。
  • 学び方3: 失敗パターンを学び、「大きな根本的失敗を回避する」能力を身に着ける
  • 学び方4: 戦略が「実際には何を解決しているか」を学び「今後何を解決するべきか」を考察する
  • 学び方5: 戦略視点でケースを分析し、マーケティング理論や概念を実務で活用できる知識として体得する
学び方1 
データ中の因果関係の捉え方を学び、
戦略や施策を導く「事例の引き出し」を増やす

”ブランドの物語を読み解き、”戦略や施策の引き出し”を増やす”

数多くのケースに触れる事で、データや事実の中の因果関係を見つけ物語を紡ぐ力を養う事ができます。事例を読む際、ブランドにどのような問題が起こっていたのか、顧客はどのような課題を持っていたのかという文脈と、それに対して事例中のブランドが果たすべき役割は何だったのか、その為にどのような変化をどのような手段で達成しようとしたのか、その結果はどうだったのか、に注目して読んでみて下さい。”戦略や施策の引き出し”を増やす事ができます。
学び方2 
競合や他業界の戦略を学び、
自社ブランドでも使える気付きを得る。

”他業界の成功事例・失敗事例から学ぶ”

コレクシア・マーケティング・ケーススタディでは、商材カテゴリごとに様々なブランドの戦略ケースをまとめています。もちろん自社のケース、自分が担当するブランドが所属する商材カテゴリ、競合の戦略ケースなどを中心に見て頂くのが一番早く、確実に実務に使える学びが得られると思います。しかしあえて他業界の戦略ケースも考察して頂きたいと思います。マーケティングでは、他業界では当たり前のように使われている戦略でも、自社の商材カテゴリでは新規性があり、そういう戦略もあるのかという気づきが良質な学びとなるからです。

また、広告などの効果測定の経験があると実感しやすいと思いますが、効果測定は、実行した施策の効果は教えてくれても、「その施策で行くべきだったのか、それとも他によりよい施策があったのか」は教えてくれません。当たり前ですが、立案時や戦略オプションの策定、比較評価時に捨てられた施策は実行していないため、その効果を知ることは出来ないわけです。競合や他業界のケースで、未実行の戦略に類似した事例を見つけたら、ぜひそのケースを読み、自社が採用した戦略と比較してみて下さい。
学び方3 
失敗パターンを学び、
「大きな根本的失敗を回避する」能力を身に着ける

”ケースコンテンツから失敗事例の疑似体験をしておく”

ケースコンテンツは成功事例だけではなく、失敗事例も扱います。後者は「これは決定的に違う、十中八九失敗する」という、失敗を予測して回避できる能力を身に着けて頂く為に、提供しています。

確実に成功する戦略を作るのは無理ですが、失敗事例を含めてケースを数十とこなすと、"こういう場合にこうしても多分ダメだろう"という勘が働くようになってきます。これは、ケーススタディ/ケースメソッドを数多くこなすことで、戦略における、施策と結果の因果関係を分析する能力が向上するからです。実務経験の多い人が直感で悪手に気付けるのは、自身が実行した戦略と結果の因果関係を考察する機会が多いからです。ケース分析では、同様の「疑似体験」を通して失敗を回避する為の学びを得ることができます。
学び方4  
戦略が「実際には何を解決しているか」を学び、
「今後何を解決するべきか」を考察する

”実際に生活者の何を解決したのかを正しく理解する”

戦略立案に携わる時、過去の施策において「何を解決しようとしたのか」と、「実際に何を解決したのか」を知る事は非常に重要です。企業側が何らかの戦略を立て施策を展開しても、必ずその狙い通りにいくとは限りません。新規獲得狙いで打った施策が実は顧客の離反防止していた、の様な事例です。この場合、結果OKと言えなくもないですが、狙った目的は果たせていません。また競合との差別化を図る為に新しく実行した施策が、実は今まで築いてきた自社のブランド資産を毀損していた、の様に思わぬ所にマイナスの効果が発現していた、というケースもあります。

ケースコンテンツは、特定ブランドの戦略が「何を解決しようとして、実際には何が解決されたのか、もしくは解決されなかったのか」を明確に教えてくれます。自社が現状何を解決しているのかを知ることは、今後何を解決すべきなのかを導く為に役立ちますし、競合が実際に何を解決しているかという戦略の限界を知ることは、競合が解決できていなくてかつ自社が解決すべき課題を特定するのに役立ちます。
学び方5 
戦略視点でケースを分析し、
マーケティング理論や概念を実務で活用できる知識として体得する

”事例を通して言語化されたマーケティング理論を学べる”

戦略理論やマーケティングモデルは数多くありますが、理論を知っているだけでは実務で使えません。例えばSTP戦略、競争戦略、5フォース、アカウントプランニング、ブランド論、ポジショニング論、IMCなど概念として分かっていても、実務で使い分けて成果を出せなければ意味がありません。逆に経験だけでは、ノウハウやスキルがその人に属人化してしまい、未知の案件に対しても知っている知識のみで解決しようとする傾向が生まれます。いわゆる勘と経験と度胸の世界です。理論と経験が互いに裏付け合い、一般化・言語化されて、はじめて”使える”知識やノウハウになります。

コレクシア・マーケティング・ケーススタディのケースコンテンツでは、上記のような従来の理論に加えて、ジョブ理論やカスタマージャーニーなど比較的新しい理論まで含めて、各理論における本質的な考え方・視点を『戦略視点』として解説しています。ケース内の戦略視点を追う事で、各理論の本質的な考え方が、実際の戦略や施策でどのように使われたか、どのような仕掛けを導いたか、何故成果に繋がったか等を学べます。理論の役割が実際の事例を通して言語化されている為、理論を実務で活用できる知識として習得できます。