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顧客体験の解説 | テレビ |「フナイ」から学ぶ
販売店舗との連携施策事例

 
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 今回はテレビの"顧客満足の獲得"の事例として、"フナイ(船井電機)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、趣味のスポーツ観戦を大画面で臨場感を味わいながら楽しみたいと考えている男性(52歳)が、店頭で販売店とメーカーが提携して販売しているのを見かけ興味を持ったことで新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

販売店舗との
連携施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「フナイ」のテレビを例に、販売店舗との連携が新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、販売店舗との連携のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには顧客満足を獲得するに至ったのか、そのプロセスから「販売店舗との連携で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

スポーツ観戦を大画面で臨場感を味わいながら楽しみたい

自宅では仕事モードから上手く切り替えて、
趣味のスポーツ観戦を大画面で臨場感を味わいながら楽しみたい。(52歳男性 栃木県)

小島さん 52歳(仮名)
公務員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。フナイのテレビで満足を獲得できた生活者のカスタマージャーニーを紹介します。小島さん(52歳男性 栃木県)は「スポーツ観戦を大画面で臨場感を味わいながら楽しみたい」と考えている方です。世帯年収600~800万円未満ほどで公務員、既婚の男性です。

 小島さんは「自宅では仕事モードから上手く切り替えて、趣味のスポーツ観戦を大画面で臨場感を味わいながら楽しみたい」と話していました。

 では、このような状態の小島さんに、フナイのテレビがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”フナイのテレビで成立した価値”

※1

スポーツ観戦を楽しめることで、
ストレスを明日に持ち込さない

ブランドが果たした役割

 小島さんは現在、フナイのテレビを継続利用しています。最初は「店頭で販売店とメーカーが提携して販売している商品を見かけ、店員の意見も踏まえて他の有名メーカーと比較しても自分に良さそうだと思い購入した」と話していました。実際に購入してみると、遠くて直接は見に行けないスポーツの試合も、大画面テレビで見ることで実際にスタジアムで見ているような臨場感を味わいながら楽しめると感じました。また、「家にいてもテレビでスポーツ観戦を十分に楽しめることで、オンとオフをうまく切り替えられるため、明日にストレスを持ち込まずに済んでいる」ということに気づき、満足を獲得できたと考えられます。

顧客体験の変化

 小島さんはフナイのテレビを購入する以前、「自宅に帰って来ても、仕事モードからうまく気持ちを切り替えられない時がある」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、フナイのテレビを購入することにより、「家にいてもテレビでスポーツ観戦を十分に楽しめることで、オンとオフをうまく切り替えられるため、明日にストレスを持ち込せずに済んでいる」と感じ、さらに、フナイのテレビを利用していくうちに、「コロナウイルスの影響で趣味のスポーツ番組の放送も減ってしまったが、大きなテレビだとスポーツ番組も、スポーツ以外の番組も迫力があるので十分楽しめる」ということに気づき、商品に満足するようになりました。
図解

フナイのテレビの顧客体験事例から紐解く

「販売店舗との連携で初回購入から顧客満足を獲得する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「販売店舗との連携で初回購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、小島さんは元々「自宅では仕事モードから上手く切り替えて、趣味のスポーツ観戦を大画面で臨場感を味わいながら楽しみたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、店頭で販売店とメーカーが提携して販売している商品を見かけ、店員の意見も踏まえて他の有名メーカと比較しても自分に良さそうだと思い、購入するに至りました。
 その後、フナイのテレビを継続して利用していく中で、「遠くて直接は見に行けないスポーツの試合も、大画面テレビで見ることで実際にスタジアムで見ているような臨場感を味わいながら楽しめる」と感じ、「家にいてもテレビでスポーツ観戦を十分に楽しめることで、オンとオフをうまく切り替えられるため、明日にストレスを持ち込せずに済んでいる」という価値が成立して、顧客満足を獲得するに至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

仕事モードから切り替えて、自宅ではテレビを大画面で見るなどしてオンオフを上手に切り替えたいと考えているケース

小売店と提携することで、他メーカーと同レベルの製品を他メーカーより低価格で提供

結果

自宅では仕事モードから切り替え、スポーツ観戦などをリラックスしつつ大きな画面で楽しみたいと感じている生活者が、販売店とメーカーが提携して販売している製品を店舗で見て、店員からの説明も聞く中で、他の有名メーカーと比較しても良さそうだと感じて購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。仕事モードから切り替えて、自宅ではリラックスモードで趣味のスポーツ観戦を楽しみたいと考えている生活者が、販売店とメーカーが提携して売り出していた製品を見て、他の有名メーカーよりも良さそうだと感じたことで購入しています。実際に使用してみると、前のテレビより大きくて迫力があるため、スポーツ番組の臨場感を楽しめたり、コロナウイルスの影響で世間的に閉塞感が漂っていても、スポーツ以外の番組も会場で見ているような気分を味わえて楽しめることで、製品のおかげでストレスを明日に持ち込まずに済む点に満足していることが分かります。

 この構造を応用することで、コロナウイルスの影響で外出自粛中で家にこもりがちになっている人に対して、スポーツ観戦や番組の観覧に行けない状況下でもテレビの大画面で番組を楽しめることで、実際に会場にいるかのような臨場感が味わえるという点を訴求することができ、購入を促すことができると考えられます。また、外出自粛により在宅勤務が一般化してきたことにより、仕事とプライベートとのオンオフの切り替えが上手くできるような商品やサービスの需要が高まっているのではないかと考えられます。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。