●「どうしたら、どうなる」という顧客変化のルールを導く、
●ナラティブアプローチ
「なぜ変化したのか、その変化に対してブランドは何をすべきか」
変化の結果はパターン化できますがその原因は多種多様であり、顧客の生活文脈の中で理解する必要があります。これに適したアプローチが、「ナラティブによる顧客体験の観察」です。アンケートのようにブランドに対する顧客の声を直接聞くのではなく、その顧客の声が生まれたバックグラウンドを理解することで、「どうしたら、どうなる」という顧客が変化する時のルールやパターンを明らかにして、変化後の顧客の視点や価値基準に適合した顧客体験を設計することがゴールです。
ナラティブアプローチの特徴
ナラティブは顧客が自身の生活について語る一人称視点の物語で、「その人がそう感じる背景や事情」を理解したうえで1人1人に寄り添うことが望まれる医療や看護、教育といった分野で発展したアプローチです。以下のような特徴を持ちます。
【顧客の生活変化に伴う、課題感の変化や物事の優先順位を探る】
新型コロナウイルス(COVID-19)のような外的要因は、生活への影響として表出して初めて顧客に認識されます。したがってまずは、カスタマージャーニー視点で顧客の生活に起こっている変化を洗い出していきます。
【本人が信じる因果関係や、本人にとっての正解を理解する】
顧客が生活の変化に適応しようとした結果、ブランドの選択基準や課題解決の優先順位が変わります。ナラティブアプローチは、顧客が自らの経験を通して培った「ものの見方」や「物事の因果関係」、「本人にとっての正解」を分析して、「どうしたら、どうなる」という顧客変化のルールを導くという特性を持っています。これを応用して、ブランドへの認識や購買行動がどう変わったのかを明らかにします。
【変化後の視点を踏まえて施策の仮説を導く】
これらの認識変化や行動変化に沿うように、商品企画やコミュニケーション開発を行います。「こういう考え方の変化があったのなら、この課題はこう描写したら伝わりやすいのではないか」、「こういう文脈でこの課題感を持ったのなら、ブランドのこの便益をこう伝えるとよいのではないか」というように、企画要件を導き出していきます。
「ブランドはこれからどう変わればよいのか。どうしたら変われるのか。」