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顧客体験の解説 | リテールブランド |
「Loft」から学ぶIPとのタイアップ事例

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 今回は"IPとのタイアップ"の事例として、"Loft"の事例を紹介します。このケーススタディで紹介する生活者は、ふなっしーやカパルなど、キャラクターグッズが好きな女性(44歳)が、IPとのタイアップにより、Loftに継続的に通うようになった、という顧客体験をご紹介します。この体験価値は約「5-10万人」の顧客層に訴求できたと推定されます。※1
IPとのタイアップでリピート購買を促す



IPコンテンツ

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リピート購買

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「Loft」を例に、IPとのタイアップがリピート購買を促したという構造を持つ顧客体験を収集し、ケーススタディとしてまとめました。本稿では、IPとのタイアップのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられていったのか、そのプロセスから「IPとのタイアップでリピート購買を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

知らないキャラクターのグッズは愛着がわかない

ノベルティで貰ったものなど、何らかのキャラクターがついているグッズを手にすることはあるが、知らないキャラクターだと大体愛着も沸かず、例えばボールペンならインクの出が悪くなったら躊躇なく捨てる。(44歳女性 埼玉県)

岡さん(44歳)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。Loftを利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。岡さん(44歳女性 埼玉県)は元々、「知らないキャラクターのグッズは愛着がわかない」という方です。自身は目指したいあり方として「職場で使うボールペンやノートはもちろん、仕事の休憩時にも愛着のあるキャラクターグッズを利用したい。イラストを見ることで癒しになる。」とも考えている、世帯年収200万円未満ほどで、パート・アルバイト、独身の女性です。

 岡さんは、「好きなキャラクターグッズの販売情報などを見つけるのが大変。」と話しています。しかし、最近はTwitterも使って、イベントの情報などを見つけて特典目当てに買い物に行ったりしている状況です。

 では、このような状態の岡さんに、Loftがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”Loftで成立
した価値”

※2

担当の方が仕事を超えて楽しんでいる
様子が感じられて愛着を感じた

ブランドが果たした役割

 岡さんは現在、「loftとカパルのコラボ企画は2年前にあったけど、今回ウェブショップ開店記念でloft店頭で実物を確かめたうえで買える。」と語っており、今もLoftを利用し、リピートするようになりました。最初は「loftのツイートをカパル自身がリツイートしていて、サイトを見なくても当日の情報が更新された事を知れて当日イベントの様子も写真付きでツイートされていた」ことがきっかけになっていたため、「キャラクター公式アカウントと店舗アカウントの連動」が作用して店頭に向かい、そして「店頭の担当者が以前と変わらず担当していたこと」によって「担当の方が仕事を超えて楽しんでいる様子が感じられて愛着を感じた」ため、リピート購買に至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 岡さんはLoftを利用する以前から、「飲料を買っても、ボトルのラベルが見えない形でキャラクターグッズのケースにいれて仕事中は飲んでいる」というくらいキャラクターグッズを買っている人です。その後Loftを利用することで、「不定期でもふなっしーやカパルのグッズを店頭に置いて購入特典を配布してくれるだけで来店する意欲がわく」、「毎週特典欲しさで買物に行く」と語っており、Loftへ通う頻度も上がりました。
図解

Loftの顧客体験事例から紐解く

「IPとのタイアップでリピート購買を促す」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

体験価値の
市場規模

5-10万人

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「IPとのタイアップでリピート購買を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。

 このストーリーでは、岡さんは元々「知らないキャラクターのグッズは愛着がわかない」という課題認識を持っていました。しかし、Loftが、「Twitterでのコラボイベント告知をすること」によりIPとのタイアップが告知された上で、「担当の方が仕事を超えて楽しんでいる様子が感じられて愛着を感じた」のように、店頭でもIPを大事に扱っている様子を感じられたため、その後店舗でのリピート購買につながりました。また「5-10万人」の顧客層に訴求できたと推定されます。※1

応用可能性~本事例の学び

課題

商品・情報が多いことによる負荷

多くのアイテムや情報が存在しているため、自分に合った商品にたどり着くことが負担となる場合の課題。

IPとのタイアップ

結果

好きなキャラクターと、そのキャラクターをショップも大切に扱ってくれていると感じたことで、継続的にショップを利用するようになった。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。情報負荷、関連する情報が多すぎると感じている生活者に、IPとのタイアップ(Twitterでのコラボイベント告知、)が対応したことで「そのお店も、自分が好きなキャラを好きで大事にしてくれていると感じた」という認識が生まれ、その結果リピート購買に繋がったと言えます。

 この構造を応用することで、他にも「好きなキャラクターグッズの販売情報などを見つけるのが大変。」と考えている消費者をターゲットとしている商品やサービス(例:ロングテール、ニッチだが根強いファンがいるもの、アニメや漫画などのコンテンツ等)についても、IPとのタイアップ(Twitterでのコラボイベント告知等)を用いる事でリピート購買に導ける可能性があると考えられます。

注記
※1 体験価値の規模推定値は、市場調査結果(n=3000)データと人口統計データより、調査データ内の”同じ商品を購入した消費者”かつ、”本稿で紹介した消費者と類似のインサイトを持っている人”の規模から計算しています。

※2 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。