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顧客体験の解説 | ノートパソコン |「MacBook Pro」から学ぶ販売員の熱心な語りかけ施策事例

 
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※このケーススタディは消費者行動図鑑のカスタマージャーニー分析(http://kawarekata.com/)をリニューアルしたものです。

今回はノートPCの"新規購入促進"の事例として、"MacBook Pro"の事例を紹介します。このケーススタディでは、使っていたパソコンが壊れたので買い替えを検討している男性(39歳)が、販売員の熱心な語り掛けがきっかけでMacBook Proを使用しはじめ、継続使用するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

販売員の熱心な語りかけ

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新規購入

今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「MacBook Pro」を例に、販売員の熱心な語りかけが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験を収集し、ケーススタディとしてまとめました。本稿では、販売員の熱心な語りかけ施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ継続利用するに至ったのか、そのプロセスから「販売員の熱心な語りかけで新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

ネット検索やメールをする時、
スマートフォンよりPCを使いたい時がある。

趣味として写真や動画の加工もするので、どうせ買うなら高性能なPCが欲しい。(39歳男性 東京都)

横山さん 39歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。MacBook Proを購入し、利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。横山さん(39歳男性 東京都)は元々、「自宅のPCが壊れたので買い替えを考えていた」という方です。世帯年収800~1000万円未満ほどで会社員、既婚の男性です。

横山さんは「性能もデザインも良いPCを使うことで、ネット検索も趣味の作業もスムーズに行いたい」と話していました。さらに、PCでネット検索ができないと不便だし、性能が物足りないと趣味も楽しめない、と不安にも感じています。

では、このような状態の横山さんに、MacBook Proを使用することがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”MacBook Proを利用することで成立した価値”

※1

熱狂的なファンのいるブランドを持つことで、自分がちょっと「通」になったような気がしてうれしい。

ブランドが果たした役割

 横山さんは現在、MacBook Proを継続利用しています。最初は「自宅のPCが壊れて不便だったので、買い替えに行ったら店頭で販売員にMacに対する思いを熱く語られて興味を持った」と話していました。実際にその商品を使用してみると、「Macbook Proは性能も高く、優れたデザイン性や操作感があるので愛着を持って使用できる」ということに気づいたことから、自分もこだわりのある物がわかる人たちの仲間入りをしたような気がして嬉しくなり、継続使用するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 横山さんはMacBook Proを使用する以前、「PCが無いとネット検索しづらくて不便だし、スペックが物足りないとつまらない」という体験で今のままでは良くないと気づかされました。その後MacBook Proを使用することにより、使い心地もデザインも良く、Macを使っているとクリエイティブになれるような気がすると感じました。さらに継続的に使用していくうちに、以前使っていたPCには便利な機器であるという以外には何も思っていなかったが、MacBook Proには愛着が持てることに気づき、特徴的なブランドの製品を使用していると自分がちょっと「通な人である」と感じられるようになったことで、MacBook Proを継続使用するようになりました。
図解

MacBook Proの顧客体験事例から紐解く

「販売員の熱心な語りかけ」施策の成功要因

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「販売員の熱心な語りかけで新規購入を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、横山さんは元々「PCでネット検索ができないと不便だし、スペックが物足りないPCはつまらない」という課題認識を持っていました。新しいPCを買いにお店に行ったところ、店頭で販売員に熱心にMacの良さについて語られ、あまりの熱いトークに興味を持ちMacBook Proの使用を開始しました。その後、MacBook Proの使用を続けていくにつれ、以前使っていたPCには感じなかった愛着を感じ、「特徴的なブランドの製品を使用していると、ちょっと自分が通になったような気がしてうれしい」という価値が成立して、継続使用に至りました。

注記
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。