Collexia 
Marketing 
Casestudy

顧客体験の解説 | 飲料 |「マウントレーニア」から
学ぶ競合品との価格差施策事例

 
  • facebook
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 ※このケーススタディは消費者行動図鑑のカスタマージャーニー分析(http://kawarekata.com/)をリニューアルしたものです。

 今回は飲料の"新規購入促進"の事例として、"マウントレーニア"の事例を紹介します。このケーススタディでは、コーヒー豆をきらしていたのでコンビニに飲み物を買いにいった女性(53歳)が、店頭で有名コーヒーより100円安かったことがきっかけでマウントレーニアの購入を決め、継続利用するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

競合品との価格差施策

×

新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「マウントレーニア」を例に、有名コーヒーより100円安かったことが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験を収集し、ケーススタディとしてまとめました。本稿では、競合品との価格差施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ継続利用するに至ったのか、そのプロセスから「競合品との価格差で新規購入を促進を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

ドライブの途中や夫が飲みたいと言った時、
有名コーヒー並みのおいしさのコーヒーで喜んでもらいたい。

コスパがいいのに家族も喜んでくれるとうれしい。(53歳女性 愛媛県)

川上さん 53歳(仮名)
自由業

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。マウントレーニアを継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。川上さん(53歳女性 愛媛県)は元々、「家族に喜んでもらえるものを買いたい」という方です。世帯年収1000~1200万円未満ほどで自由業、既婚の女性です。

川上さんは「コーヒー豆をきらしていたので、コンビニに飲み物を買いに行ったら、有名コーヒーと値段が100円違うコーヒーが売っていたので試しに両方買ってみた」と話していました。毎回値段の高いコーヒーを買うのは厳しいし、かといって安くても美味しくないコーヒーにお金を払うのはもっと嫌、と不安にも感じています。

では、このような状態の川上さんに、マウントレーニアを使用することがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”マウントレーニアを購入することで成立した価値”

※1

コスパが良く手軽に買えるので、
いつでも家族に喜んでもらえる。

ブランドが果たした役割

 川上さんは現在、マウントレーニアを継続購買しています。最初は「コーヒー豆をきらしていたので、コンビニに飲み物を買いに行ったら、有名コーヒーと値段が100円安いコーヒーが売っていたので試しに両方買ってみた」と話していました。実際に2つの商品を飲み比べてみると、味にほとんど差がないことがわかりました。さらに「有名コーヒーより100円も安いのに、同等のおいしさ」であり、コスパが良いことに 気づいたことから、継続購入するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 川上さんはマウントレーニアを使用する以前、「毎回値段の高いコーヒーを買うのは厳しいし、かといって安くても美味しくないコーヒーにお金を払うのはもっと嫌。」という体験で今のままでは良くないと気づかされました。その後、マウントレーニアを利用することにより、有名コーヒーより100円も安いのに、同等の味であると気づきました。さらに継続的に使用していくうちに、コーヒーが飲みたいとドライブ途中などに家族に言わた時でも、コンビニなど比較的どこでも手軽に買えるコスパの良い美味しいコーヒーとして喜ばれると感じられるようになったことで、マウントレーニアを継続購入するようになりました。
図解

マウントレーニアの顧客体験事例から紐解く

「競合品との価格差で新規購入を促す」の成功要因

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「競合品との価格差で新規購入をを促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、川上さんは、「毎回値段の高いコーヒーを買うのは厳しいし、かといって安くても美味しくないコーヒーにお金を払うのはもっと嫌。」という課題認識を持っていました。自宅のコーヒー豆をきらしたので、コンビニに飲み物を買いに行ったところ、有名コーヒーより100円安いマウントレーニアを見つけました。
その後、マウントレーニアの使用を続けていくにつれ、コスパが良く手軽に買えるので、お得であるという価値が成立して、継続利用に至りました。

注記
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。