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顧客体験の解説 | お酒 |「ゴールドスター」
から学ぶテレビCM施策事例

 
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 今回はお酒の"継続購入"の事例として、"ゴールドスター(サッポロ)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、毎日の家族との晩酌には安くて美味しいビールを楽しみたい男性(42歳)が、テレビCMを見て知った商品を店頭で見かけて新規購入し、満足するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

テレビCM施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ゴールドスター」を例に、テレビCMが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、テレビCMのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入するに至らせたのか、そのプロセスから「テレビCMで新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

毎日の家族との晩酌は、
安くて美味しいビールを楽しみたい

友人や知人とお酒を飲む機会が少なくなったので、せめて毎日の家族との晩酌には、
家計の負担にならないコストで美味しいビールを飲みたい。(42歳男性 熊本県)

山岸さん 42歳(仮名)
自営業

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ゴールドスターを継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。山岸さん(42歳男性 熊本県)は「毎日の家族との晩酌は、安くて美味しいビールを楽しみたい」と考えている方です。世帯年収200万円未満で自営業、未婚の男性です。

 山岸さんは「友人や知人とお酒を飲む機会が少なくなったので、せめて毎日の家族との晩酌には、家計の負担にならないコストで美味しいビールを飲みたい。」と話していました。

 では、このような状態の山岸さんに、ゴールドスターがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

“ゴールドスターで成立した価値”

※1

経済的に家族と晩酌ができ、
日常生活が楽しくなった

ブランドが果たした役割

 山岸さんは現在、ゴールドスターを継続購入しています。最初は「テレビCMで初めて知り、店頭で見かけた時に購入した」と話していました。実際に購入してみたところ、家計の負担が少なく、経済的に家族全員で晩酌ができるようになり、助かっていると感じました。また、「本来のビールに近い味わいを安い価格で買えることで、日常の生活に楽しさを感じるようになった」ということに気づき、継続購入に至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 山岸さんはゴールドスターを購入する以前、「友人や知人とお酒を飲む機会が少なくなった」ことで対策が必要だと気づき、このままではいけないと思いました。その後、ゴールドスターを購入することにより、「本来のビールに近い味わいを安い価格で買えることで、日常の生活が楽しくなった」と感じ、さらに、ゴールドスターを使用していくうちに、「とにかく普通のビールと比べて安く購入する事が出来るので、家族全員が喜んでいる」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
図解

ゴールドスターの顧客体験事例から紐解く

「テレビCMで新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「テレビCMで新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、山岸さんは元々「友人や知人とお酒を飲む機会が少なくなったので、毎日の家族との晩酌には安くて美味しいビールを楽しみたい」という課題認識を持っていました。そんな時、テレビCMで初めて知り、店頭で見かけ、購入するに至りました。
 その後、ゴールドスターを継続して使用していく中で、「家計の負担が少なく、経済的に家族全員で晩酌ができるようになり、助かっている」と感じ、「本来のビールに近い味わいを安い価格で買えることで、日常の生活に楽しさを感じるようになった」という価値が成立して、継続購入に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷+金銭的負荷

友人や知人とお酒を飲む機会が少なくなったので、毎日の家族との晩酌には安くて美味しいビールを楽しみたいと考えているケース

TVCMで、本格的な味が
手軽に楽しめることを訴求

結果

友人や知人とお酒を飲む機会が減っても、家族と本格的な味わいのビールを楽しみたいと考えている生活者が、テレビCMで商品を知り、店頭で見たことでとりあえず試してみようと感じて購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。コロナで友人や知人と飲みに行くことができない中でも、自宅では家族みんなと美味しいビールで晩酌したいと考えている生活者が、テレビCMで商品を初めて知り、店頭で見かけて試しに購入し、何度か購入して飲んでいたら美味しさを感じて継続購入に至っています。家計に優しい価格で、本来のビールに近い味わいを家族で楽しめることで、日常の生活が楽しくなったと感じています。

 この構造を応用することで、コロナの影響で、より家族の団らんに一役買うものを求める傾向にあると考えられるため、年代を問わず美味しく飲めることや、家族団らんの楽しげなイメージをCMで訴求し、店頭で商品を見つけやすくすることに加え、トライアルしやすい工夫をすることで新規購入を促し、商品のお得さを理解してもらい継続購入に繋がると考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。