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顧客体験の解説 | 自動車 |「モコ」から学ぶ
販売員のお勧め施策事例

 
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※このケーススタディは消費者行動図鑑のカスタマージャーニー分析(http://kawarekata.com/)をリニューアルしたものです。 
 
 今回は自動車の"新規購入促進"の事例として、"モコ"の事例を紹介します。このケーススタディでは、所持している車の車検が近づいていたので買い替えを考えている女性(36歳)が、販売員のおすすめがきっかけでモコの購入を決め、継続使用するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

販売員のお勧め施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、日産「モコ」を例に、販売員から「ママにうれしい機能満載である」とお勧めされたことが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験を収集し、ケーススタディとしてまとめました。本稿では、販売員のお勧め施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ継続利用するに至ったのか、そのプロセスから「販売員のお勧めで新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

毎日のちょっとした用事に、
小回りがきいて使い勝手の良い車に乗りたい

車体は小さめでも広い室内でゆったりした気分で運転したい。(36歳女性 宮城県)

山田さん 36歳(仮名)
専業主婦

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。モコを継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。山田さん(36歳女性 宮城県)は元々、「所持している車の車検が近づいていたので買い替えを考えている」という方です。世帯年収200~400万ほどで、専業主婦、既婚の女性です。

山田さんは「日常の買い出しや子供の習い事の送迎など、ちょっとした用事で出かけることが多いので、小回りがきいて使い勝手の良い車で快適に過ごしたい。」と話していました。さらに、近場に行くためだけに大きい車を出すのは面倒だし、小さくて乗りやすくても室内が狭かったら買い物や子供の送迎の時不便、とも感じています。

では、このような状態の山田さんに、モコを利用することがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”モコを使用することで成立した価値”

※1

小回りが利いて燃費もいいし、
室内がゆったりしていて快適。

ブランドが果たした役割

 山田さんは現在、モコを継続使用しています。最初は「モコはママにうれしい機能満載の車だと販売員から勧められて購入した」と話していました。しかし実際に使用してみると、リクライニングしてもゆったりと広く使えて快適だし、メーターやオーディオなどのディスプレイも大きくて見やすいことに気づきました。さらに、見た目より室内がゆったりしているので、圧迫感なくゆったりと乗れると気づいたことから、継続使用するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 山田さんはモコ使用する以前、「所持している車の車検が近づいていた」という体験で今のままでは良くないと気づかされました。その後、モコを使用することにより、シートがゆったりしているのでリクライニングしても広く使えて快適だし、メーターやオーディオなどのディスプレイの表示も大きくて見やすいから使いやすいと感じました。さらに継続的に使用していくうちに、室内が広いから圧迫感なくゆったりと乗れることに気づき、モコを継続使用するようになりました。
図解

モコの顧客体験事例から紐解く

「店員のおすすめ施策で新規購入を促す」の成功要因

本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「販売員のおすすめで新規購入を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、山田さんは元々「所持している車の車検が近づいていたので、新しく買い替えたい」という課題認識を持っていました。
販売員からママにうれしい機能が満載だとおすすめされ、購入を決めました。その後、モコの使用を続けていくにつれ、「リクライニングしても広く使える」、「ディスプレイ類の表示が大きくて見やすい」と感じたことで、「室内が広く、毎日のちょっとした用事にも使いやすくて快適」という価値が成立して、継続使用に至りました。

注記
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。