Collexia 
Marketing 
Casestudy

顧客体験の解説 | ノンアルコール飲料 |

「ドライゼロ」から学ぶ新聞広告施策事例

 
  • facebook
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 今回はノンアルコール飲料の"継続購入"の事例として、"ドライゼロ(Asahi)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、週末は主人とゆっくり話をする時間を作りたいと考えている女性(59歳)が、新聞広告でドライゼロを見かけて興味を持ち、そのあと実際に店舗で商品を見かけたことで新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

新聞広告施策

×

新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ドライゼロ」を例に、新聞広告が新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、新聞広告のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入するに至ったのか、そのプロセスから「新聞広告で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

週末はイライラせずに、
笑顔で主人とゆっくり会話する時間を作りたい

お酒を飲まない主人の前で、自分だけ酔って眠くなってしまうため会話が減ってしまう(59歳女性 大阪府)

松島さん 59歳(仮名)
専業主婦

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ドライゼロを継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。松島さん(59歳女性 大阪府)は「週末は主人とゆっくり会話を楽しみたい」と考えている方です。世帯年収400~600万円未満ほどで専業主婦、既婚の女性です。
 
 松島さんは「主人はお酒を飲まず、いつも私だけ飲んで酔っ払い眠くなってしまうため、夫婦の会話の時間が取れない」と話していました。

 では、このような状態の松島さんに、ドライゼロがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”ドライゼロを購入したことで成立した価値”

※1

ビールと違って眠くなることもなく、味もスッキリとしているのでリフレッシュできて、主人との会話が笑顔で楽しめる。

ブランドが果たした役割

 松島さんは現在、ドライゼロを継続購入しています。最初は「新聞広告で見かけてたことで興味を持ち、実際にスーパーの店頭で見かけたので、試しに購入してみた」と話していました。実際に飲んでみると、ビールと違って眠くなることもなく、味もスッキリとしているのでリフレッシュできて、主人との会話が笑顔で楽しめると感じました。また、「後味がすっきりしていて飲みやすいので、主人と語らう時の良い存在である」ということに気づき、継続購入するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 松島さんはドライゼロを購入する以前、「酔って眠くなってしまうことにより、主人との会話の時間が減っている」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、ドライゼロを購入することにより、「眠くなることがないので、介護をしている義母の事を色々と話すことができる」と感じ、さらに、ドライゼロを購入していくうちに、「義母の介護で疲れる事が多くて、主人が帰宅する時にイライラをぶつけてしまいがちの私が、ドライゼロを飲んだ後なら笑顔で主人と楽しく会話できる」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
図解

ドライゼロの顧客体験事例から紐解く

「新聞広告施策で新規購入を促す」の成功要因

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「新聞広告で初回購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 そんな時、新聞広告からドライゼロに興味を持ち、その後スーパーの店頭で商品を見かけたことで試してみようと思い、購入するに至りました。
 このストーリーでは、松島さんは元々「主人はお酒を飲まず、いつも私だけ飲んで酔っ払い眠くなってしまうため、夫婦の会話の時間が取れない」という課題認識を持っていました。そんな時、新聞広告からドライゼロに興味を持ち、その後スーパーの店頭で商品を見かけたことで試してみようと思い購入するに至りました。その後、ドライゼロを継続して購入していく中で、「ビールよりも後味がスッキリとしているので飲みやすく、週末の主人との会話を楽しむことができる」と感じ、「リフレッシュもできて、ビールと違って眠くなることもないので主人との会話が笑顔で楽しめる」という価値が成立して、継続購入に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

身体的負荷+心理的負荷

ビールを飲んでリフレッシュしたいが、夫はお酒を飲まないし、自分はビールを飲むと眠くなってしまうため、家族とゆっくり会話ができなくなってしまうと感じているケース

新聞広告で商品を訴求
+
店頭で目の付く場所に陳列

結果

アルコール飲料はリフレッシュできるが、眠くなってしまうため夫との会話が楽しめないと感じていた生活者が、新聞広告で見かけて商品に興味を持ち、その後、スーパーで実際に商品を見かけたことで試してみようという気持ちになり、初回購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。ビールを飲むことでリフレッシュできると感じている生活者だが、飲むと眠くなってしまい、夫とゆっくり会話ができないことや、夫はお酒を飲まないため自分だけが酔ってしまうことに問題や不満(身体的負荷+心理的負荷)を感じていました。そのような生活者が、新聞広告でノンアルコール商品を見て興味を持ち、店舗で実際に商品を見かけたことで試してみようと思ったことで、初回購入に至っています。そして実際に飲んだ結果、ビールとはまた違った商品の後味や飲みやすさも気に入り、飲んでも眠くならずに済んだため、週末にイライラをぶつけることなく夫と笑顔でゆっくり語らえたことで、満足感を感じています。

 この構造を応用することで、生活者は「リフレッシュしたい」という気持ちを満たせるのはアルコール飲料だけだと考えていたため、満足感に付随してデメリット(酔って眠くなってしまう)が生じてしまうことも仕方ないと考えていました。このような生活者に対して、生活者の本来の商品利用目的を満たしつつも、デメリットが解消できるという点を訴求することで、自社商品へとスイッチさせられる可能性があります。さらにスイッチ先となる自社商品に、以前の商品にはなかった新たな魅力を感じさせることができた場合、自社ブランドへの愛着が生まれ、生活者のライフスタイルシーンに無くてはならない存在だと感じるほどに欠かせない商品となることができます。

注記
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。
おすすめケーススタディ