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顧客体験の解説 | 漫画アプリ |「ヤンジャン!」
から学ぶキャンペーン施策事例
今回は漫画アプリの"継続利用・継続課金"の事例として、"ヤンジャン!"の事例を紹介します。このケーススタディでは、店舗で在庫が見当たらない作品をあちこち探し回る手間はかけたくない男性(37歳)が、読みたい漫画が配信されているアプリで、期間限定で課金額還元キャンペーンが実施されているのを知って、継続利用・継続課金するに至った、という顧客体験をご紹介します。
今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ヤンジャン!」を例に、キャンペーンの実施が継続利用・継続課金を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、キャンペーン施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ継続利用・継続課金を促進するに至ったのか、そのプロセスから「キャンペーンで継続利用・継続課金を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。
店舗で漫画の在庫が見当たらないが
あちこち探し回る手間もかけたくない
いつも読んでいる漫画の続きを読んで現実世界から離れてリラックスしたい(37歳男性 福井県)
まず、生活者と課題を見ていきましょう。ヤンジャン!を継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。黒木さん(37歳男性 福井県)は「店舗で漫画の在庫が見当たらないがあちこち探し回る手間もかけたくない」と考えている方です。世帯年収200~400万円未満ほどで会社員、未婚の男性です。
黒木さんは「いつも読んでいる漫画の続きを読んで、現実世界から離れてリラックスしたい」と話していました。
では、このような状態の黒木さんに、ヤンジャン!がどのような変化をもたらしたのかを解説します。
”ヤンジャン!で成立した価値” ※1 |
= |
在庫を探し回らずに済み、 読み逃しや重複買いもなくなった |
ブランドが果たした役割
黒木さんは現在、ヤンジャン!を継続利用しています。最初は「読みたい漫画が配信されているアプリで、期間限定の課金額20%還元キャンペーンが実施されているのを知ってダウンロードし、課金した」と話していました。
しかし実際にアプリを利用してみると、いつでも自分の好きなタイミングで閲覧制限を気にせずに読みたい漫画が読めて、読み逃しや巻数を重ねて買うこともなくなったことに気づき、継続利用・継続課金するに至ったと考えられます。
顧客体験の変化
黒木さんはヤンジャン!を利用する以前、「いつも読んでいる漫画の続きが気になるが、店舗で在庫が見当たらず、あちこち探し回る手間もかけたくない」と考え、今のままでは良くないと気づかされました。その後、ヤンジャン!で課金したことにより、「買いに行く手間をかけず、自分の好きなタイミングで閲覧制限を気にせずに漫画が読める」と感じ、さらに、ヤンジャン!を利用していくうちに、「電子アプリだとおすすめ作品の紹介が受けられ、購入の有無もすぐにわかって便利だし、スマホを変えても何度でも読み返せる」ということに気づき、継続的に利用・課金するようになりました。
「キャンペーンで継続利用・継続課金を促す」の成功要因
本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「キャンペーンで継続利用・継続課金を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、黒木さんは元々「主いつも読んでいる漫画の続きが気になるが、店舗で在庫が見当たらない。けれど、あちこち探し回る手間もかけたくない」という課題認識を持っていました。
そんな時、読みたい漫画が配信されているアプリで、期間限定で課金額20%還元キャンペーンが実施されているのを知って利用、課金するに至りました。
その後、ヤンジャン!を継続して利用・課金していく中で、「いつでも自分の好きなタイミングで閲覧制限を気にせずに読みたい漫画が読める」と感じ、「アプリだと読み逃しや巻数を重ねて買うことがなくなった。また、読んでいる間だけは仕事を完全に忘れてリラックスできる」という価値が成立して、継続購入に至りました。
応用可能性~本事例の学び
課題
漫画雑誌を店舗に買いに行く手間や、在庫がなくて探し回る手間をかけたくないと感じているケース
配信している漫画情報、
課金額の一部還元
キャンペーンを告知
結果
買いに行く手間や在庫を探したりせずに漫画を読みたい生活者が、漫画アプリでも読みたい作品が読めて、期間限定で課金額の一部還元キャンペーンが行われているのを知り、課金に至っている。
今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。作品の続きが気になりつつも、近くの店舗では在庫がなく、けれど他の店舗を探し回る手間はかけられないと考えていた生活者が、その漫画を配信している漫画アプリで課金額の一部還元キャンペーンを実施していると知り、課金に至っています。現在は、課金すればいつでも好きなタイミングで閲覧期限を気にせずに漫画が読めて、アプリ内で管理されているため、読み逃しや重ねて同じ巻数を買ってしまうこともなくなったと感じ、課金利用を継続しています。
この構造を応用することで、電子書籍であれば、店舗で在庫切れの作品もすぐに読めるため時間的コストを払拭でき、何巻まで買ったかわからなくなるなどの管理負荷も払拭できる点を訴求することで、利用を促すことができると考えられます。また、今後コロナウイルスの影響により、新しい生活様式「買い物は素早く済ませる」という習慣が定着すると、商品を店舗に買いに行ったり、在庫を探し回ったりすることに抵抗を感じる生活者が増え、電子書籍等の利用者も増加すると思われるため、キャンペーンなどを実施して他社と差別化を図ることでダウンロードや課金を促せる可能性があります。
注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。
「カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。
https://www.journey-navi.com/