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顧客体験の解説 | 美容家電 |
「HITACHI ハダクリエ」
から学ぶ雑誌掲載施策事例

 
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 今回は美容家電の"顧客満足獲得"の事例として、"ハダクリエ(HITACHI)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、自分で肌のスペシャルケアをしたいと考えている女性(34歳)が、家電の批評雑誌でベストバイと掲載されているのを見て新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

雑誌掲載施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「HITACHI ハダクリエ」を例に、雑誌掲載が新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、雑誌掲載のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには顧客満足を獲得させるに至ったのか、そのプロセスから「雑誌掲載で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

お金をかけすぎず、
自分で肌のスペシャルケアをしたい

コロナの影響で外で肌のメンテナンスするという選択肢がなくなったため、
自分で肌ケアしたい(34歳女性 青森県)

森川さん 34歳(仮名)
専業主婦

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ハダクリエを新規購入した生活者のカスタマージャーニーを紹介します。森川さん(34歳女性 青森県)は「家で自分で肌のケアをしたい」と考えている方です。世帯年収1200~1500万円未満ほどで専業主婦、既婚の女性です。

 森川さんは「コロナの影響で外で肌のメンテナンスするという選択肢がなくなってしまった」と話していました。

 では、このような状態の森川さんに、ハダクリエがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

‟ハダクリエで成立した価値”

※1

継続すると手で行うスキン
ケアより肌を綺麗に保てる

ブランドが果たした役割

 森川さんは現在、ハダクリエを継続利用しています。最初は「家電の批評雑誌でベストバイと掲載されているのを見て購入した」と話していました。実際に使ってみると、継続すると自己流のスキンケアより肌を綺麗に保つことができると感じました。また、「日頃使っているビタミンCの美容液を手で塗ったときと比べて、翌朝の肌の明るさやすべすべ感が違う」ということに気づき、継続利用するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 森川さんはハダクリエを購入する以前、「コロナの影響により外でメンテナンスするという選択肢がなくなった」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、ハダクリエを利用することにより、「面倒だけれど美顔器を使うと何かしら次の日の肌が違って感じられる」と気づき、さらに、ハダクリエを利用していくうちに、「毛穴ケアとイオン導入の機能は家電を使わないとなかなかできない。明日の肌の状態がツルツルすべすべだといいなと思って使う。」ようになって、商品への満足を感じるに至りました。
図解

ハダクリエの顧客体験事例から紐解く

「雑誌掲載で新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「雑誌掲載で新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、森川さんは元々「コロナの影響で外で肌のメンテナンスするという選択肢がなくなったため、自分で肌のスペシャルケアをしたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、家電の批評雑誌でベストバイと掲載されているのを見て、ハダクリエを購入するに至りました。
 その後、継続して利用していく中で、「日頃使っているビタミンCの美容液を手で塗ったときと比べて、翌朝の肌の明るさやすべすべ感が違う」と感じ、「継続することで、手でスキンケアを行うときよりも肌を綺麗に保つことができる」という価値が成立して、満足するに至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

環境的負荷

コロナの影響で外で肌のメンテナンスするという選択肢がなくなったため、自分で肌のスペシャルケアをしたいと考えているケース

家電の批評雑誌に
自社製品を掲載

結果

コロナの影響で外で肌のメンテナンスするという選択肢がなくなったため、自分で肌のスペシャルケアをしたいと考えていた生活者が、家電の批評雑誌でベストバイと掲載されているのを見て購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。コロナの影響で外で肌のメンテナンスするという選択肢がなくなったため、自分で肌のスペシャルケアをしたいと考えていた生活者が、家電の批評雑誌でベストバイと掲載されているのを見て購入に至っています。毛穴ケアとイオン導入の機能を主に使うことで、日頃使っているビタミンCの美容液を手で塗ったときと比べて、翌朝の肌の明るさやすべすべ感が違うと感じられています。

 この構造を応用することで、1つのジャンルだけでなく複数のジャンルのイチオシ製品が載っている雑誌やサイトを見せることで、生活者の中で「○○を買う時は××を買おう」という考え方が生まれ、購入する際の選択段階を減らすことで自社製品の購入に至らせられると考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。