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顧客体験の解説 | キャッシュレス決済 |「WAON」から学ぶ入会イベント施策事例
今回はキャッシュレス決済の"継続利用"の事例として、"WAON"の事例を紹介します。このケーススタディでは、混んでいるレジでは会計時に手間取りたくない女性(62歳)が、入会イベントで新規利用するに至った、という顧客体験をご紹介します。
今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「WAON」を例に、入会イベントが新規利用を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、入会イベントのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規利用さらには継続利用するに至ったのか、そのプロセスから「入会イベントで新規利用を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。
混んでいるレジでは、
会計時に手間取りたくない
レジが混んでいるとき会計時に財布から小銭を出すのに手間取ることで、
周りにイライラされていないか心配。(62歳女性 福島県)
まず、生活者と課題を見ていきましょう。WAONを継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。戸田さん(62歳女性 福島県)は「混んでいるレジでは、会計時に手間取りたくない」と考えている方です。世帯年収800~1000万円未満ほどで専業主婦の女性です。
戸田さんは「レジが混んでいるとき会計時に財布から小銭を出すのに手間取ることで、周りにイライラされていないか心配。(62歳女性 福島県)」と話していました。
では、このような状態の戸田さんに、WAONを利用することがどのような変化をもたらしたのかを解説します。
”WAONで成立 した価値”※1 |
= |
お得なキャンペーンもあるし、 会計もサッと行える。 |
ブランドが果たした役割
戸田さんは現在、WAONを継続利用しています。最初は「よく行くスーパーの店頭で行っていた入会イベントで、使い方やポイントなどのメリット面の説明をうけて良さそうだと思い、利用を開始した」と話していました。実際に利用してみると、会計をスムーズに済ませられて、ポイントも貯まりやすく、倹約できる賢い主婦になれている気がすると感じました。また、「使えるお店が多く、ポイント2倍キャンペーンもあって、お得感がある。会計も以前よりサッと行える」ということに気づき、継続利用するに至ったと考えられます。
顧客体験の変化
戸田さんはWAONを利用する以前、「混んでいるレジの会計時に財布から小銭を出すのに手間取ることで、周りにイライラされていないかと不安になる」ということに気づき、このままではいけないと思いました。その後、WAONを利用することにより、「使えるお店が多く、ポイント2倍キャンペーンもあって、お得感がある。会計も以前よりサッと行えるようになった」と感じ、さらに、WAONを利用していくうちに、「ポイント2倍の時などにまとめ買いすると、普段よりもっとお得に感じられて、買い物が楽しく感じられる」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「入会イベントで初回購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、「レジが混んでいるとき会計時に財布から小銭を出すのに手間取ることで、周りにイライラされていないか心配」という課題認識を持っていました。
そんな時、よく行くスーパーの店頭で行っていた入会イベントで、使い方やポイントなどのメリット面の説明をうけて良さそうだと思い、利用を開始するに至りました。
その後、「会計をスムーズに済ませられて、ポイントも貯まりやすく、倹約できる賢い主婦になれている気がする」と感じ、「使えるお店が多く、ポイント2倍キャンペーンもあって、お得感がある。会計も以前よりサッと行えるようになった」という価値が成立して、継続利用に至りました。
応用可能性~本事例の学び
課題
会計時にレジ前で手間取ってしまうことで、周りにイライラされているのではと心配しているケース
結果
スムーズに会計を済ませたいと考えている生活者が、店頭の入会イベントで使い方やメリット面の説明をうけて良さそうだと感じ、利用開始に至っている。
今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。レジが混んでいる時に、会計に手間取ってしまうことで周りからイライラされているのではないかと心配していた生活者が、スーパーの店頭で実施されていたイベントで、スタッフから使い方やポイントなどのメリット面の説明をうけて良さそうだと感じ、利用を開始しています。実際に利用してみると、ポイント2倍の日にまとめ買いしたり、貯まったポイントで買い物したりすることで、倹約できる賢い主婦になれている気がして、買い物も楽しくなったと感じています。
この構造を応用することで、今後、接触を避けるためにキャッシュレス化がより進んでいくことが予想されるため、利用店舗のチラシ・HP・公式アプリ等でプロモーションを行い、お得感が具体的にイメージできるように訴求することで、他社との差別化が図れるのではないかと考えられます。また、利用者向けのキャンペーンを継続的に実施することで、買い物という行為自体に対する満足感も生まれ、購入頻度や購入額の増加も見込めるのではないかと考えられます。
注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。
「カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。
https://www.journey-navi.com/