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顧客体験の解説 | ライブ配信アプリ |「17Live」
から学ぶ情報発信施策事例

 
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 今回はライブ配信アプリの"継続利用や継続課金"の事例として、"17Live"の事例を紹介します。このケーススタディでは、外出自粛で応援しているアーティストに会えない状況でも、何とか応援の気持ちを届けたい男性(30歳)が、好きなアーティストの配信情報を見つけ応援の気持ちを届けたいという思いから利用を開始し、さらに課金するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

配信者の
情報発信施策

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新規利用

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「17Live」を例に、配信者の情報発信が新規利用さらには課金を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、情報発信やライブ配信のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規利用さらには課金するに至ったのか、そのプロセスから「配信者の情報発信で新規利用や課金を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

アーティストに会えない状況でも
応援の気持ちを届けたい

外出自粛で会えなくても自分のように応援している人がいると知ってほしい(30歳男性 埼玉県)

東野さん 30歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。17Liveを継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。東野さん(30歳男性 埼玉県)は「アーティストに会えない状況でも応援の気持ちを届けたい」と考えている方です。世帯年収800~1000万円未満ほどで会社員、既婚の男性です。

 東野さんは「外出自粛で応援しているアーティストに会えない状況でも、何とか応援の気持ちを届けたい」と話していました。

 では、このような状態の東野さんに、17Liveがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”17Liveで成立
した価値”

※1

アーティストが身近にいる
ような特別感が味わえる

ブランドが果たした役割

 東野さんは現在、17Liveを継続利用しています。最初は「コロナ禍の外出自粛で応援に行けない中、好きなアーティストの情報収集をしている時にアプリで配信することを知った」と話していました。実際に利用してみると、たとえ画面越しでも、課金することで自分の存在や応援の気持ちを伝えられると感じました。また、「課金を通じて今のような環境下でもアーティストが身近にいるような特別感が味わえる」ということに気づき、継続利用や継続課金するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 東野さんは17Liveを利用する以前、「会えないことで、自分がそのアーティストから離れて行ってしまいそうな感じがしてしまう」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、17Liveを利用することにより、「課金を通じて今のような環境下でもアーティストが身近にいるような特別感が味わえる」と感じ、さらに、17Liveを利用して課金していくうちに、「課金してあげることで配信者が喜んでくれるので、その姿を見ることで自分が落ち込んでいるときも勇気づけられたり元気になれる」ということに気づき、継続的に利用や課金するようになりました。
図解

17Liveの顧客体験事例から紐解く

「配信者の情報発信で新規利用や課金を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「配信者の情報発信で初回利用や課金を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、東野さんは元々「外出自粛で応援しているアーティストに会えない状況でも、何とか応援の気持ちを届けたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、コロナ禍の外出自粛で応援に行けない中、好きなアーティストの情報収集をしている時にアプリで配信することを知って、利用するに至りました。
 その後、17Liveを継続して利用していく中で、「たとえ画面越しでも、課金することで自分の存在や応援の気持ちを伝えられると気づいた」と感じ、「課金を通じて今のような環境下でもアーティストが身近にいるような特別感が味わえる」という価値が成立して、継続利用や継続課金に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

社会的負荷

外出自粛中でアーティストに会えない状況でも応援の気持ちを届けたいと思っているケース

自社アプリで配信している
アーティスト情報を拡散

結果

外出自粛によりアーティストに会えなくても応援の気持ちを届けたい生活者が、配信でも身近にいる特別感が味わえることに気づき、継続利用・継続課金に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。応援中のアーティストに外出自粛で会えない状況でも、応援の気持ちを届けたいと考えている生活者が、配信情報を知ってライブ配信を使うようになりました。配信では、アーティストに自分のように応援している人がいると知ってもらうことでアーティストを勇気づけたり、今の環境でも身近にいるような特別感が味わえたりすることに気づき、課金に至っています。またライブ配信は、たとえ画面越しでも、課金で自分の存在や気持ちを伝えられると気づき、ライブ配信の利用・課金を継続しています。

 この構造を応用することで、自社で配信しているアーティストの情報を積極的に流したり、課金システムを周知させることで、応援したいという気持ちを発散できていないファンの初回利用や課金を促すことができると考えられます。また、生活者に自分がどれだけ配信者を応援したかを実感できる場(課金額のランキング表示やギフトのアニメーション)を提供することで、より継続した利用や課金を促進できる可能性があります。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。