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顧客体験の解説 | 化粧品(アイシャドウ)|「CLIO」から学ぶSNSでのインフルエンサー
施策事例

 
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 今回は化粧品(アイシャドウ)の"継続購入"の事例として、"CLIO"の事例を紹介します。このケーススタディでは、自宅にいる時間が増え、何をはじめるにもやる気が出ないと感じている女性(21歳)が、SNSでインフルエンサーがコスメを使用したメイクをアップしているのを見て興味を持ったことでブランドの新規購入に至り、メイクをすることで気分が上がって元気になれると感じたことで継続購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

SNSでのインフルエンサー施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「CLIO」を例に、インフルエンサーがSNSで発信した情報が新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、SNSでのインフルエンサー施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入するに至ったのか、そのプロセスから「SNSでインフルエンサーが発信した情報で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

自宅時間も可愛い自分でいることで
気分を上げたい

自宅にいる時間が増えたが、何を始めるにもやる気が出ないので
大好きなメイクで元気になりたい(21歳女性 大阪府)

森山さん 21歳(仮名)
学生

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。CLIOのアイシャドウを継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。森山さん(21歳女性 大阪府)は「自宅にいる時間が増えて気分が落ち込みがちだ」と考えている方です。世帯年収800~1000万円未満で学生、未婚の女性です。

 森山さんは「自宅にいる時間が増えたがテンションが上がらないので、可愛いメイクをして気分を上げたい」と話していました。

 では、このような状態の森山さんに、CLIOがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

“CLIOで成立した価値”

※1

自分の新たな部分を
引き出してくれる大切なもの

ブランドが果たした役割

 森山さんは現在、CLIOのアイシャドウを継続購入しています。最初は「Instagramのおすすめ欄でインフルエンサーがCLIOのアイシャドウを使ってメイクした投稿を見て興味を持って購入した」と話していました。実際に使用してみると、メイクしてちょっぴり可愛くなった自分を鏡で見ることで、自宅時間で落ち込みがちなときも明るい気持ちになれると感じました。また、「新しいシャドウで新しいメイクをすることで、自分の新たな部分を引き出してくれる」ということに気づき、継続購入するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 森山さんはCLIOのアイシャドウを購入する以前、「自宅にいる時間、気分が落ち込んでしまいやる気も出ない」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、CLIOのアイシャドウを購入することにより、「メイクしてちょっぴり可愛くなった自分を鏡で見ることで、明るい気持ちになれる」と感じ、さらに、使用していくうちに、「今まで茶色などオーソドックスな色のメイクが多かったが、このアイシャドウを使ってからはもっと色んなメイクを楽しんで、色んな自分を見つけたい」と感じられているということに気づき、継続購入するようになりました。
図解

CLIOの顧客体験事例から紐解く

「SNSでのインフルエンサーの情報で新規購入を促す」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

  本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「SNSでのインフルエンサーの情報が新規購入を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、森山さんは元々「自宅にいる時間が増えたが、何をはじめるにもやる気が出ない。自宅にいても気分を上げるために可愛い自分でいたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、SNSのおすすめ欄でインフルエンサーがコスメを使用したメイクをアップしているのを見て興味を持ち、他のSNSでも情報収集した上で購入に至りました。
 その後、CLIOのアイシャドウを使用していく中で、「メイクしてちょっぴり可愛くなった自分を鏡で見ることで、元気になったり明るい気持ちになれる」と感じ、「メイクによって自分の新たな部分を引き出してくれる大切なもの」という価値が成立して、継続購入に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

自宅にいる時間が増え、何をはじめるにもやる気が出ないと感じているケース

SNSのおすすめ欄で、
インフルエンサーが
コスメを使用したメイクを
公開

結果

自宅にいる時間が増え、何をはじめるにもやる気が出ない生活者が、SNSのおすすめ欄でインフルエンサーがコスメを使用したメイクをアップしているのを見て興味を持ち、他のSNSで情報収集した上で購入している。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。自宅にいる時間が増え、何をはじめるにもやる気が出ないと感じている生活者が、SNSのおすすめ欄でインフルエンサーがコスメを使用したメイクをアップしているのを見て興味を持ち、他のSNSで情報収集した上で購入しています。やる気が出ない時でも可愛いアイシャドウでメイクをすることで気分が上がり、ちょっぴり可愛くなった自分を鏡で見ることで、元気になったり明るい気持ちになれると感じています。

 この構造を応用することで、自宅にいる時間が増えたことで、今までは外出のためだと思ってしていたメイクや身だしなみなどの行動が、自分のやる気を起こさせたり気分をあげるための手段として変化したことで、生活者の身だしなみに関する商品やサービスの利用目的が自宅用・自分向きになっていると考えられます。また情報収集源も、誰かとの会話などよりSNS上から得られる情報が商品やサービスの購入に寄与している可能性が高いと考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。