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顧客体験の解説 | ライブ配信アプリ |
「ツイキャス」から学ぶ配信中の課金システム事例

 
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 今回はライブ配信アプリの"継続課金"の事例として、"ツイキャス"の事例を紹介します。このケーススタディでは、好きなパフォーマーと配信内で繋がりを感じていたい女性(38歳)が、配信中に配信者へ課金のできる仕組みを見て課金するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

配信中に配信者へ課金できる仕組み

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課金

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ツイキャス」を例に、配信中に配信者へ課金のできる仕組みが課金を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、配信中の課金システムのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、課金さらには継続課金するに至ったのか、そのプロセスから「配信中の課金システムで課金を促進する」事例の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

好きなパフォーマーと
配信内で繋がりを感じていたい

コロナの影響により、自分が応援している好きなパフォーマーに会いに行けない。
配信内で繋がりを感じていたい。(38歳女性 愛知県)

矢田さん 38歳(仮名)
専業主婦

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ツイキャスを継続課金するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。矢田さん(38歳女性 愛知県)は「好きなパフォーマーと配信内で繋がりを感じていたい」と考えている方です。世帯年収不明で専業主婦の女性です。

 矢田さんは「コロナの影響により、自分が応援している好きなパフォーマーに会いに行けない。配信内で繋がりを感じていたい」と話していました。

 では、このような状態の矢田さんに、ツイキャスがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”ツイキャスで成立した価値”

※1

好きな配信者の様子を知れ
たり、リスナーと繋がれる

ブランドが果たした役割

 矢田さんは現在、ツイキャスに継続課金しています。最初は「配信中に課金した人が名前を呼ばれて、パフォーマーが喜ぶ姿を見て、自分も応援したいという思いから課金した」と話していました。実際に課金してみると、コロナでパフォーマンスを見に行けなくても、課金することで推しに自分の名前を覚えてもらえると感じました。また、「会いに行けない推しの普段の様子が知れたり、他のリスナーとも繋がりや交流の場が持てる」ということに気づき、継続課金するに至ったと考えられます

顧客体験の変化

 矢田さんはツイキャスで継続課金する以前、「コロナの影響により、自分が応援している好きなパフォーマーに会いに行けない」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、ツイキャスを課金利用することにより、「会いに行けない推しの普段の様子が知れたり、他のリスナーとも繋がりや交流の場が持てる」と感じ、さらに、ツイキャスを課金利用していくうちに、「課金でパフォーマーの役に立てていると思うと嬉しいし、課金後に推しからプレゼントされたオフショットが自分の癒しになっている」ということに気づき、継続課金するようになりました。
図解

ツイキャスの顧客体験事例から紐解く

「配信中に配信者へ課金のできる仕組みで課金を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

  本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「配信中の課金システムで課金を促進する」事例のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、矢田さんは元々「コロナの影響により、自分が応援している好きなパフォーマーに会いに行けない。配信内で繋がりを感じていたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、配信中に課金した人が名前を呼ばれて、パフォーマーが喜ぶ姿を見て、自分も応援したいという思いから課金するに至りました。
 その後、コロナでパフォーマンスを見に行けなくても、課金することで推しに自分の名前を覚えてもらえる」と感じ、「会いに行けない推しの普段の様子が知れたり、他のリスナーとも繋がりや交流の場が持てる」という価値が成立して、継続利用、継続課金に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

環境的負荷

実際にパフォーマーに会えない状況下でも、配信を通じて繋がりを感じていたいケース

配信中に課金することでパフォーマーが喜ぶような仕組みを構造化

結果

配信内で繋がりを感じたい生活者が、好きなパフォーマーの配信で課金した人が名前を呼ばれ、パフォーマーも喜ぶ姿を見て、自分も応援したいと思い課金している。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。実際に会いに行けない状況下で、配信内の応援を通じて繋がりを感じていたい生活者が、配信で課金した人が名前を呼ばれ、パフォーマーも喜んでいる姿を見て課金に至っています。課金することで、配信者から感謝されたり、自分の名前を覚えてもらえると気づき、継続した課金を行っています。また配信アプリを通して、推しや他のリスナーと繋がりを持ち続けられていることが嬉しいと感じています。

 この構造を応用することで、配信アプリを通して自分の応援しているパフォーマーとの繋がりを持てるだけでなく、他のファンとの交流が出来たり、リアルの会場のように一緒に楽しんでいる一体感が味わえるシステムを作ることで課金を促すことができると考えられます。また、課金したリスナーは配信者から何かしら特別な扱いが受けられる仕組みを作ることで、課金後の満足も感じられるため、継続した課金に繋がると考えられます。

 上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。