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顧客体験の解説 | 輸入車 |「V60(ボルボ)」から学ぶDM施策事例

 
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 今回は輸入車の"顧客満足の獲得"の事例として、"V60(ボルボ)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、社会的責任を果たしている大人だと周囲に思われたい女性(61歳)が、DMを見て行った新車発表会で新型の車種を購入し、満足に至るという顧客体験をご紹介します。
 

DM施策

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顧客満足の獲得

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「V60」を例に、DMが購入を促進し、顧客満足に至ったという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、DMのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、購入さらには満足に至ったのか、そのプロセスから「DMで購入を促し、顧客満足を獲得する」までの施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

社会的責任を果たしている大人だと
周囲に思われたい

安心安全な車に乗り続けることで社会的責任を果たしている大人だと見られたい。(61歳女性 神奈川県)

曽我さん 61歳(仮名)
経営者・役員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。V60を継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。曽我さん(61歳女性 神奈川県)は「社会的責任を果たしている大人だと周囲に思われたい」と考えている方です。世帯年収2000万円以上で経営者・役員、既婚の女性です。

 曽我さんは「安心安全な車に乗り続けることで社会的責任を果たしている大人だと見られたい」と話していました。

 では、このような状態の曽我さんに、V60がどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”V60で成立した
価値”

※1

最新のシステムで、大人としての
社会的責任を果たせる

ブランドが果たした役割

 曽我さんは現在、V60を継続利用しています。最初は「使用している車種の新車発表会の案内状を受け取り、会場で実際に試乗して満足したため購入した」と話していました。実際に利用してみると、最新の技術が活かされた安心安全な車に乗っているという充足感が得られると感じました。また、「最新のシステムがついていることにより安心で安全な運転ができるため、大人としての社会的責任を果たせる」ということに気づき、継続的な利用・満足に至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 曽我さんはV60を購入する以前、「安心安全な車に乗り続けていないと、社会的信用を失ってしまうかもしれない」と感じ、このままではいけないと思いました。その後、V60を購入することにより、「最新のシステムがついていることにより安心で安全な運転ができるため、大人としての社会的責任を果たせる」と感じ、さらに、V60を使用していくうちに、「ある程度高級で乗り心地の良い車に乗り、最新の技術が活かされたパネル類を見ていると心地よくなれる」ということに気づき、満足に繋がりました。
図解

V60の顧客体験事例から紐解く

「DMで購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「DMで購入を促進し、顧客満足を獲得する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーで、生活者は「安心安全な車に乗り続けることで社会的責任を果たしている大人だと見られたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、利用している車種の新車発表会の案内状を受け取り、会場で実際に試乗して満足したため、購入するに至りました。
 その後、「最新の技術が活かされた安心安全な車に乗っているという充足感が得られる」と感じ、「最新のシステムがついていることにより安心で安全な運転ができるため、大人としての社会的責任を果たせる」という価値が成立して、顧客満足の獲得に繋がりました。

応用可能性~本事例の学び

課題

社会的負荷

安心安全な車に乗り続けることで社会的責任を果たしている大人だと見られたいケース

現自社ユーザーに対して新型発売時にイベント情報を送付

結果

安心安全な車に乗り続けることで社会的責任を果たしている大人だと見られたい生活者が、利用している車種の新車発表会の案内状を受け取り、会場で実際に試乗して満足したため購入している。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。安心安全な車に乗り続けることで社会的責任を果たしている大人だと見られたい生活者が、利用している車種の新車発表会の案内状を受け取り、会場で実際に試乗して満足したため購入に至っています。乗ることで、安心安全な車に乗っているという充足感が得られて、最新のシステムがついていることにより安全な運転ができるため、大人としての社会的責任を果たせると感じています。

 この構造を応用することで、自社ユーザーに新型の発売時にいち早くコンタクトを取って紹介することで、買い替えを促進できると同時に引き続き自社ユーザーとして囲うことができると考えられます。また、車のように自己表現の一つとして機能し得る高価格帯の商品においては、所有することで商品が持つイメージを自分に取り込むことができるという認識があるため、生活者自身が「周りからどう見られたい」と考えているかを考慮したブランドイメージを構築することで、新規・継続購入を促すことができると考えられます。

 上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。