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顧客体験の解説 | お酒 |「黒ラベル」から学ぶ
店頭の商品POP施策事例

 
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 今回はお酒の"継続購入"の事例として、"黒ラベル(サッポロ)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、コロナの影響でなかなか外に出られなく、楽しみが無いなかでもストレスを発散して、贅沢な気分を味わいたい女性(33歳)が、店頭の商品POPを見て新規購入し、継続購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

店頭の商品POP施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「黒ラベル」を例に、店頭の商品POPが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、店頭の商品POPのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入至らせたのか、そのプロセスから「店頭の商品POPで新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

外出自粛中のストレスを発散して、
贅沢な気分を味わいたい

コロナ禍でなかなか外に出られなく、楽しみが無いなかでもストレスを発散して、贅沢な気分を味わいたい。(33歳女性 宮城県)

石井さん 33歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。黒ラベルを継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。石井さん(33歳女性 宮城県)は「外出自粛中のストレスを発散して、贅沢な気分を味わいたい」と考えている方です。世帯年収1000~1200万円以上で会社員、未婚の女性です。

 石井さんは「コロナ禍でなかなか外に出られなく、楽しみが無いなかでもストレスを発散して、贅沢な気分を味わいたい。」と話していました。

 では、このような状態の石井さんに、黒ラベルがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

“黒ラベルで成立した価値”

※1

のどごしが良く美味しいので、
飲むと一気に気分があがる

ブランドが果たした役割

 石井さんは現在、黒ラベルを継続購入しています。最初は「店頭で商品POPを見て、自分好みの色使いやシンプルなデザインが目に止まり購入した。」と話していました。実際に購入してみると、一人でも満足して飲めるので、コロナ禍の中でも小さな幸せを感じられると感じました。また、「のどごしが良く、美味しいので、飲むと一気に気分をあげてくれる」ということに気づき、満足するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 石井さんは黒ラベルを購入する以前、「コロナ禍でなかなか外に出られなく、楽しみが無いので、ストレスを感じる」ことで対策が必要だと気づき、このままではいけないと思いました。その後、黒ラベルを購入することにより、「のどごしが良く、美味しいので、飲むと一気に気分をあげてくれる」と感じ、さらに、黒ラベルを使用していくうちに、「気分が落ち込んでいる時でも、黒ラベルを飲みながら好きなドラマやテレビを見ることで贅沢な気分になれる」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
図解

黒ラベルの顧客体験事例から紐解く

「店頭の商品POPで新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「店頭の商品POPで新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、石井さんは元々「コロナ禍でなかなか外に出られなく、楽しみが無いなかでも、ストレスを発散して、贅沢な気分を味わいたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、店頭で商品POPを見て、自分好みの色使いやシンプルなデザインが目に止まり、購入するに至りました。
 その後、黒ラベルを継続して使用していく中で、「一人でも満足して飲めるので、コロナ禍の中でも小さな幸せを感じられる」と感じ、「のどごしが良く、美味しいので、飲むと一気に気分をあげてくれる」という価値が成立して、継続購入に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

なかなか外に出られなく、楽しみが無いなかでも、ストレスを発散して、贅沢な気分を味わいたいと考えているケース

店頭の商品POPで
目に止まるようなデザインを訴求

結果

コロナでなかなか外に出られなく、楽しみが無いのでストレスを発散し、贅沢な気分を味わいたいと考えている生活者が、店頭の商品POPで商品のシンプルなデザインに惹かれ、購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。コロナでなかなか外出できない中でも、ストレスを発散して贅沢な気分を味わいたいと考えている生活者が、店頭の商品POPを見てシンプルな出ジンに惹かれて購入し、飲んでみたところ、のどごしが良く美味しいので一気に気分があがると感じて継続購入に至っています。気分が落ち込んでいる時でも、黒ラベルを飲みながら好きなドラマやテレビを見ることで贅沢な気分になれると感じています。

 この構造を応用することで、コロナの影響で外出できないことにストレスを感じ、自宅での時間を充実させたいと考えている生活者に、外出しない分自宅で贅沢な時間を過ごすことの価値を訴求し、パッケージデザインやPOPでそれにふさわしい高級感のある商品だと印象付けることで新規ユーザー獲得に繋げることができると考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。