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顧客体験の解説 | パソコン 「ヒューレットパッカードのデスクトップパソコン」 から学ぶ
HP施策・サービスセンターの対応施策事例

 
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 今回はパソコン の"顧客満足の獲得"の事例として、ヒューレットパッカードのデスクトップパソコン"の事例を紹介します。このケーススタディでは、同時に複数の作業を行っても動作が重くならないパソコンで作業したい女性(49歳)が、HPの記載内容や、サポートセンターに問い合わせた際の対応から信頼できるメーカだと感じたことで購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

HP・サービスセンターの対応施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ヒューレットパッカードのデスクトップパソコン」を例に、HPやサービスセンターの対応が新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、HP施策と、サービスセンターの対応施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには顧客を満足させるに至ったのか、そのプロセスから「HPやサービスセンターの対応で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

動作の重くならないパソコンで情報や娯楽を楽しみたい

ブラウザを複数開いたり、音楽を聴きながらゲームをしたり、
同時に複数の作業をしても動作が重くならないパソコンがほしい。(49歳女性 茨城県)

早川さん 49歳(仮名)
パート・アルバイト

 まず、生活者と課題を見ていきましょうヒューレットパッカードのデスクトップパソコンを満足するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。早川さん(49歳女性 茨城県)は「同時に複数の作業を行っても動作が重くならないパソコンがほしい」と考えている方です。世帯年収200~400万円未満でパート・アルバイト、未婚の女性です。

 早川さんは「スマホだけでは情報源として不十分、同時にいくつもページを開けるような重くないパソコンがあってこそ、いろんな情報や娯楽を楽しめると思う」と話していました。

 では、このような状態の早川さんに、ヒューレットパッカードのデスクトップパソコンがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”ヒューレットパッカードのデスクトップパソコンで成立した価値”

※1

パソコンから世界の情報にアクセスできて自分の世界が広がる

ブランドが果たした役割

 早川さんは現在、ヒューレットパッカードのデスクトップパソコンを利用するなかで満足を感じています。最初は「店頭での店員さんの勧め方に製品の偏りがあったので、自分でメーカーのHPを調べた」と話しています。そのなかでヒューレットパッカードは「公式HPの記載内容やサポートセンターに問い合わせたときの対応から、信頼できるメーカーだと感じた」ことから購入に至っています。実際に利用してみると、複数の作業がいっぺんにできるので自分が知らないことも簡単に調べることができると感じました。また、「パソコンから世界の情報にアクセスできて気持ちを共有できるため世界が広がる」ということに気づき、製品に対しても満足するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 早川さんはヒューレットパッカードのデスクトップパソコンを利用する以前、「前のパソコンは複数の作業をすると重くなり、スマホは画面が小さいためストレスを感じている」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、ヒューレットパッカードのデスクトップパソコンを利用することにより、「音楽を聴きながら作業するなど同時に複数の作業をしても動作が重くならず、効率よく作業を進めることができる」と感じ、さらに、ヒューレットパッカードのデスクトップパソコンを利用していくうちに、「パソコンが重くなったり止まったりしないおかげとで、自身の集中力も増した」ということに気づき、製品に満足を感じるようになりました。
図解

ヒューレットパッカードのデスクトップパソコンの顧客体験事例から紐解く

「HP施策・サービスセンターの対応施策で新規購入を促す」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「HP施策・サービスセンターの対応で新規購入を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、早川さんは元々「ブラウザを複数開いたり、音楽を聴きながらのゲームなど同時に複数の作業をしても動作の重くならないパソコンで情報や娯楽を楽しみたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、店頭での店員さんのおすすめに偏りがあり自分でメーカーHPを調べ、公式HPの記載内容や、サポートセンターに問い合わせた際の対応から信頼できるメーカーだと感じて、HPのデスクトップパソコンを購入するに至りました。
 その後、製品を利用していくなかで、「複数の作業がいっぺんにできるので、分からないことも瞬時に知ることができる」と感じ、「自分の人間関係だけではなくパソコンから世界の情報にアクセスできて同じ気持ちを世界の人や遠方の友達と共有できる」という価値が成立して、製品に満足を感じるようになりました。

応用可能性~本事例の学び

課題

運用負荷

同時に複数の作業をしても動作の重くならないパソコンで、情報を効率よく入手して娯楽も楽しみたいと考えているケース

公式HPやサービスセンターの対応を通じて信頼を獲得

結果

同時に複数の作業をしても動作の重くならないパソコンが欲しい生活者が、公式HPの記載内容や、サポートセンターに問い合わせた際の対応から信頼できるメーカーだと感じ購入するに至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。ブラウザを複数開いたり、音楽を聴きながらのゲームなど同時に複数の作業をしても動作の重くならないパソコンで、情報を効率よく入手して娯楽も楽しみたいと考えている生活者が、公式HPの記載内容や、サポートセンターに問い合わせた際の対応から信頼できるメーカーだと感じ購入するに至っています。複数の作業がいっぺんにできるので分からないこともたくさん知ることができて、パソコンから世界の情報にアクセスできて気持ちを共有できると満足を感じています。

 この構造を応用することで、HPやサポートセンターなど生活者との接点が生まれるポイントで信頼関係を気づくことで初回利用やユーザーの獲得に繋がると考えられます。さらにはHPやサポートセンターで生活者の課題が解決できる商品やサービスを提案することで、利用後の顧客満足の獲得にも繋がると考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。