Collexia
Marketing
Casestudy
顧客体験の解説 | ファストフード店 |
「マクドナルド」から学ぶ
チラシ・クーポン施策事例
今回はファストフード店の"継続利用"の事例として、"マクドナルド"の事例を紹介します。このケーススタディでは、時間がない時に、昼食が遅くなってしまうことで孫に文句を言われてイライラしたくない女性(60歳)が、新聞に入っていたチラシのクーポンを見て、簡単に食事を済ませられそうだと感じ店舗を利用するに至った、という顧客体験をご紹介します。
今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「マクドナルド」を例に、チラシ・クーポンが継続利用を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、チラシ・クーポンのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、継続利用させるに至ったのか、そのプロセスから「チラシ・クーポンで継続利用を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。
昼食が遅くなり孫に文句を
言われるとイライラしてしまう
通院や買い物で時間がない時に、昼食が遅くなってしまうことで孫に文句を言われて
イライラしてストレスが溜まる(60歳女性 兵庫県)
石田さん 60歳(仮名)
専業主婦
まず、生活者と課題を見ていきましょう。マクドナルドを継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。石田さん(60歳女性 兵庫県)は「昼食が遅くなり孫に文句を言われるとイライラしてしまう」と感じている方です。世帯年収1,000~1,200万円未満ほどで専業主婦、既婚の女性です。
石田さんは「通院や買い物で時間がない時に、昼食が遅くなってしまうことで孫に文句を言われるとストレスが溜まる」と話していました。
では、このような状態の石田さんに、マクドナルドがどのような変化をもたらしたのかを解説します。
”マクドナルドで成立した価値” ※1 |
= |
忙しい時も簡単に食事が済み、 がっつり食べれば体重維持にも繋がる |
ブランドが果たした役割
石田さんは現在、マクドナルドを継続利用しています。最初は「新聞に入っていたチラシのクーポンを見て、簡単に食事を済ませられそうだと感じて店舗を利用した」と話していました。実際に利用してみると、孫の好きなハンバーガー店に連れていくことで、嬉しそうな顔をしてくれると、その表情で自分自身も癒されると感じました。また、「忙しい時も簡単に食事を済ませることができて、がっつり食べることで痩せ気味の私にとっては体力増強と体重維持にもなる」ということに気づき、継続利用するに至ったと考えられます。
顧客体験の変化
石田さんはマクドナルドを継続利用する以前、「昼食が遅くなってしまうことで孫に文句を言われてイライラしてストレスが溜まっている」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、マクドナルドを利用することにより、「忙しい時も簡単に食事を済ませることができる」と感じ、さらに、マクドナルドを利用していくうちに、「がっつり食べることで痩せ気味の私にとって体力増強と体重維持になるし、近くに店舗がオープンしたため忙しくてやむを得ない時いつでも利用できるという安心感が生まれた」ということに気づき、継続的に利用するようになりました。
「チラシ・クーポンで継続利用を促進する」の成功要因
本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「チラシ・クーポンで継続利用を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、石田さんは元々「通院や買い物で時間がない時に、昼食が遅くなってしまうことで孫に文句を言われてイライラしてストレスが溜まる」という課題認識を持っていました。
そんな時、新聞に入っていたチラシのクーポンを見て、簡単に食事を済ませられそうだと感じ、店舗を利用するに至りました。
その後、マクドナルドを継続して利用していく中で、「孫の好きなハンバーガー店に連れていくことで、嬉しそうな顔をしてくれると、その表情で自分自身も癒される」と感じ、「忙しい時も簡単に食事を済ませることができて、がっつり食べることで痩せ気味の私にとって体力増強と体重維持になる」という価値が成立して、継続利用に至りました。
応用可能性~本事例の学び
課題
時間がなくて昼食が遅くなってしまう時に孫に文句も言われることでイライラしたくないと感じているケース
結果
時間がなく昼食が遅くなると孫に文句を言われてイライラしてしまう生活者が、新聞に入っていたチラシのクーポンを見て、簡単にお腹いっぱい食べられそうだと感じ店舗利用に至っている。
今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。通院や買い物で時間がない時に、昼食が遅くなってしまうことで孫に文句を言われてイライラしてしまっていた生活者が、新聞に入っていたチラシのクーポンを見て、簡単にお腹いっぱい食べられそうだと感じたことで店舗利用に至っています。孫が大好きなため店舗に行くことで機嫌がよくなり、自分自身もたまにがっつり食べることで体力もつけられ贅沢な気分も味わえるので、気持ちに余裕を作り、お互いに平穏に過ごすために欠かせないと感じています。
この構造を応用することで、チェーン店の既存顧客に対し、新店舗オープンのお知らせやチラシ・クーポンを近隣住民に配布することで、利用頻度の向上が望めると考えられます。また、利用経験のない生活者も、チラシやクーポンを通して具体的なメニューや価格帯の情報を誌面として見ることで利用意欲が高まるため、初回利用に繋げられるのではないかと考えられます。
上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。
注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。
「カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。
https://www.journey-navi.com/