Collexia 
Marketing 
Casestudy

顧客体験の解説 | 紅茶 |「リプトン」から学ぶ
ドリンクバーへの商品設置施策事例

 
  • facebook
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 今回は紅茶の"継続購入"の事例として、"リプトン(ティーバッグ)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、忙しさや嫌なことをすべて忘れてくつろぎたい女性(39歳)が、ドリンクバーでリプトンを飲んだことをきっかけに新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

ドリンクバーへの商品設置施策

×

新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「リプトン」を例に、ドリンクバーへの商品設置が新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、ドリンクバーへの商品設置のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入させるに至ったのか、そのプロセスから「ドリンクバーへの商品設置で新規購入を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

忙しさや嫌なことを
すべて忘れてくつろぎたい

忙しさや仕事であった嫌なことをすべて忘れてくつろぎ、リフレッシュしたい。(39歳女性 大阪府)

平山さん 39歳(仮名)
パート・アルバイト

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。リプトンを継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。平山さん(39歳女性 大阪府)は「忙しさや嫌なことをすべて忘れてくつろぎたい」と考えている方です。世帯年収200万円未満ほどでパート・アルバイト、未婚の女性です。

 平山さんは「忙しさや仕事であった嫌なことをすべて忘れてくつろぎ、リフレッシュしたい」と話していました。

 では、このような状態の平山さんに、リプトンがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”リプトンで成立した価値”

※1

馴染みの紅茶で
やすらぎを感じられる

ブランドが果たした役割

 平山さんは現在、リプトンを継続購入しています。最初は「ファミリーレストランのドリンクバーで商品が置いてあったため飲んでみたら美味しく、自宅でも飲みたいと感じ購入した」と話していました。実際に飲用してみると、香りの良い紅茶をゆっくり飲むことで、気持ちも体もリフレッシュできて、明日も頑張ろうという気持ちになれると感じました。また、「昔から店頭やCMでよく見かけていた馴染みの紅茶を飲むことで安心感ややすらぎを感じられる」ということに気づき、継続購入するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 平山さんはリプトンを購入する以前、「忙しく、仕事で嫌なことがありストレスがたまっている」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、リプトンを飲用することにより、「昔から店頭やCMでよく見かけていた馴染みの紅茶を飲むことで安心感ややすらぎを感じられる」と感じ、さらに、リプトンを飲用していくうちに、「コロナで自宅待機が続き精神的に病んでいる時に、リプトンの香りを嗅ぐことでリフレッシュできる」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
図解

リプトンの顧客体験事例から紐解く

「ドリンクバーへの商品設置が新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「ドリンクバーへの商品設置が新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、平山さんは元々「忙しさや仕事であった嫌なことをすべて忘れてくつろぎたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、ファミリーレストランのドリンクバーで商品が置いてあったため飲んでみたら美味しく、自宅でも飲みたいと感じ、購入するに至りました。
 その後、香りの良い紅茶をゆっくり飲むことで、気持ちも体もリフレッシュできて、明日も頑張ろうという気持ちになれると感じ、「昔から店頭やCMでよく見かけていた馴染みの紅茶を飲むことで安心感ややすらぎを感じられる」という価値が成立して、継続購入に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

忙しさや仕事であった嫌なことをすべて忘れてくつろぎたいと感じているケース

ファミリーレストランなどのドリンクバーに
自社商品を設置

結果

忙しさや仕事であった嫌なことをすべて忘れてくつろぎたい生活者が、ファミリーレストランのドリンクバーで商品があったため飲んでみたら美味しく、自宅でも飲みたいと感じ購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。忙しさや仕事であった嫌なことをすべて忘れてくつろぎたいと感じていた生活者が、ファミリーレストランに行った際にドリンクバーに商品が置いてあったため飲んでみたら美味しく、自宅でも飲みたいと感じて購入に至っています。香りの良い紅茶をゆっくり飲むことで気持ちも体もリフレッシュでき、明日も頑張ろうという気持ちになれて、馴染みのある紅茶だからこそ得られる安心感にやすらぎを覚え、継続購入に至っています。

 この構造を応用することで、ファミリーレストランのドリンクバーのように生活者が気軽にトライアルできる場所を作り、自社商品やサービスを使用してもらうことで、商品自体の良さに気づかせられるため、購入を促進できると考えられます。このような場でのトライアルは、スーパーなどの店頭で実施されている試飲サービスとは異なり、販売員とコミュニケーションをとる必要もないため、より気軽に商品を試せるのではないかと考えられます。また、ブランドの認知率を上げることでカテゴリ初回購入時に自社ブランドを選んでもらえる可能性が高まると考えられます。

 上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。