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顧客体験の解説 | 化粧品 |「アディクションのアイシャドウ」から学ぶSNS・店頭のテスター施策事例
今回は化粧品の"継続購入"の事例として、"アディクションのアイシャドウ"の事例を紹介します。このケーススタディでは、オンオフの切り替えのためにメイクがしたい女性(34歳)が、SNSでの評判から商品に興味を持ち、店頭のテスターによって組み合わせなどを確認できたことで購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「アディクションのアイシャドウ」を例に、SNS・店頭のテスターが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、SNS・店頭のテスターや店頭陳列のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入するに至ったのか、そのプロセスから「SNS・店頭のテスターや店頭陳列で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。
オンオフの切り替えのためにメイクがしたい
在宅勤務に変わったので必ずしもフルメイクする必要はなくなったが、メイクすることでオンオフの切り替えができることに気づいたのでメイクがしたい。(34歳女性 神奈川県)
本村さん 34歳(仮名)
会社員
まず、生活者と課題を見ていきましょう。アディクションのアイシャドウを継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。本村さん(34歳女性 神奈川県)は「オンオフの切り替えのためにメイクがしたい」と考えている方です。世帯年収200~400万円未満で未婚、会社員の女性です。
本村さんは「在宅勤務に変わったので必ずしもフルメイクする必要はなくなったが、メイクすることでオンオフの切り替えができることに気づいたのでメイクがしたい。」と話していました。
では、このような状態の本村さんに、アディクションのアイシャドウがどのような変化をもたらしたのかを解説します。
”アディクションのアイシャドウを購入することで成立した価値” ※1 |
= |
目元が華やかになることでモチベーションを上げてくれる |
ブランドが果たした役割
本村さんは現在、アディクションのアイシャドウを継続購入しています。最初は「SNSでの評価が高かったため、店頭で他のアイテム・色との組み合わせや雰囲気も確認した上で購入した」と話していました。フルメイクでなくてもポイントメイクだけでも、自分に合う商品を使ってメイクする時間は楽しいと感じました。また、「目元が華やかになることで気分もよくなり、仕事へのモチベーションをあげてくれる」ということに気づき、継続購入するに至ったと考えられます。
顧客体験の変化
本村さんはアディクションのアイシャドウを購入する以前、「在宅勤務になり、フルメイクする必要はなくなったが、オンオフの切り替えが難しい」ということに気づき、このままではいけないと思いました。その後、アディクションのアイシャドウを購入することにより、「目元が華やかになることで気分もよくなり、仕事へのモチベーションをあげてくれる」と感じ、さらに、アディクションのアイシャドウを利用していくうちに、「普段ならあまり選ばないような色や組み合わせのアイシャドウを試しにつけてみたら、意外と似合うことに気づいて、またメイクが楽しみになった」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
図解アディクションのアイシャドウの顧客体験事例から紐解く
「SNS・店頭のテスターで初回購入を促進する」の成功要因
本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「SNS・店頭のテスターで初回購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、本村さんは元々「在宅勤務に変わったので必ずしもフルメイクする必要はなくなったが、メイクすることでオンオフの切り替えができることに気づいたのでメイクがしたい」という課題認識を持っていました。
そんな時、SNSでの評価も高かったため、店頭で他のアイテム・色との組み合わせや雰囲気も確認した上で、購入するに至りました。
その後、「フルメイクでなくてもポイントメイクだけでも、自分に合う商品を使ってメイクする時間は楽しい」と感じ、「目元が華やかになることで気分もよくなり、仕事へのモチベーションをあげてくれる」という価値が成立して、継続購入に至りました。
応用可能性~本事例の学び
課題
在宅勤務に変わったので必ずしもフルメイクする必要はなくなったが、メイクすることでオンオフの切り替えができることに気づきメイクがしたいと感じているケース
SNSの投稿を促す企画の実施
店頭に充実したテスター設置
結果
メイクする機会が減ったがメイクすることでオンオフの切り替えができることに気づきメイクがしたいと考えている生活者が、SNSでの評価が高かったため、店頭で他のアイテム・色との組み合わせや雰囲気も確認した上で購入に至っている。
今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。コロナで在宅勤務に変わったので必ずしもフルメイクする必要はなくなったが、メイクすることでオンオフの切り替えができることに気づいたのでメイクがしたいと考えている生活者が、SNSでの評価も高かったため、店頭で他のアイテム・色との組み合わせや雰囲気も確認した上で購入するに至っています。フルメイクでなくてもポイントメイクだけでも、自分に合う商品を使ってメイクする時間は楽しく、目元が華やかになることで気分もよくなり、仕事へのモチベーションをあげてくれると感じ継続購入に至っています。
この構造を応用することで、メイクのようにこれまでは対外的な身だしなみとして考えられていた商品やサービスが、自分の気持ちを盛り上げたり気分転換をするためにも活用できるということを生活者に気づかせることで、ユーザーの獲得に繋げていけると考えられます。
発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
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注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。
「カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。
https://www.journey-navi.com/