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顧客体験の解説 | キャンディー |
「ノーベル のど飴」から学ぶテレビCM施策事例

 
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 今回はキャンディーの"継続購入"の事例として、"ノーベル のど飴"の事例を紹介します。このケーススタディでは、咳が出そうになると、周りの反応が気になり不安になってしまう気持ちを和らげたい男性(25歳)が、テレビCMを見て知った商品を店頭で見かけて新規購入し、継続購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

テレビCM施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ノーベル のど飴」を例に、テレビCMが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、テレビCMのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入するに至らせたのか、そのプロセスから「テレビCMで新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

咳が出てしまった時の周囲の反応を
考えると不安になる気持ちを和らげたい

咳が出そうになると、周りの反応がとても気になるので、不安になってしまう気持ちを和らげたい。
(25歳男性 京都府)

塚野さん 35歳(仮名)

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ノーベル のど飴を継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。塚野さん(25歳男性 京都府)は「咳が出てしまった時の周囲の反応を考えると不安になる気持ちを和らげた」と考えている方です。世帯年収400~600万円未満、未婚の男性です。

 塚野さんは「咳が出そうになると、周りの反応がとても気になるので、不安になってしまう気持ちを和らげたい」」と話していました。

 では、このような状態の塚野さんに、ノーベル のど飴がどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

“ノーベル のど飴で成立した価値”

※1

周りや自分に不安にさせないことに
役立っている

ブランドが果たした役割

 塚野さんは現在、ノーベル のど飴を継続購入しています。最初は「テレビCMで見て、効き目が長持ちし、美味しそうだと感じたので購入した」と話していました。実際に購入してみたところ、普段は咳をするが、のど飴を舐めることで咳が出なくなったと感じました。また、「味が長続きして美味しいことに加え、のども潤い、コロナの感染拡大の中で、周りの人にも自分にも不安を感じさせないことに役立っている」ということに気づき、継続購入に至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 塚野さんはノーベル のど飴を購入する以前、「咳が出そうになると、周りの反応がとても気になり、不安になってしまう」ことで対策が必要だと気づき、このままではいけないと思いました。その後、ノーベル のど飴を購入することにより、「味が長続きして美味しいことに加え、のども潤い、コロナの感染拡大の中で、周りの人にも自分にも不安を感じさせないことに役立っている」と感じ、さらに、ノーベル のど飴を使用していくうちに、「咳を抑えられたことで、周りの空気をピリピリさせず、不安にならなくてすんだ」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
図解

ノーベル のど飴の顧客体験事例から紐解く

「テレビCMで新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「テレビCMで新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、塚野さんは元々「咳が出そうになると、周りの反応がとても気になるので、不安になってしまう気持ちを和らげたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、テレビCMで見て、効き目が長持ちし、美味しそうだと感じ、、購入するに至りました。
 その後、ノーベル のど飴を継続して使用していく中で、「普段は咳をするが、のど飴を舐めることで咳が出なくなった」と感じ、「味が長続きして美味しいことに加え、のども潤い、コロナの感染拡大の中で、周りの人にも自分にも不安を感じさせないことに役立っている」という価値が成立して、継続購入に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷+身体的負担

咳が出そうになると、周りの反応がとても気になり、不安になってしまう気持ちを和らげたいと考えているケース。

TVCMで、美味しそうな演出による訴求

結果

咳が出てしまった時の周囲の反応に不安を感じている生活者が、テレビCMで商品を見て、効き目があり、かつ美味しそうだと感じたことで購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。咳が出そうになると、周りの反応がとても気になってしまうという不安を考えている生活者が、テレビCMで商品を知り、のどに効果があり、かつ美味しそうであると感じて購入し、実際に商品を使用することでのどが潤い、周りの人の反応を気にする必要がなくなったため継続購入に至っています。味も美味しいうえに、咳を抑えられるようになり、不安が解消されたと感じています。

 この構造を応用することで、コロナの感染が拡大する中、咳が出てしまうと周りの人が感染を危惧して嫌がるのではないか、という不安を抱えている傾向にあると考えられるため、風邪や声枯れの時以外でも「のど飴を使用してのどを潤しておくと、コロナ禍での周囲への気遣いにもなる」というメッセージを訴求することで、新規購入を促すと考えられます。さらに、効果の持続や飽きさせない味のバリエーションの工夫をCMやSNSなど届きやすい媒体で訴求していくことで、継続的な購入に繋がると考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。