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顧客体験の解説 | マンガアプリ |「ピッコマ」から学ぶポイントサイトとの連携施策事例

 
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 今回はマンガアプリの"継続課金"の事例として、"ピッコマ"の事例を紹介します。このケーススタディでは、自分の読みたい本を効率的に見つけたい男性(38歳)が、ポイントサイトでピッコマを知り、その後課金するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

ポイントサイトとの連携施策

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課金

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ピッコマ」を例に、ポイントサイトとの連携が課金を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、ポイントサイトとの連携のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規利用(課金)さらには継続課金するに至ったのか、そのプロセスから「ポイントサイトとの連携で課金を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

自分の読みたい本を効率的に見つけたい

書店やネットカフェに行って紙の本をいちいち探すのは時間がもったいない。
自分の読みたい本を効率的に見つけたい。(38歳男性 京都府)

葛西さん 38歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ピッコマを継続課金するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。葛西さん(38歳男性 京都府)は「自分の読みたい本を効率的に見つけたい」と考えている方です。世帯年400~600万で会社員、未婚の男性です。

 葛西さんは「書店やネットカフェに行って紙の本をいちいち探すのは時間がもったいない。自分の読みたい本を効率的に見つけたい。」と話していました。

 では、このような状態の葛西さんに、ピッコマがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”ピッコマで成立した価値”

※1

一話単位で購入できて
無駄な課金を減らせる

ブランドが果たした役割

 葛西さんは現在、ピッコマを継続課金しています。最初は「ポイントサイトで漫画アプリを知って試してみたいと思いダウンロード。その後、読んでいた漫画の続きが気になり課金した」と話していました。実際に利用してみると、色んな漫画が揃っているため、その時の気分に応じた作品を見つけることができると感じました。また、「一話単位で購入できるため、無駄な課金を減らせる点が良い」ということに気づき、継続課金するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 葛西さんはピッコマを利用する以前、「書店やネットカフェに行って紙の本をいちいち探すのは時間がもったいない」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、ピッコマを利用することにより、「一話単位で購入できるため、無駄な課金を減らせる点が良い」と感じ、さらに、ピッコマを課金利用していくうちに、「株や外貨の投資で失敗して落ち込んでいる時も、元気になれる作品を読むことで少し気分が落ち着いた」ということに気づき、継続的に利用するようになりました。
図解

ピッコマの顧客体験事例から紐解く

「ポイントサイトとの連携で課金を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「ポイントサイトとの連携で新規利用(課金)を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、葛西さんは元々「書店やネットカフェに行って紙の本をいちいち探すのは時間がもったいない。自分の読みたい本を効率的に見つけたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、ポイントサイトで漫画アプリを知って試してみたいと思いダウンロード。その後、読んでいた漫画の続きが気になり、課金するに至りました。
 その後、「色んな漫画が揃っているため、その時の気分に応じた作品を見つけることができる」と感じ、「一話単位で購入できるため、無駄な課金を減らせる点が良い」という価値が成立して、継続課金に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

時間的負荷

自分の読みたい本を効率的に見つけたいケース

ポイントサイトなどの
他サイトと連携することで
初回ダウンロードを促進

結果

自分の読みたい本を効率的に見つけたいと考えている生活者が、ポイントサイトで漫画アプリを知って試してみたいと思いダウンロードし、その後、読んでいた漫画の続きが気になり課金している。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。自分の読みたい本を効率的に見つけたいと考えている生活者が、ポイントサイトを通して漫画アプリを知って試してみたいと思いダウンロードし、その後、読んでいた漫画の続きが気になったことで課金に至っています。利用してみると、一話単位で購入できることで無駄な課金を減らせると感じ、色んな漫画が揃っていることでその時の気分に応じた作品を見つけられるところに魅力を感じて、継続的に利用・課金しています。

 この構造を応用することで、漫画であれば1話から、ゲームであれば1アイテムから、などのように課金時の単位を下げてあげることで、課金に対する抵抗が少なくなり、課金を促すことができると考えられます。また、その日の気分により作品が選べるような仕組みを構築することで顧客の満足度を上げられる可能性があると考えられます。

 上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。