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顧客体験の解説 | 加工調味料 |「Cook Do 回鍋肉」から学ぶテレビCM施策事例

 
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 今回は加工調味料の"継続購入"の事例として、"Cook Do 回鍋肉(味の素)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、仕事後は疲れて何もしたくないが、美味しいご飯は食べたい女性(28歳)が、テレビCMを見たことで新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

テレビCM施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「Cook Do 回鍋肉」を例に、テレビCMが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、テレビCMのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入するに至ったのか、そのプロセスから「テレビCMで新規購入を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

疲れて何もしたくないが、
美味しいご飯は食べたい

仕事で疲れて料理をする時間も気力もないが、満足できる食事がしたい(28歳女性 奈良県)

真田さん 28歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。Cook Do 回鍋肉を継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。真田さん(28歳女性 奈良県)は「仕事後は疲れて何もしたくないが、美味しいご飯は食べたい」と考えている方です。世帯年収200~400万円未満で会社員、未婚の女性です。

 真田さんは「仕事で疲れて料理をする時間も気力もないが、満足できる食事がしたい」と話していました。

 では、このような状態の真田さんに、Cook Do 回鍋肉がどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”Cook Do 回鍋肉で成立した価値”

※1

栄養がとれて味も満足できるので、
自炊を続けたくなる

ブランドが果たした役割

 真田さんは現在、Cook Do 回鍋肉を継続購入しています。最初は「テレビCMで家族が食卓を囲んで食べる映像を見て、実家での食事が懐かしくなった」と話していました。実際に購入してみると、自分で一から作るときよりも、調味料を揃えて量る手間や洗い物が減って時短になったと感じました。また、「疲れていてもしっかり栄養がとれて、味も満足な食事が食べられるため、自炊を続けたいという気持ちを支えてくれる存在である」ということに気づき、継続購入するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 真田さんはCook Do 回鍋肉を購入する以前、「仕事で疲れていると料理をする時間も気力も起きない」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、Cook Do 回鍋肉を購入することにより、「疲れていてもしっかり栄養がとれて、味も満足な食事が食べられるため、自炊を続けたいという気持ちを支えてくれる存在である」と感じ、さらに、Cook Do 回鍋肉を利用していくうちに、「平日の仕事で帰りが遅くなった日でも、家にある材料で本格的な回鍋肉が食べられて嬉しい」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
図解

Cook Do 回鍋肉の顧客体験事例から紐解く

「テレビCMで新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「テレビCMで新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、真田さんは元々「仕事で疲れてできれば何もしたくないが美味しいご飯は食べたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、テレビCMで家族が食卓を囲んで食べる映像を見て、実家での食事が懐かしくなり、購入するに至りました。
 その後、Cook Do 回鍋肉を継続して利用していく中で、「自分で一から作るときよりも、調味料を揃えて量る手間や洗い物が減って時短になった」と感じ、「疲れていてもしっかり栄養がとれて、味も満足な食事が食べられるため、自炊を続けたいという気持ちを支えてくれる存在である」という価値が成立して、継続購入に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

身体的負荷

仕事で疲れてできれば何もしたくないが美味しいご飯は食べたいと思っているケース

テレビCMで家族が食卓を
囲んで食べるイメージを訴求

結果

仕事で疲れて何もしたくないが美味しいご飯は食べたいと思っている生活者が、テレビCMで家族が食卓を囲んで食べる映像を見て実家での食事が懐かしくなり、商品を購入している。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。仕事で疲れて何もしたくないが、美味しいご飯は食べたいと思っている生活者が、テレビCMで家族が食卓を囲んで食べる映像を見て実家での食事が懐かしくなり、商品を購入しています。使ってみると、調味料を揃えて量る手間や洗い物が減って時短になり、疲れていてもしっかり栄養がとれて味も満足な食事が食べられることで、自炊を続けたいという気持ちを支えてくれると感じています。

 この構造を応用することで、生活者が現在置かれている状況(一人の食事)を描かずとも、以前経験したことのある状況(家族との食事)を描いたテレビCMの映像に懐かしさを感じて購入に至っていることから、過去に経験しているであろう状況を描くことで購入を促進できる可能性が高いと考えられます。

 上図のような生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を実際のマーケティング施策で役立てる方法や、マーケティング施策に使えるカスタマージャーニーの創り方については「カスタマージャーニーの教科書」に掲載しております。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。