Collexia
Marketing
Casestudy
顧客体験の解説 | 痛み止め |「バファリンルナi」
から学ぶ接客施策事例
今回は痛み止めの"継続購入"の事例として、"バファリンルナi(LION)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、痛みを速やかに取り除いて仕事に集中できる状態になりたいと考えている女性(50歳)が、店頭で販売員から商品を勧めてもらったことでバファリンルナiを新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「バファリンルナi」を例に、販売員の接客が新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、販売員の接客のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入させるに至ったのか、そのプロセスから「接客で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。
生理痛の痛みを速やかに取り除いて
仕事に集中したい
お腹が痛くなったときのために、生理痛に効く薬を常備しておきたかった。(50歳女性 埼玉県)
佐伯さん 50歳(仮名)
自由業
まず、生活者と課題を見ていきましょう。バファリンルナiを継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。佐伯さん(50歳女性 埼玉県)は「生理痛の痛みを速やかに取り除いて仕事に集中したい」と考えている方です。世帯年収200~400万円未満ほどで自由業、未婚の女性です。
佐伯さんは「生理でお腹が痛くなった時に、痛みを速やかに取り除いて仕事に集中できる状態になりたい」と話していました。
では、このような状態の佐伯さんに、バファリンルナiがどのような変化をもたらしたのかを解説します。
”バファリンルナIで成立した価値” ※1 |
= |
日々安心して過ごすための お守りのような存在 |
ブランドが果たした役割
佐伯さんは現在、バファリンルナiを継続購入しています。最初は「店頭で飲んでも眠くなりにくく、空腹でも飲める薬を聞いた時に勧めてもらった商品を購入した」と話していました。実際に飲んでみると、粒がとても小さいので喉にひっかかることなく、スムーズに飲めてノンストレスであると感じました。また、「飲めば必ず良くなるとわかっているので、日々安心して過ごすためのお守りのような存在になっている」ということに気づき、継続購入するに至ったと考えられます。
顧客体験の変化
佐伯さんはバファリンルナiを購入する以前、「生理中にお腹が痛くて仕事に集中できなくなったり、趣味を楽しめなくなったりしている」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、バファリンルナiを購入することにより、「飲めば必ず良くなるとわかっているので、日々安心して過ごすことができる」と感じ、さらに、バファリンルナiを購入していくうちに、「頭痛・生理痛の日も飲めば痛みが気にならなくなり、仕事がサクサク進められるようになるので、晴れやかで明るい気分になれる」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「接客で新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、佐伯さんは元々「生理でお腹が痛くなった時に、痛みを速やかに取り除いて仕事に集中できる状態になりたい」という課題認識を持っていました。
そんな時、店頭で飲んでも眠くなりにくく、空腹でも飲める薬を聞いた時に勧めてもらったことで、商品を購入するに至りました。
その後、バファリンルナiを継続して購入していく中で、「粒がとても小さいので喉にひっかかることなく、スムーズに飲めてノンストレスである」と感じ、「飲めば必ず良くなるとわかっているので、日々安心して過ごすためのお守りのような存在である」という価値が成立して、継続購入に至りました。
応用可能性~本事例の学び
課題
生理でお腹が痛くなった時に、痛みを速やかに取り除いて仕事に集中できる状態になりたいケース
結果
生理でお腹が痛くなった時に、痛みを速やかに取り除いて仕事に集中できる状態になりたい生活者が、自分の要望を伝えた上で、店員に勧めてもらったため購入に至っている。
今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。生理でお腹が痛くなった時に、痛みを速やかに取り除いて仕事に集中できる状態になりたい生活者が、自分の要望を伝えた上で、店員に勧めてもらったことで商品の購入に至ってます。使ってみると、粒が小さいため喉に引っかかることなくスムーズに飲めると感じ、飲めば必ず良くなるとわかったことで、日々安心して過ごすためのお守りのような存在だと感じて、継続購入に至っています。
この構造を応用することで、CMなどの広告や商品パッケージで、自社商品の効果・効能の訴求をするだけではなく、店頭の販売員に自社商品の効果・効能を理解してもらい、他社商品との違いを認識して、適切な顧客に推奨してもらうことで、狙ったターゲット層への購入促進ができると考えられます。
発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)
注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。
「カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。
https://www.journey-navi.com/