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顧客体験の解説 | アイス |「ジェラートマルシェ」から学ぶ店頭陳列施策事例

 
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 今回はアイスの"継続購入"の事例として、"ジェラートマルシェ(ロッテ)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、コロナによる外出自粛により、外出先でアイスを食べる楽しみがなくなった男性(62歳)が、店頭陳列をきっかけに新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

店頭陳列施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ジェラートマルシェ」を例に、店頭陳列が新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、店頭陳列のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入させるに至ったのか、そのプロセスから「店頭陳列で新規購入を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

外出自粛により、外出先で
アイスを食べる楽しみがなくなった

外出できなくなったことで、買い物の途中にフードコートでアイスを食べる楽しみがなくなってしまった。
(62歳男性 千葉県)

内山さん 62歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ジェラートマルシェを継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。内山さん(62歳男性 千葉県)は「外出自粛により、外出先でアイスを食べる楽しみがなくなった」と考えている方です。世帯年収1200~1500万円未満ほどで会社員、既婚の男性です。

 内山さんは「外出できなくなったことで、買い物の途中にフードコートでアイスを食べる楽しみがなくなってしまった」と話していました。

 では、このような状態の内山さんに、ジェラートマルシェがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”ジェラートマルシェで成立した
価値”

※1

毎日食べても飽きない、
籠り暮らしの貴重な娯楽

ブランドが果たした役割

 内山さんは現在、ジェラートマルシェを継続購入しています。最初は「店頭でシリーズで並べられたパッケージを見て気になり購入した。」と話していました。実際に購入してみると、「味が気に入ったので味違いの商品を購入し、その中でも気に入った味をリピート購入した。以前の外出先で夫婦でアイスを食べていた楽しみに変わる夫婦のささやかな楽しみだ」と感じました。また、「毎日食べても飽きずに、籠り暮らしにおいて夫婦にとっての貴重な娯楽である」ということに気づき継続購入するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 内山さんはデザートマルシェを購入する以前、「コロナによる外出自粛により、買い物の途中にフードコートでアイスを食べる楽しみがなくなってしまった」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、デザートマルシェを購入することにより、「毎日食べても飽きずに、籠り暮らしにおいて夫婦にとっての貴重な娯楽になる」と感じ、さらに、ジェラートマルシェを購入していくうちに、「籠り暮らしで夫婦の会話も少なくなりがちだったが、商品のお陰で会話も弾んで楽しく過ごせたので、今年の猛暑も苦痛ではなくなった」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
図解

ジェラートマルシェの顧客体験事例から紐解く

「店頭陳列が新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「店頭陳列が新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、内山さんは元々「外出できなくなったことで、買い物の途中にフードコートでアイスを食べる楽しみがなくなってしまった」という課題認識を持っていました。
 そんな時、店頭でシリーズで並べられたパッケージを見て気になり購入し、味が気に入ったので味違いの商品を購入し、その中でも気に入った味をリピート購入するに至りました。
 その後、以前の外出先で夫婦でアイスを食べていた楽しみに変わる夫婦のささやかな楽しみであると感じ、「毎日食べても飽きずに、籠り暮らしにおいて夫婦にとっての貴重な娯楽である」という価値が成立して、継続購入に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

外出できなくなったことで、買い物の途中にフードコートでアイスを食べる楽しみがなくなってしまったケース

ブランドやシリーズ商品を
店頭で並べて陳列

結果

外出できなくなり、買い物途中にフードコートでアイスを食べる楽しみがなくなった生活者が、自宅でも食べることが楽しみになるようなアイスを購入しようと店頭に行った時にシリーズで並べられたパッケージに惹かれたため購入し、味が気に入ったことで他の種類の購入にも至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。外出できなくなったことで、買い物の途中にフードコートでアイスを食べる楽しみがなくなってしまったと考えている生活者が、店頭でシリーズで並べられたパッケージを見て気になり購入し、味が気に入ったので味違いの商品を購入し、その中でも気に入った味をリピート購入するに至っています。以前の外出先で夫婦でアイスを食べていた楽しみに変わる夫婦のささやかな楽しみと気づき、毎日食べても飽きずに、籠り暮らしにおいて夫婦にとっての貴重な娯楽と感じ継続購入に至っています。

 この構造を応用することで、コロナ前に生活者が楽しみだと考えていた行動が継続できていないことに対して、他の商品やサービスがコロナ以前の楽しみの代替となったり、楽しみを再現できることに気づかせることで初回利用、さらには継続利用に繋げることができると考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。