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顧客体験の解説 | アイスクリーム |「スイカバー」から学ぶ店頭POP施策事例

 
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 今回はアイスの"継続購入"の事例として、"スイカバー(LOTTE)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、暑い日に冷たいものを食べて気持ちをシャキッとさせたい女性(21歳)が、店頭POPを見て購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

店頭POP施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「スイカバー」を例に、パッケージの訴求が新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、店頭POPのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、継続購入させるに至ったのか、そのプロセスから「店頭POPで新規購入を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

暑い日に冷たいものを食べて
気持ちをシャキッとさせたい

うだるような暑い日でも冷たいものを食べることで気持ちをシャキッとさせたい。(21歳女性 茨城県)

森本さん 21歳(仮名)
学生

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。スイカバーを継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。森本さん(21歳女性 茨城県)は「暑い日に冷たいものを食べて気持ちをシャキッとさせたい」と考えている方です。世帯年収400~600万円未満ほどで学生、未婚の女性です。

 森本さんは「うだるような暑い日でも冷たいものを食べることで気持ちをシャキッとさせたい」と話していました。

 では、このような状態の森本さんに、スイカバーがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”スイカバーで成立した価値”

※1

気持ちもシャキッとするし
「夏」を一層感じられる

ブランドが果たした役割

 森本さんは現在、スイカバーを継続購入しています。最初は「『夏』というイメージがある商品で、夏っぽいかわいらしいPOPが店内に置いてあり購入した」と話していました。実際に購入してみると、暑い夏に冷たいものを食べたい欲求を満たしてくれて涼むことができると感じました。また、「この商品を食べると気持ちもシャキッとするし『夏』を一層感じられる」ということに気づき、継続購入するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 森本さんはスイカバーを購入する以前、「連日の暑さで、気持ちもだるくなってしまう」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、スイカバーを購入することにより、「この商品を食べると気持ちもシャキッとするし『夏』を一層感じられる」と感じ、さらに、スイカバーを購入していくうちに、「自粛期間にあまり感じることができなかった『夏』という季節感を商品を通して感じることが出来た」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
図解

スイカバーの顧客体験事例から紐解く

「店頭POPが新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「店頭POPが新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、森本さんは元々「うだるような暑い日でも冷たいものを食べることで気持ちをシャキッとさせたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、「夏」というイメージがある商品で、夏っぽいかわいらしいPOPが店内に置いてあり、購入するに至りました。
 その後、暑い夏に冷たいものを食べたい欲求を満たしてくれて涼むことができると感じ、「この商品を食べると気持ちもシャキッとするし『夏』を一層感じられる」という価値が成立して、継続購入に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

うだるような暑い日でも冷たいものを食べることで気持ちをシャキッとさせたいケース

期間限定で商品を販売
POP等で店頭でも
商品イメージを構築

結果

うだるような暑い日に冷たいものを食べ、気持ちをシャキッとさせたいと考えている生活者が、店内で夏っぽくて可愛らしい商品POPを見かけて夏の暑い日にはこれだな、と感じて購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。うだるような暑い日でも冷たいものを食べることで気持ちをシャキッとさせたいと考えている生活者が、「夏」というイメージがある商品で、夏っぽいかわいらしいPOPが店内に置いてあり、暑い日にはこれだと思い購入するに至っています。暑い夏に冷たいものを食べたい欲求を満たし、気持ちをシャキッとさせてくれ、この商品を食べることで「夏」を一層感じられると継続購入に至っています。

 この構造を応用することで、季節やイベントと関連した商品イメージを構築することで、季節やイベント時期の購入や利用に繋げることができると考えられます。コロナの影響でこれまでのように季節を感じるイベントなどができないことが考えられるため、商品が持つイメージでその季節やイベントの場面を演出してくれる商品の需要は高まると考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。