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顧客体験の解説 | アパレルブランド|「ユニクロ」
から学ぶTVCM施策事例

 
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 今回 アパレルブランドの"継続利用"の事例として、"ユニクロ"の事例を紹介します。このケーススタディでは、スポーツウェアでもおしゃれをして楽しみたい男性(58歳)が、TVCMを見て自分でも着られそうだとイメージができ、おしゃれをすることでジムなどに外出することが楽しくなると感じたことで継続利用するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

TVCM施策

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新規利用

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ユニクロ」を例に、TVCMが新規利用を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、TVCMのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規利用さらには継続利用するに至らせたのか、そのプロセスから「TVCMで新規利用を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

人に見られても恥ずかしくない
スポーツウェアを着たい

スポーツウェアは部屋着の延長線上程度に考えていたが、
おしゃれで人に見られても恥ずかしくないようなウェアを探したい。(58歳男性 東京都)

山本さん 58歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ユニクロを継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。山本さん(58歳男性 東京都)は「スポーツジムで人に見られても恥ずかしくないスポーツウェアを着たい」と考えている方です。世帯年収600~800万円未満で会社員、既婚の男性です。

 山本さんは「ジムでは結構派手なウェアを着ている人も多く、自分もジムでのモチベーションがあがるようなウェアを着ようと思った」と話していました。

 では、このような状態の山本さんに、ユニクロがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

“ユニクロで成立した価値”

※1

外出時もおしゃれな服を
着たいと思うようになった

ブランドが果たした役割

 山本さんは現在、ユニクロを継続利用しています。最初は「TVCMを見ていて、これだったらいろいろな形や色を試せそうだと自分が着ている姿をイメージができたことで、店舗に行って購入した」と話していました。実際に利用してみると、スポーツウェアでおしゃれを楽しむことで気分転換しながらジムに通うことができているので、やめずに続けることができていると感じました。また、山本さんは「ジムに通う時だけでなく外出の際にもっとおしゃれな服を着るようにしたいと思うようになった」ということに気づき、継続利用するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 山本さんはユニクロを利用する以前、「部屋着のようなウェアでは恥ずかしいし、ジム通いのやる気に繋がらない」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、ユニクロを利用することにより、「人にどう見られるか、もそうだが、自分の気持ちやモチベーションが上がる。外出の際にももっとおしゃれな服を着るようにしたい」と感じ、さらに、ユニクロを利用していくうちに、「ジム通いをやめずに続けられているおかげで、体重がめきめきと減り始めて、自分に自信がついてきた」ということに気づき、継続的に利用するようになりました。
図解

ユニクロの顧客体験事例から紐解く

「TVCMで初回利用を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「TVCMで初回利用を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、山本さんは元々「スポーツウェアは部屋着の延長線上程度に考えていたが、おしゃれでジムで人に見られても恥ずかしくないようなウェアを着たい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、ユニクロのTVCMを見かけて、これだったらいろいろな形や色を試せるとイメージができたことで購入するに至りました。
その後、ユニクロを利用していく中で、「スポーツウェアでおしゃれを楽しむことで気分転換をしながらジム通いを続けることができている」と感じ、「外出の際にももっとおしゃれな服を着るようにしたいと思うようになった」という価値が成立して、継続利用に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

使用負荷

おしゃれでジムで人に見られても恥ずかしくないようなウェアを着てトレーニングしたいと考えているケース

自分自身が着用したときの
イメージが浮かぶようなTVCM

結果

おしゃれでジムで人に見られても恥ずかしくないようなウェアを着てトレーニングしたいと考えている生活者が、TVCMを見ていてこれだったらいろいろな形や色を試せるとイメージができたことで、店舗に行って購入するに至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。スポーツウェアは部屋着の延長線上程度に考えていたが、おしゃれでジムで人に見られても恥ずかしくないようなウェアを着てトレーニングしたいと考えている生活者が、TVCMを見ていてこれだったらいろいろな形や色を試せるとイメージができたことで、購入するに至っています。スポーツウェアでおしゃれを楽しむことで気分転換をしながらジム通いを続けることができて、さらに店舗で外出時のおしゃれな服があることにも気づき継続利用しています。

 この構造を応用することで、生活の一場面でも生活者が商品やサービスを使用するイメージを持たせることができたり、使用したことで得られる便益を訴求したりすることで初回利用やユーザーの獲得に繋がると考えられます。さらに、一度商品やサービスを使用して便益を実感することで、生活の中の他の場面でも使用するようになり、継続利用や利用シーンの拡大に繋がる可能性も考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。