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顧客体験の解説 | 痛み止め |「イブA錠」から学ぶCM・パッケージ施策事例

 
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 今回は痛み止めの"継続購入"の事例として、"イブA錠"の事例を紹介します。このケーススタディでは、頭痛、生理痛のイライラする痛みのせいで周りに迷惑をかけたくないと考えている女性(51歳)が、CM・パッケージで新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

CM・
パッケージ施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「イブA錠」を例に、CM・パッケージが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、CM・パッケージのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入するに至ったのか、そのプロセスから「CM・パッケージで新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

頭痛や生理痛のイライラする痛みで
周りに迷惑をかけたくない

頭痛、生理痛の不安や、イライラする痛みに振り回されることで、周りに迷惑をかけたくない。
(51歳女性 埼玉県)

中山さん 51歳(仮名)
パート・アルバイト

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。イブA錠を継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。中山さん(51歳女性 埼玉県)は「頭痛や生理痛のイライラする痛みで周りに迷惑をかけたくない」と考えている方です。世帯年収200~400万円未満ほどでパート・アルバイト、未婚の女性です。

 中山さんは「頭痛、生理痛の不安や、イライラする痛みに振り回されることで、周りに迷惑をかけたくない」と話していました。

 では、このような状態の中山さんに、イブA錠がどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”イブA錠で成立
した価値”

※1

痛みや不安が改善される
という安心感が得られる

ブランドが果たした役割

 中山さんは現在、イブA錠を継続購入しています。最初は「CMやパッケージから、親しみやすさや手に取りやすいイメージを抱き、自分の気になっていた症状にも合っていると感じて購入した」と話していました。実際に購入してみると、他の薬と違い、胃痛もなく痛みも和らぐから1番自分に合っていると感じました。また、「自分に合っている薬で痛みや不安が改善されるという安心感が得られる、お守りみたいな存在である」ということに気づき、継続利用するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 中山さんはイブA錠を購入する以前、「頭痛や生理痛の不安やイライラする痛みに振り回されて、周りに迷惑をかけてしまう」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、イブA錠を購入することにより、「自分に合っている薬で痛みや不安が改善されるという安心感が得られる、お守りみたいな存在である」と感じ、さらに、イブA錠を利用していくうちに、「旅行当日に生理になり、すぐ痛みも始まり憂鬱になっていたところ、薬を飲んだらすぐ効いてきて、安心して出発することができた」ということに気づき、継続的に利用するようになりました。
図解

イブA錠の顧客体験事例から紐解く

「CM・パッケージで初回購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「CM・パッケージで初回購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、中山さんは元々「頭痛、生理痛の不安やイライラする痛みに振り回されることで周りに迷惑をかけたくない」という課題認識を持っていました。
 そんな時、CMやパッケージから、親しみやすさや手に取りやすいイメージを抱き、自分の気になっていた症状にも合っていると感じて購入するに至りました。
 その後、イブA錠を継続して利用していく中で、「他の薬と違い、胃痛もなく痛みも和らぐから1番自分に合っている」と感じ、「自分に合っている薬で痛みや不安が改善されるという安心感が得られる、お守りみたいな存在である」という価値が成立して、継続購入に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

身体的負荷+心理的負荷

頭痛、生理痛の不安やイライラする痛みに振り回されず穏やかに過ごしたいといったケース。

CMやパッケージを通じて親しみやすさや手に取りやすいイメージを訴求

結果

頭痛、生理痛の不安やイライラする痛みに振り回されたくないといった生活者が、CMやパッケージを通じて親しみやすさや手に取りやすいイメージを感じ、購入している。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。頭痛、生理痛の不安やイライラする痛みに振り回されたくないといった生活者が、CMやパッケージから親しみやすさを感じ、自分に合いそうだと感じたことで購入に至っています。使ってみると、今までに使った他の薬と違い、胃痛もなく痛みも和らぐことから自分に1番あっている、不安が改善されるという安心感からお守りみたいなものと感じ、継続購入に至りました。

 この構造を応用することで、薬のように競合との差別化が難しい商品の場合、独自のブランドイメージを訴求することで購入を促すことができると考えられます。ブランドそれぞれの持つ生活者の便益に合ったイメージを定着させることが重要だと考えられます。また、常に持ち歩いたり、常用する場合は、パッケージのコンパクトさや飲みやすい形状であることも商品を選定する際の重視点になるため、CMやプロモーションでサイズ感が伝わるようにすることも重要だと考えられます。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。