Collexia 
Marketing 
Casestudy

顧客体験の解説 | 体験施設 |「大阪市立美術館」
から学ぶ情報サイトの口コミ施策事例

 
  • facebook
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 今回は体験施設の"顧客満足の獲得"の事例として、"大阪市立美術館"の事例を紹介します。このケーススタディでは、休日は自分が好きな美術に対する造詣を深めリラックスしたい女性(35歳)が、情報サイトの口コミを確認してから施設を利用し、満足するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

情報サイトの
口コミ施策

×

新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「大阪市立美術館」を例に、情報サイトの口コミが施設の利用に繋がり顧客満足の獲得に至ったという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、情報サイトの口コミのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、利用さらには満足する至らせたのか、そのプロセスから「情報サイトの口コミで利用を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

休日は自分が好きな美術に対する
造詣を深めリラックスしたい

平日忙しい分、休日は自分が好きな作品展や特別展で美術に対する造詣を深めることで
リラックスできる時間を過ごしたい。(35歳女性 福島県)

永田さん 35歳(仮名)
パート・アルバイト

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。大阪市立美術館を利用し、満足に至った生活者のカスタマージャーニーを紹介します。永田さん(35歳女性 福島県)は「休日は自分が好きな美術に対する造詣を深めリラックスしたい」と考えている方です。世帯年収1500~2000万円未満ほどで、パート・アルバイト、既婚の女性です。
 
 永田さんは「平日忙しい分、休日は自分が好きな作品展や特別展で美術に対する造詣を深めることでリラックスできる時間を過ごしたい」と話していました。

 では、このような状態の永田さんに、大阪市立美術館がどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

“大阪市立美術館で成立した価値”

※1

好きな作品に触れられ、
リラックスできる大切な場所

ブランドが果たした役割

 永田さんは、大阪市立美術館を利用し満足しました。最初は「おでかけ情報サイトで行きたい美術館の施設情報や来場者の最新の口コミを見て、コロナ対策への取り組みに安心できたため利用した」と話していました。実際に利用してみると、日々の様々なストレスが解消され心がスッキリしたことで、自分の心のバランスが整ったと感じました。また、「自分の好きな作品に触れる機会を与えてくれて、リラックスでき、自分にはとても大切で必要な場所である」ということに気づき、満足するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 永田さんは大阪市立美術館を利用する以前、「平日は忙しくて、自分の好きなものに触れられる時間がない」ことから、このままではいけないと思いました。その後、大阪市立美術館を利用することにより、「自分の好きな作品に触れる機会を与えてくれて、リラックスでき、自分にはとても大切で必要な場所である」と感じ、さらに、大阪市立美術館を利用してからは、「コロナの影響で様々なことが変化し、ストレスも多い中で自分が好きなものや趣味は我慢しなくてもいいと思えて、すごく嬉しかった」と感じ、施設のファンになりました。
図解

大阪市立美術館の顧客体験事例から紐解く

「情報サイトの口コミが利用を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「情報サイトの口コミで利用を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、元々永田さんは「平日忙しい分、休日は自分が好きな作品展や特別展で美術に対する造詣を深めることでリラックスできる時間を過ごしたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、おでかけ情報サイトで行きたい美術館の施設情報や来場者の最新の口コミを見て、コロナ対策への取り組みに安心できたため、施設を利用するに至りました。
 その後、「日々の様々なストレスが解消され心がスッキリしたことで、自分の心のバランスを整った」と感じ、「自分の好きな作品に触れる機会を与えてくれて、リラックスでき、自分にはとても大切で必要な場所である」という価値が成立して、顧客満足を獲得するに至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

休日に自分が好きな作品展や特別展で美術に対する造詣を深めることでリラックスできる時間を過ごしたいケース

情報サイトで施設情報のほか
来場者の最新口コミを掲載

結果

休日に好きな展示会で美術に対する造詣を深めることでリラックスできる時間を過ごしたい生活者が、情報サイトで行きたい美術館の施設情報や口コミを見たことで、コロナ対策状況に安心できたため利用に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。休日に自分が好きな作品展や特別展で美術に対する造詣を深めることでリラックスできる時間を過ごしたい生活者が、おでかけ情報サイトで行きたい美術館の施設情報のほか来場者の最新口コミを見て、コロナ対策の状況に安心できたため利用するに至っています。美術館で自分が好きなものを見られたことで、日々受けた様々なストレスが解消され心がスッキリしたと感じ、自分の心のバランスを保つことができる大切な空間だと実感しました。

 この構造を応用することで、コロナウイルスなどにより世の中の情勢が刻々と変化している状況では、リアルタイムの情報や利用者の口コミを公開することで、生活者に安心感を与えることができて利用を促進できると考えられます。そのため、自社の公式HP等でも口コミなどの情報を掲載して、利用検討者の不安を払拭する必要があると考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。