Collexia 
Marketing 
Casestudy

顧客体験の解説 | 体験施設 |
「アクアワールド茨城県大洗水族館」から学ぶ
割引券・公式HPの情報の情報施策事例

 
  • facebook
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 今回は体験施設の"顧客満足獲得"の事例として、"アクアワールド茨城県大洗水族館"の事例を紹介します。このケーススタディでは、開放的な気持ちになりたい女性(21歳)が、テレビ番組で施設紹介を見たあと、割引券が手に入ったことで公式HPの情報を確認し、コロナ対策をしっかりしているとの情報を得て利用し、満足するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

割引券・公式HPの情報施策

×

再来訪

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「アクアワールド茨城県大洗水族館」を例に、割引券・公式HPの情報の情報が再来訪から顧客満足の獲得に至ったという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、割引券・公式HPの情報の情報のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、施設への再来訪さらには満足に至らせたのか、そのプロセスから「割引券・公式HPの情報の情報で再来訪を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

開放的な気持ちになりたい

ずっと家にいることで閉鎖的な気持ちになるので、開放的な気持ちになりたい。(21歳女性 茨城県)

福村さん 21歳(仮名)
学生

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。アクアワールド茨城県大洗水族館を新規利用し、満足するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。福村さん(21歳女性 茨城県)は「開放的な気持ちになりたい」と考えている方です。世帯年収200万円未満ほどで、学生、未婚の女性です。

 福村さんは「ずっと家にいることで閉鎖的な気持ちになるので、開放的な気持ちになりたい」と話していました。

 では、このような状態の福村さんに、アクアワールド茨城県大洗水族館がどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”アクアワールド茨城県大洗水族館で成立した価値”

※1

明るく楽しい気持ちと
癒しをくれる大事な場所

ブランドが果たした役割

 福村さんは、満足してアクアワールド茨城県大洗水族館を利用できました。最初は「以前は特別な日にだけ訪れていた施設の割引券があったため、HPを確認したところコロナ対策もしっかりしていたので利用した」と話していました。実際に利用してみると、海の中にいるような気分を味わいながら海の生き物たちとその空間を楽しむことで、開放的な気持ちにることができたと感じました。また、「嫌なことがあったとしても明るく楽しい気持ちにさせてくれて、気持ちを癒してくれる自分にとって大事な場所である」ということに気づき、満足するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 福村さんはアクアワールド茨城県大洗水族館を利用する以前、「ずっと家にいることで閉鎖的な気持ちになる」ということから、このままではいけないと思いました。その後、アクアワールド茨城県大洗水族館を利用することにより、「嫌なことがあったとしても明るく楽しい気持ちにさせてくれて、気持ちを癒してくれる自分にとって大事な場所である」と感じ、さらに、アクアワールド茨城県大洗水族館を利用していくうちに、「飼育員の皆さんが明るく出迎えてくれて、来てよかったと改めて思うことができた」と感じ、満足するようになりました。
図解

アクアワールド茨城県大洗水族館の顧客体験事例から紐解く

「割引券・公式HPの情報の情報が新規利用を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「割引券・公式HPの情報の情報が新規利用を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、ずっと家にいることで閉鎖的な気持ちになるので、開放的な気持ちになりたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、以前は特別な日にだけ訪れていた施設の割引券があったため、HPを確認したところコロナ対策もしっかりしていたので、施設を利用するに至りました。
 その後、「海の中にいるような気分を味わいながら海の生き物たちとその空間を楽しむことで、開放的な気持ちにることができた」と感じ、「嫌なことがあったとしても明るく楽しい気持ちにさせてくれて、気持ちを癒してくれる自分にとって大事な場所である」という価値が成立して、満足するに至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

ずっと家にいることで閉鎖的な気持ちになってしまい、開放的な気持ちになりたいと思っているケース

割引券の配布
公式HPで対策状況を掲載

結果

家にいることで閉鎖的な気持ちになってしまうので、開放的な気持ちになりたいた生活者が、以前は特別な日にだけ訪れていた施設の割引券があったことでHPを確認して対策もしっかりしていたので利用に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。ずっと家にいることで閉鎖的な気持ちになってしまい、開放的な気持ちになりたいと思っていた生活者が、以前は特別な日にだけ訪れていた施設の割引券があったことで行ってみようと思い利用に至っています。嫌なことがあったとしても明るく楽しい気持ちにさせてくれて、気持ちを癒してくれる自分にとって大事な場所で、海の生き物たちが励ましてくれているように見えてとても癒されたと感じています。

 この構造を応用することで、家族とのお出かけや恋人とのデートなど特別な日にだけ訪れていた場所だと考えられている施設も、割引券のような利用のきっかけがあることで、日常利用を促進できると考えられます。また、施設利用により得られる情緒的な価値を訴求していくことで、コロナ疲れや自粛疲れを感じている生活者の利用意欲を高めることができる可能性があります。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。