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顧客体験の解説 | タブレット端末 |「iPad」
から学ぶ店頭でのトライアル・SNS施策事例

 
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 今回はタブレットの"顧客満足の獲得"の事例として、"iPad(Apple)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、時間、場所を選ばずに映画やドラマを見たい女性(30歳)が、店頭でのトライアルやSNSの情報を見て購入し、満足を実感するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

店頭でのトライアル・SNS施策

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顧客満足の獲得

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「iPad」を例に、店頭でのトライアル・SNS施策が顧客満足の獲得を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、店頭でのトライアル・SNSのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには顧客満足を獲得するに至ったのか、そのプロセスから「店頭でのトライアル・SNSで新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

場所を選ばずに映画やドラマを見たい

暇な時に時間、場所を選ばずに映画やドラマを見て非現実感を味わいたい。(30歳女性 秋田県)

石崎さん 30歳(仮名)
専業主婦

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。iPadを購入して満足するに至った生活者のカスタマージャーニーを紹介します。石崎さん(30歳女性 秋田県)は「場所を選ばずに映画やドラマを見たい」と考えている方です。世帯年収200~400万円未満ほどで専業主婦、既婚の女性です。

 石崎さんは「暇な時に時間、場所を選ばずに映画やドラマを見て非現実感を味わいたい」と話していました。

 では、このような状態の石崎さんに、iPadがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”iPadで成立した価値”

※1

誰にも迷惑をかけることなく
充実した時間を過ごせる

ブランドが果たした役割

 石崎さんは現在、iPadに満足を感じています。最初は「店頭で実際に使ってみたり、店員さんの意見を聞いてSNSで多くの人の評判を調べた上で購入した」と話していました。実際に使用してみると、使いたい時にどこでもすぐに使えて、スマホのように画面が小さくないため目が疲れたりストレスが溜まることもないと感じました。また、「旦那が在宅ワーク中でも、迷惑をかけることなく充実した時間を過ごすことができる」ということに気づき、満足を感じるに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 石崎さんはiPadを購入する以前、「暇な時にクイックに映画やドラマを見れないと面倒である」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、iPadを購入することにより、「旦那が在宅ワーク中でも、迷惑をかけることなく充実した時間を過ごすことができる」と感じ、さらに、iPadを購入したことで、「タブレットで映画やドラマなど色々な作品を見ることができるので楽しい。暇をもてあそぶといった時間が無くなった」と感じて、満足を感じるようになりました。
図解

iPadの顧客体験事例から紐解く

「店頭でのトライアル・SNS施策で新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「店頭でのトライアル・SNSで新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、石崎さんは元々「暇な時に時間、場所を選ばずに映画やドラマを見て非現実感を味わいたい」という課題認識を持っていました。 
 そんな時、店頭で実際に使ってみたり、店員さんの意見を聞いてSNSで多くの人の評判を調べ、購入するに至りました。
 その後、iPadを購入したことで、「使いたい時にどこでもすぐに使えて、スマホのように画面が小さくないため目が疲れたりストレスが溜まることもない」と感じ、「旦那が在宅ワーク中でも、迷惑をかけることなく充実した時間を過ごすことができる」という価値が成立して、満足を感じるに至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

使用負荷

時間、場所を選ばずに映画やドラマを見て非現実感を味わいたいケース

店頭でのトライアル
SNSでの多くの評価

結果

暇な時に時間、場所を選ばずに映画やドラマを見て非現実感を味わいたいと考えている生活者が店頭で実際に使ってみたり、店員さんの意見を聞いてSNSで多くの人の評判を調べた上で購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。暇な時に時間、場所を選ばずに映画やドラマを見て非現実感を味わいたいと考えている生活者が、店頭で実際に使ってみたり、店員さんの意見を聞いてSNSで多くの人の評判を調べた上で購入に至っています。実際に使用すると使いたい時にどこでもすぐに使えて、スマホのように画面が小さくないため目が疲れたりストレスが溜まることもないと気づき、旦那が在宅ワーク中でも、迷惑をかけることなく充実した時間を過ごすことができると感じ顧客満足の獲得に至っています。

 この構造を応用することで、在宅ワークが広がりつつある中、在宅ワークをしている本人だけでなく、家族など同居人の日中の生活にも変化が生じているため、その変化に合わせて、双方が快適に過ごしやすくなるような商品やサービスを提供することで、購入や利用を促進できると考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。