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顧客体験の解説 | 美容家電 |
「頭皮マッサージャー」
から学ぶ通販サイトの口コミ施策事例
今回は美容家電の"顧客満足の獲得"の事例として、"頭皮マッサージャー(LIKII)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、美容室のマッサージのようなリラックス感を味わいたい女性(58歳)が、通販サイトの口コミを見て新規購入し、満足するに至った、という顧客体験をご紹介します。
今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「頭皮マッサージャー」を例に、通販サイトの口コミが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、通販サイトの口コミのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには満足するに至ったのか、そのプロセスから「通販サイトの口コミで新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。
美容室のマッサージのようなリラックス感を味わいたい
コロナで外出できない中でも、美容室でしてもらうマッサージのような
気持ち良さに近いリラックス感を味わいたい。(58歳女性 宮城県)
まず、生活者と課題を見ていきましょう。頭皮マッサージャーを購入して満足するに至った生活者のカスタマージャーニーを紹介します。矢沢さん(58歳女性 宮城県)は「美容室のマッサージのようなリラックス感を味わいたい」と考えている方です。パート・アルバイト、既婚の女性です。
矢沢さんは「コロナで外出できない中でも、美容室でしてもらうマッサージのような気持ち良さに近いリラックス感を味わいたい」と話していました。
では、このような状態の矢沢さんに、頭皮マッサージャーがどのような変化をもたらしたのかを解説します。
”頭皮マッサージャーを購入することで成立した価値” ※1 |
= |
ずっと綺麗でいたいと思う自分を褒めてあげたいと思う |
ブランドが果たした役割
矢沢さんは現在、頭皮マッサージャーに満足を感じています。最初は「通販サイトの口コミで防水機能やお手入れのしやすさなどを見て使いやすそうだと感じて購入した」と話していました。実際に使ってみると、お風呂につかりながら使うことで、穏やかな時間を過ごすことができるため幸せであると感じました。また、「いつまでも綺麗でありたいという気持ちを持っている自分を褒めてあげたいと思えるようになった」ということに気づき、満足するに至ったと考えられます。
顧客体験の変化
矢沢さんは頭皮マッサージャーを購入する以前、「コロナで外出できないので、美容室で気持ち良いマッサージを受けることもできない」ことで対策が必要だと気づき、このままではいけないと思いました。その後、頭皮マッサージャーを購入することにより、「いつまでも綺麗でありたいという気持ちを持っている自分を褒めてあげたいと思えるようになった」と感じ、さらに、頭皮マッサージャーを使用していくうちに、「コロナ禍でも家でできることを継続することで、自分で自分の身体を毎日しっかりと管理できるようになった気がする」と感じて、満足を感じるようになりました。
「通販サイトの口コミで新規購入を促進する」の成功要因
本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「通販サイトの口コミで新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、矢沢さんは元々「コロナで外出できない中でも、美容室でしてもらうマッサージのような気持ち良さに近いリラックス感を味わいたい」という課題認識を持っていました。
そんな時、通販サイトの口コミで防水機能やお手入れのしやすさなどを見て使いやすそうだと感じ、購入するに至りました。
その後、頭皮マッサージャーを継続して使用していく中で、「お風呂につかりながら使うことで、穏やかな時間を過ごすことができるため幸せである」と感じ、「いつまでも綺麗でありたいという気持ちを持っている自分を褒めてあげたいと思えるようになった」という価値が成立して、満足を感じるに至りました。
応用可能性~本事例の学び
課題
コロナで外出できない中でも、美容室でしてもらうマッサージのような気持ち良さに近いリラックス感を味わいたいと考えているケース
防水機能やお手入れのしやすさなど商品の使いやすさに関する情報を訴求
結果
美容室でしてもらうマッサージのような気持ち良さに近いリラックス感を味わいたいと考えている生活者が、通販サイトの口コミで防水機能やお手入れのしやすさなどを見て使いやすそうだと感じて購入に至っている。
今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。コロナで外出できない中でも、美容室でしてもらうマッサージのような気持ち良さに近いリラックス感を味わいたいと考えている生活者が、通販サイトの口コミで防水機能やお手入れのしやすさなどを見て使いやすそうだと感じて購入に至っています。使うことで、穏やかな時間を過ごすことができて、いつまでも綺麗でありたいという気持ちを持っている自分を褒めてあげたいと思えるようになったと感じています。
この構造を応用することで、商品やサービス自体の機能面の訴求だけでなく、使うシーンやお手入れなどを考慮した際の使いやすさに関する情報も生活者は必要としているため、顧客がどんな情報を得たことで購入や利用に至ったのかを知り、顧客理解を深めることで、実際に訴求すべき情報を明らかにすることができると考えられます。
発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
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注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。
「カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。
https://www.journey-navi.com/