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顧客体験の解説 | 雑誌 |
「趣味の園芸やさいの時間」から学ぶSNS施策事例

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 今回は雑誌の"顧客満足の獲得"の事例として、"趣味の園芸やさいの時間(NHK出版)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、自宅で親子で楽しむことを考えたい女性(46歳)が、店頭で表紙を見かけて興味を持ったためママ友のSNS投稿を見て、雑誌を購入し、満足を実感するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

SNS施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「趣味の園芸やさいの時間」を例に、SNS施策が顧客満足の獲得を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、SNS施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには顧客満足を獲得するに至ったのか、そのプロセスから「SNSで新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

自宅で親子で楽しむことを考えたい

親子で遊びに行く機会が多かったがコロナでどこにも行けずにストレスがたまりがちなため、自宅で親子で楽しむことを考えたい。(46歳女性 埼玉県)

水野さん 46歳(仮名)
パート・アルバイト

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。趣味の園芸やさいの時間を購入して満足するに至った生活者のカスタマージャーニーを紹介します。水野さん(46歳女性 埼玉県)は「自宅で親子で楽しむことを考えたい」と考えている方です。世帯年収200~400万円未満ほどでパート・アルバイト、既婚の女性です。

水野さんは「親子で遊びに行く機会が多かったがコロナでどこにも行けずにストレスがたまりがちなため、自宅で親子で楽しむことを考えたい」と話していました。

では、このような状態の水野さんに、趣味の園芸やさいの時間がどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”趣味の園芸やさいの時間を購入することで成立した価値”

※1

親子で時間を共有することができる

ブランドが果たした役割

 水野さんは現在、趣味の園芸やさいの時間に満足を感じています。最初は「ママ友が雑誌を見て簡単に野菜作りができること、親子で収穫や料理していることをSNSでシェアしているのを見て雑誌を購入した」と話していました。実際に読んでみると、子供と雑誌を一緒に見て、どの野菜を育てるか親子で考える楽しみをくれたと感じました。また、「野菜の成長を親子で話題にしたり、野菜を親子で一緒に収穫したりすることで、親子で時間を共有することができる」ということに気づき、満足を感じるに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 水野さんは趣味の園芸やさいの時間を購入する以前、「コロナにより、親子でどこにも行けずにストレスがたまりがちである」ということに気づき、このままではいけないと思いました。その後、趣味の園芸やさいの時間を購入することにより、「野菜の成長を親子で話題にしたり、野菜を親子で一緒に収穫したり、親子で時間を共有することができる」と感じ、さらに、趣味の園芸やさいの時間を購入したことで、「コロナで野菜が高いから、自宅で簡単に野菜を作り、子供とも野菜で癒やされて、美味しく野菜を料理して食べている。食育の話を親子でできるようにもなった」と感じて、満足を感じるようになりました。
図解

趣味の園芸やさいの時間の顧客体験事例から紐解く

「SNS施策で新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「SNSで新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、水野さんは元々「親子で遊びに行く機会が多かったがコロナでどこにも行けずにストレスがたまりがちなため、自宅で親子で楽しむことを考えたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、ママ友が雑誌を見て簡単に野菜作りができること、親子で収穫や料理していることをSNSでシェアしているのを見て、購入するに至りました。
 その後、趣味の園芸やさいの時間を購入したことで、「子供と雑誌を一緒に見て、どの野菜を育てるか親子で考える楽しみをくれた」と感じ、「野菜の成長を親子で話題にしたり、野菜を親子で一緒に収穫したりすることで、親子で時間を共有することができる」という価値が成立して、満足を感じるに至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

コロナでどこにも行けずにストレスがたまりがちなため、自宅でも親子で楽しめる取り組みをしたいと考えている

SNSでの投稿やシェアを
促進する企画の実施

結果

コロナでどこにも行けずにストレスがたまりがちなため、自宅で親子で楽しむことを考えている生活者が、ママ友のSNSを通じてシェアされた内容をきっかけに雑誌の購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。コロナでどこにも行けずにストレスがたまりがちなため、自宅で親子で楽しむことを考えている生活者が、ママ友が雑誌を見て簡単に野菜作りができること、親子で収穫や料理していることをSNSで投稿しているのを見て雑誌を購入するに至っています。実際に子供と一緒に雑誌を見て、どの野菜を育てるか親子で考える楽しみをくれて、野菜の成長を親子で話題にしたり、野菜を親子で一緒に収穫したり、親子で時間を共有することができると感じて満足しています。

 この構造を応用することで、SNSを通じて商品やサービスがが与えてくれた生活の変化や体験を投稿する企画を立てることで、その商品やサービスがもたらしてくれる便益が身近に感じられることができ、購入に繋げることができると考えられます。SNSのフォロワーは同じコミュニティに属している生活者である可能性が高いため、SNSでの商品やサービスの拡散や便益の訴求は効果的だと考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。