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顧客体験の解説 | 美容家電 |
「TESCOMヘアアイロン」から学ぶ
店頭での商品紹介施策事例

 
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 今回は美容家電の"顧客満足獲得"の事例として、"ヘアアイロン(TESCOM)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、以前使っていたヘアアイロンが故障したことをきっかけに、セットが今より短時間でできる新しい物を探したいと考えている女性(28歳)が、店頭でTESCOMヘアアイロンを見かけて商品紹介を確認した上で新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

店頭での
商品紹介施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「TESCOMヘアアイロン」を例に、店頭での商品紹介が新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、店頭施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには顧客満足を獲得するに至らせたのか、そのプロセスから「店頭での商品紹介で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

自分が納得のいく髪型にするまでに
時間がかかる

以前使っていたヘアアイロンが故障したので、使い勝手のいい新しいものがほしい(28歳女性 秋田県)

加藤さん 28歳(仮名)
専業主婦

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。TESCOMヘアアイロンを新規購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。加藤さん(28歳女性 秋田県)は「買い替えのタイミングで自分に合うヘアアイロンを探したい」と考えている方です。世帯年収200~400万円未満ほどで専業主婦、既婚の女性です。

 加藤さんは「くせ毛でセットに時間がかかるせいで、ヘアアイロンによる髪の痛みも心配だった」と話していました。

 では、このような状態の加藤さんに、TESCOMヘアアイロンがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

“TESCOMヘアアイロンで成立した価値”

※1

女性らしい髪型になれるので
自分の自信に繋がる

ブランドが果たした役割

 加藤さんは現在、TESCOMヘアアイロンを継続利用しています。最初は「いくつか店舗を巡るなかで、温度の調節や、サイズ感が自分向きだと感じられたため購入した」と話していました。実際に使ってみると、短時間で自分が納得のいく上品な仕上がりになると感じました。また、「外出するときや朝早くから予定があるときもパパッとストレスなく準備ができる」ということに気づき、満足するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 加藤さんはTESCOMヘアアイロンを購入する以前、「納得できる髪形にならないと外出をするのが嫌になり、家から出なくなる」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、TESCOMヘアアイロンを利用することにより、「選べる温度でしっかりとストレートになり、幅も広いので短時間で仕上げることができる」と感じ、さらに、TESCOMヘアアイロンを利用していくうちに、「自分に自信が生まれてお洒落をするのが楽しく、髪型をアレンジしたりするのも好きになった」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
図解

TESCOMヘアアイロンの顧客体験事例から紐解く

「店頭での商品紹介で新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「店頭での商品紹介で新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、加藤さんは元々「強いクセ毛で納得のいく髪型にするまでに時間がかかってストレスを感じている」という課題認識を持っていました。
 そんな時、いくつか店舗を巡って商品説明を確認するなかで、温度の調節や、サイズ感が自分向きだと感じられたことで、TESCOMヘアアイロンを購入するに至りました。
 その後、継続して利用していく中で、「短時間で自分が納得のいく仕上がりになるのでストレスなく準備ができる」と感じ、「上品で女性らしい自分に見た目が変化するので自信に繋がる」という価値が成立して、満足するに至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

時間的負荷+心理的負荷

強いクセ毛で納得のいく髪型にするまでに時間がかかって髪の痛みの心配などストレスを感じているケース

店頭の商品説明やPOPで
他商品よりも優れている特長を訴求

結果

強いクセ毛で納得のいく髪型にするまでに時間がかかってストレスを感じている生活者が、いくつか店舗を巡って商品説明を確認するなかで、自分向きだと感じられる商品を見つけたことで購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。強いクセ毛で納得のいく髪型にするまでに時間がかかって髪の痛みの心配などストレスを感じている生活者が、いくつか店舗を巡って商品説明を確認するなかで、温度の調節や、サイズ感が自分向きだと感じられる商品を見つけたことで購入に至っています。使用することで、短時間で自分が納得のいく仕上がりになって見た目が変化するため、自分の自信に繋がって、おしゃれをするのが楽しくなったと感じられています。

 この構造を応用することで、生活者がどのような課題を感じているのか、どのようなことを解決したいと思っているのかを把握することで、自社の持つ特長の中でもどれを店頭では訴求すべきなのかを明確化することができるため、購入につなげることができると考えられます。公式HP・カタログ・店頭などそれぞれのコンタクトポイントに合わせた訴求に効果的な情報が何かを探ることが重要だと考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。