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顧客体験の解説 | アパレルブランド |
「アークテリクス」から学ぶ公式HP施策事例

 
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 今回はアパレルブランドの"顧客満足獲得"の事例として、"アークテリクスのウェア"の事例を紹介します。このケーススタディでは、おしゃれなスポーツウェアを着てスポーツをもっと楽しみたい女性(34歳)が、公式HPで商品の機能性の高さを知って購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

公式HP施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「アークテリクスのウェア」を例に、公式HPを通した機能性訴求が新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、公式HPを通した機能性訴求のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには顧客満足の獲得に至らせたのか、そのプロセスから「公式HPを通した機能性訴求で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

おしゃれなスポーツウェアを着て
スポーツをもっと楽しみたい

人と被らずおしゃれで、機能性のあるスポーツウェアが欲しい。(34歳女性 岩手県)

矢部さん 34歳(仮名)
専業主婦

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。アークテリクスのウェアを購入した生活者のカスタマージャーニーを紹介します。矢部さん(34歳女性 岩手県)は「おしゃれなスポーツウェアを着てスポーツをもっと楽しみたい」と考えている方です。世帯年収1200~1500万円以上で既婚、専業主婦の女性です。

 矢部さんは「人とは被らない機能性のあるスポーツウェアを着るとスポーツをしたくなるし、もっと楽しめる」と話していました。

 では、このような状態の矢部さんに、アークテリクスのウェアがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”アークテリクスのウェアで成立
した価値”

※1

「スポーツしよう」というきっかけを与えてくれて
スポーツを気軽に楽しませてくれる

ブランドが果たした役割

 矢部さんは現在、アークテリクスのウェアを購入したことを満足しています。最初は「店頭で商品を見て興味を持つも高いと感じていたが、その後、公式HPで調べると機能的にも十分優れていて色やシルエットが好きなので試しに購入してみた」と話していました。実際に使用してみると、街で着ていたときにウェアを褒められてスポーツウェアでも街着としても恥ずかしくないと感じました。また、「スポーツしようというきっかけを与えてくれてスポーツを気軽に楽しませてくれる」ということに気づき、満足するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 矢部さんはアークテリクスのウェアを購入する以前、「スポーツウェアは色や柄が少なく、派手か地味かどっちかしかないので、スポーツへのやる気が出ない」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、アークテリクスのウェアを購入することにより、「好きなウェアを着ることで『スポーツしよう』というきっかけを与えてくれてスポーツを気軽に楽しませてくれる」と感じ、さらに、アークテリクスのウェアを使用していくうちに、「ランニング用に購入したがランニング以外に登山にも利用でき、派手そうに見える色でも山など自然の中で色なじみがよく、周りからの評判もよい」ということに気づき、満足に至りました。
図解

アークテリクスの顧客体験事例から紐解く

「公式HPを通した機能性訴求で新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「公式HPを通した機能性訴求で新規購入促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、矢部さんは元々「人と被らずおしゃれで、機能性のあるスポーツウェアを着てもっとスポーツを楽しみたい」という課題認識を持っていました。
 店頭で商品を見て興味を持つも高いと感じていたが、その後、公式HPで調べると機能的にも十分優れていて色やシルエットが好きなので購入するに至りました。
 その後、アークテリクスのウェアを使用していく中で、「街で着ていたときにウェアを褒められてスポーツウェアでも街着として恥ずかしくない」と感じ、「スポーツしようというきっかけを与えてくれてスポーツを気軽に楽しませてくれる」という価値が成立して、満足に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

人と被らずおしゃれで、機能性のあるスポーツウェアを着てもっとスポーツを楽しみたいケース

公式HPで
機能性の高さを訴求

結果

人と被らずおしゃれで、機能性のあるスポーツウエアを着てスポーツを楽しみたい生活者が、店頭で商品を見て興味を持つも高いと感じていたが、その後、公式HPで調べると機能的にも優れていて見た目も好きなので試しに購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。人と被らずおしゃれで、機能性のあるスポーツウェアを着てもっとスポーツを楽しみたいと考えている生活者が、店頭で商品見て興味を持つも高いと感じていたが、その後、公式HPで調べると機能的にも十分優れていて色やシルエットが好きなので試しに購入に至っています。街で着ていたときにウェアを褒められてスポーツウェアでも街着としても恥ずかしくなく、「スポーツしよう」というきっかけを与えてくれてスポーツを気軽に楽しませてくれると満足しています。

 この構造を応用することで、一度商品を見ただけでは購入まで至らずに、その後の情報収集で購入を決意させ、促すことができると考えられます。今回のケースではスポーツウェアとしての利用だけでなく街着としても利用できるデザイン性の高さから顧客の満足を獲得できております。主目的以外の+αの価値を与えることで顧客満足の獲得に繋がると考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。