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顧客体験の解説 | 家具・インテリア |
「ニトリ」から学ぶSNS・動画施策事例

Digital Marketing case:05003
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 今回は"SNS・動画施策"の事例として、"ニトリ"の事例を紹介します。このケーススタディで紹介する生活者は、夫婦で納得した内装にしたい女性(23歳)が、公式SNSでのコーディネート情報・動画でのインテリアアドバイスにより、ニトリを利用するようになった、という顧客体験をご紹介します。この体験価値は約「5-15万人」の顧客層に訴求できたと推定されます。※1
SNS・動画施策で新規購入を促す



SNS・動画

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ニトリ」を例に、SNS・動画施策が新規購入を促したという構造を持つ顧客体験を収集し、ケーススタディとしてまとめました。本稿では、SNS・動画施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられていったのか、そのプロセスから「SNS・動画施策で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

夫とインテリアの話をしても
なかなかまとまらず気まずさがあった

インテリアを決めるときに夫と議論になり、気まずいこともあった。家族関係も空間からの影響が大きいとおもったので、明るいインテリアでコミュニケーションもしやすい環境を目指した。(23歳女性 東京都)

保坂さん 23歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ニトリを利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。保坂さん(23歳女性 東京都)は元々、「夫とインテリアの話をしてもなかなかまとまらず気まずさがあった」という方です。自身は目指したいあり方として、前の家は暗い感じの雰囲気になっていたので、華やかさや明るさがあるインテリアにしたいと思っていた、世帯年収800~1000万円未満ほどで、会社員(事務系)、既婚の女性です。

 しかし、保坂さんは、「いつまでもインテリアを決めずに放っておくわけにはいかないので、短い期間で決める必要があった」と話しており、この時には時間的負荷、時間が限られていると感じたと話しています。加えて、インテリアは今回は明るくし、夫婦のコミュニケーションも円滑になるような生活を目指したいとも考えている状況です。

 では、このような状態の保坂さんに、ニトリがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”ニトリで
成立した価値”

※2

コーディネートのイメージを
夫婦で確認できた

ブランドが果たした役割

 保坂さんは現在、「ニトリやはり安心感があり魅力的だと感じました」と話しており、今回ニトリを新規購入しました。最初は「LINEで情報を受け取って店舗で購入しました。見やすい雰囲気抜群なsnsでの写真が印象的でした。」と話しており、SNSを使って情報収集する中で、特に「コーディネートの紹介動画」「SNSの写真でのイメージ」という特長があったことで、「コーディネートのイメージを夫婦で確認できた」ため、今回新規購入に至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 保坂さんはニトリを利用する以前、旦那さまと意見が食い違った際に、「やはり家族ならば意見が一致したいと思ったし、どうしても明るいインテリアの変化を取りいれたいと思いました。」と感じました。その後ニトリの動画を見たことで、SNSのコーディネイトを魅力的を感じ、その動画を旦那さまと共有して話しました。結果的に「明るいインテリア」が採用され、「家族関係にも前向きさや心理的影響がありました。」と保坂さんは語っています。
図解

ニトリの顧客体験事例から紐解く

「SNS・動画施策で新規購入を促す」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

体験価値の
市場規模

5-15万人

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「SNS・動画施策で新規購入を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。

 このストーリーでは、保坂さんは元々「夫とインテリアの話をしてもなかなかまとまらず気まずさがあった」という課題認識を持っていました。しかし、ニトリが、「コーディネートの紹介動画とSNSの写真でのイメージを提供することで、」によりSNS・動画施策が機能したことで、「コーディネートのイメージを夫婦で確認できた」という価値が成立して、新規購入に成功しました。また「5-15万人」の顧客層に訴求できたと推定されます。※1

応用可能性~本事例の学び

課題

時間的負荷

必要な時期が迫っており、期日までに入手する必要がある商品についての課題

コーディネート紹介動画と
SNSでの写真提供

結果

現地に見に行かなくても、事前にネット経由で商品確認ができた。

 
  今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。時間的負荷、時間が限られていると感じている生活者に、SNS・動画施策(コーディネートの紹介動画、SNSの写真でのイメージ)が対応したことで「コーディネートした後のイメージを、動画や写真で夫と先に確認できた」という認識が生まれ、その結果新規購入したと言えます。

 この構造を応用することで、他にも「商品を買うまでに吟味が必要でありつつも時間的な制限がある」商品やサービス(例:家電 等)についても、来店前にネットで商品吟味できるように情報を提供することで、新規購入に導ける可能性があると考えられます。

注記
※1 体験価値の規模推定値は、市場調査結果(n=3000)データと人口統計データより、調査データ内の”同じ商品を購入した消費者”かつ、”本稿で紹介した消費者と類似のインサイトを持っている人”の規模から計算しています。

※2 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。