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顧客体験の解説 | キャッシュレス決済 |「LINEpay」から学ぶSNS広告施策事例

 
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 今回はキャッシュレス決済の"継続利用"の事例として、"LINEpay"の事例を紹介します。このケーススタディでは、現金で会計するのは面倒だったが、キャッシュレス決済だとお金を使いすぎてしまうのではないかと不安に思っている女性(25歳)が、SNS広告で新規利用するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

SNS広告施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「LINEpay」を例に、SNS広告が新規利用を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、SNS広告のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規利用さらには継続利用するに至ったのか、そのプロセスから「SNS広告で新規利用を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

現金での会計は面倒だが、キャッシュ
レス決済はお金の使いすぎが不安

子どもと買い物に来ている時に現金で会計するのは面倒だったが、
キャッシュレス決済だとお金を使いすぎてしまうのではないかと不安がある。(25歳女性 岐阜県)

原田さん 25歳(仮名)
パート・アルバイト

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。LINEpayを継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。原田さん(25歳女性 岐阜県)は「現金での会計は面倒だが、キャッシュレス決済はお金の使いすぎが不安だ」と考えている方です。世帯年収不明でパート・アルバイト、未婚の女性です。

 原田さんは「子どもと買い物に来ている時に現金で会計するのは面倒だったが、キャッシュレス決済だと金額に際限なく使えそうなので、お金を使いすぎてしまうのではないかと不安がある」と話していました。

 では、このような状態の原田さんに、LINEpayがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”LINEpayを利用することで成立した価値”

※1

会計が簡単に済ませられるし、
還元ポイントのために頑張れる

ブランドが果たした役割

 原田さんは現在、LINEpayを継続利用しています。最初は「SNS上の広告でチャージ式のキャッシュレス決済方法があることを知り、便利そうだと感じたため、申し込んで利用を開始した」と話していました。実際に利用してみると、チャージ式で利用できるので使いすぎる心配もないし、スムーズに決済できてポイントも貯まるため一石二鳥で、ポイントが増えていくのを見ることで達成感も得られると感じました。また、「会計が簡単に済ませられるうえに、毎日の買い物で還元されたポイントを使ってご褒美を買えると思うと頑張れる」ということに気づき、継続利用するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 原田さんはLINEpayを利用する以前、「子どもと買い物に来ている時に現金で会計するのは面倒。でもキャッシュレス決済だと金額に際限なく使えそうなので、お金を使いすぎてしまうのではないかと不安である」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、LINEpayを利用することにより、「会計が簡単に済ませられるうえに、毎日の買い物で還元されたポイントを使ってご褒美を買えると思うと頑張れる」と感じ、さらに、LINEpayを利用していくうちに、「会計時に小銭を出し入れしたりせずにスムーズに決済できるため、子どもと一緒に買い物に行くことに対して抵抗がなくなった」ということに気づき、継続的に利用するようになりました。
図解

LINEpayの顧客体験事例から紐解く

「SNS広告施策で新規利用を促す」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「SNS広告で初回利用を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、原田さんは元々「子どもと買い物に来ている時に現金で会計するのは面倒だったが、キャッシュレス決済だと金額に際限なく使えそうなので、お金を使いすぎてしまうのではないかと不安がある」という課題認識を持っていました。
 そんな時、SNS上の広告でチャージ式のキャッシュレス決済方法があることを知り、便利そうだと感じたため、申し込んで利用を開始するに至りました。
 その後、LINEpayを継続して利用していく中で、「チャージ式で利用できるので使いすぎる心配もないし、スムーズに決済できてポイントも貯まるため一石二鳥で、ポイントが増えていくのを見ることで達成感も得られる」と感じ、「会計が簡単に済ませられるうえに、毎日の買い物で還元されたポイントを使ってご褒美を買えると思うと頑張れる」という価値が成立して、継続利用に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷+管理負荷

会計時の小銭の出し入れが面倒だと感じている+キャッシュレス決済は金額に際限なく使えてしまうため、使いすぎてしまいそうだと不安に感じているケース

SNS上の広告でチャージ式の
キャッシュレス決済方法
であることを訴求

結果

子供もいるためスムーズに会計を済ませたいが、キャッシュレス決済だとお金を使いすぎてしまうのでは、と不安を抱えていた生活者が、SNS上の広告を通してチャージ式なら使いすぎる心配もなく便利そうだと感じ、利用を開始している。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。子供と一緒にいるときは特に会計をスムーズに済ませたいが、キャッシュレス決済は際限なく使えてしまうため、お金を使いすぎそうだと心配していた生活者が、SNS上の広告を通してチャージ式で便利そうな決済方法だと感じたことで利用を始めています。利用してみると、小銭を出すのが面倒な時でもスムーズに会計できるうえに、還元されたポイントで自分にご褒美を買うために日々頑張れるし、会計がスムーズに済ませられることで子供と一緒に買い物に行くことに対して抵抗もなくなったと感じており、サービスに満足していることが分かります。

 この構造を応用することで、今回の生活者が抱えている「会計時に財布から小銭を出し入れするのが面倒」というような、日常生活の中で生まれた課題に対応している商品やサービスにおいては、機能的側面を訴求することで初回利用を促すことができ、加えて「ポイント還元」のような継続することで生まれるメリットを訴求することにより、継続的利用も促すことができると考えられます。また、ある商品やサービスに対して先入観を持っている生活者に、どのような情報を認知させることで利用を促すことが出来るのか、企業やメーカーがしっかり理解した上で情報を提示してあげることが重要だと考えられます。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。