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顧客体験の解説 | シャンプー |
「アンファー スカルプD」から学ぶSNS施策事例

 
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 今回は"SNS施策"の事例として、"アンファー スカルプD"の事例を紹介します。このケーススタディで紹介する生活者は、育毛をして若さを保ちたい男性(53歳)が、たまたま見たSNSの投稿により、アンファー スカルプDを新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。この体験価値は約「5-10万人」の顧客層に訴求できたと推定されます。※1
 

SNS施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「アンファー スカルプD」を例に、SNS施策から継続購入を促したという構造を持つ顧客体験を収集し、ケーススタディとしてまとめました。本稿では、SNSの投稿のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられていったのか、そのプロセスから「SNSの投稿で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

毎日のシャンプーの時に育毛に役立つことをして若さを保ちたい。

普通のシャンプーでは育毛の効果を期待できないが、シャンプー時の育毛対策を考えている。
(53歳男性 大阪府)

中島さん 53歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。アンファー スカルプDを利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。中島さん(53歳男性 大阪府)は元々、「育毛をして若さを保ちたい」という方です。世帯年収800~1000万円未満ほどで、会社員、既婚の男性です。

 しかし、中島さんは、「普通のシャンプーで育毛の効果を期待できない。」と話しており、毎日のシャンプーで育毛に役立つことはできないかと考えています。

 では、このような状態の中島さんに、アンファー スカルプDがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”アンファー スカルプDで成立した価値”

※2

SNSで辿り着いた商品が、TVCMもやっていて”間違いない”と確信できた。

ブランドが果たした役割

 中島さんは現在、毎日のシャンプーの時にアンファー スカルプDを使用する習慣が続いています。最初は「抜け毛に効果があること、有効成分が多く含まれていることをSNSの投稿の記事で読んだ」と話しており、その後、対策を考えていたところCMも見て購入。「育毛効果が高いので育毛ができ若さを保つことに期待できる。」と中島さんは理解し、継続購入に至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 中島さんはアンファー スカルプDを利用する以前、「特に対策はしていなかったものの、普通のシャンプーでは育毛の効果期待できない。」と感じ、今のままでは若さを保てなくなると気づかされました。その後はアンファー スカルプDを利用することにより、アンファー スカルプDの育毛効果で抜け毛対策に役立てています。また、「育毛をすることで若さを保てている」とまで感じ、継続利用を続けるようになりました。
図解

アンファー スカルプDの顧客体験事例から紐解く

「SNS施策で新規購入を促す」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

体験価値の
市場規模

20-50万人

  本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「SNS投稿で新規購入を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。

 このストーリーでは、中島さんは元々「育毛をして若さを保ちたい。」という課題認識を持っていました。SNSの投稿で、「抜け毛に効果があること、有効成分が多く含まれていること」を記事で読み、その後、対策を考えていたところCMを見て「育毛効果が高いので育毛ができ若さを保つことに期待できる。」という価値で、購入に至りました。また「5-10万人」の顧客層に訴求できたと推定されます。※1

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負担

機能性商品であり、様々な情報や商品が存在しているカテゴリにおける”選びにくさ”に関わる負担

SNSやWEB施策で辿り着いた”自分で探し当てた商品”であり、しかもそれがTVCMをやっているほどメジャーな商品だと知った

結果

多くの情報から自分に合った商品を見つけるも、その選択が正しいだろうという確信を「TVCMもやっているくらいメジャーな商品だと知った」ことで得ています。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。健康食品などの機能性商品はコンテンツマーケティングをはじめとし、様々な情報がインターネット上に存在しており、消費者にとって選択時に多くの負荷を与えている状況と言えます。ネット上の情報から自分で選んだ商品が正しかったかどうか、確信を抱くことは難しいといえますが、この事例の場合は「TVCMもやっているくらいメジャーな商品なら良いだろう」という形で確信を抱き、購入・継続利用へとつながっています。

 この構造を応用することで、他にも「情報が多く自分で探して選ぶことが難しい」と考えている消費者・商品カテゴリ(健康食品、美容関連商品など)についても、SNS等のデジタル施策で選ばせつつも、その選択を確信させるためにTVCMへの出稿を組み合わせてメジャー感を感じさせる事で、購買に導ける可能性があると考えられます。

注記
※1 体験価値の規模推定値は、市場調査結果(n=3000)データと人口統計データより、調査データ内の”同じ商品を購入した消費者”かつ、”本稿で紹介した消費者と類似のインサイトを持っている人”の規模から計算しています。

※2 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。