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顧客体験の解説 | インスタントコーヒー |
「ブレンディ」から学ぶテレビCM施策事例

 
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 今回はインスタントコーヒーの"継続購入"の事例として、"ブレンディ"の事例を紹介します。このケーススタディでは、一息ついて落ち着いた気持ちになりたい男性(51歳)が、テレビCMをきっかけに新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

テレビCM施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ブレンディ」を例に、テレビCMが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、テレビCMのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入させるに至ったのか、そのプロセスから「テレビCMで新規購入を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

一息ついて落ち着いた気持ちになりたい

物事に一区切りついた時、一息ついて穏やかで落ち着いた気持ちになりたい。(51歳男性 東京都)

上田さん 51歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ブレンディを継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。上田さん(51歳男性 東京都)は「一息ついて落ち着いた気持ちになりたい」と考えている方です。世帯年収1000~1200万円未満ほどで会社員、既婚の男性です。

 上田さんは「物事に一区切りついた時、一息ついて穏やかで落ち着いた気持ちになりたい」と話していました。

 では、このような状態の上田さんに、ブレンディがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”ブレンディで成立した価値”

※1

飲むと好きな女優さんを
連想でき、心に余裕ができる

ブランドが果たした役割

 上田さんは現在、ブレンディを継続購入しています。最初は「好きな女優さんが出ているTVCMを見て興味を持ち購入した」と話していました。飲んでみると、コーヒーを飲むときに好きな女優さんを思い出し、気持ちが豊かになるから美味しさも増すと感じました。また、「この商品はこの人という印象が強く、飲むことで好きな女優さんを連想できるため心に余裕ができる」ということに気づき、継続購入するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 上田さんはブレンディを購入する以前、「物事が一区切りついた時に、何もないと落ち着かない」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、ブレンディを購入することにより、「この商品はこの人という印象が強く、飲むことで好きな女優さんを連想できるため心に余裕ができる」と感じ、さらに、ブレンディを飲用していくうちに、「このコーヒーを飲むことで、好きな女優さんのように優しい人にならなければという気持ちにしてくれる」ということに気づき、継続的に購入するようになりました。
図解

ブレンディの顧客体験事例から紐解く

「テレビCMが新規購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「テレビCMが新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、上田さんは元々「物事に一区切りついた時、一息ついて穏やかで落ち着いた気持ちになりたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、好きな女優さんが出ているTVCMを見て興味を持ち、購入するに至りました。
 その後、コーヒーを飲むときに好きな女優さんを思い出し、気持ちが豊かになるから美味しさも増すと感じ、「この商品はこの人という印象が強く、飲むことで好きな女優さんを連想できるため心に余裕ができる」という価値が成立して、継続購入に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

穏やかで落ち着いた気持ちになりたいケース

長期間の起用や複数媒体での起用によりイメージモデルを定着化

結果

穏やかで落ち着いた気持ちになりたい生活者が、好きな女優さんが出ているTVCMを見て興味を持ち購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。物事に一区切りついた時、一息ついて穏やかで落ち着いた気持ちになりたいと考えている生活者が、好きな女優さんが出ているTVCMを見て、商品に興味を持ち購入に至っています。生活者にとって、この商品はこの人という印象が強く、商品を飲むことで好きな女優さんを連想できるため、気持ちが豊かになって美味しさも増し、心に余裕ができると感じたことで継続購入に至っています。

 この構造を応用することで、「ブランド、商品」=「この人、このアイコン」というイメージを生活者に植え付けられれば、「この人、このアイコン」を見るたびに「ブランド、商品」を想起させることができる可能性があります。また、「この人、このアイコン」の持つイメージが「ブランド、商品」にも波及して、そのイメージに影響を受け興味を持ち、商品を選択する生活者もいるため初回購入、継続購入に繋がると考えられます。

 発売中の書籍『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する』では、上図の応用可能性のように顧客体験を設計してブランドが次に打つべき企画や施策のアイデアを導き出す方法を解説しています。
『顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する(Web担選書)』村山幹朗(著) 芹澤 連(著)(上記をクリックすると、amazonの販売ページに移動します。)

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。