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顧客体験の解説 | ゲーム |「UNI’S ON AIR」
から学ぶ課金施策事例
今回はゲームの"課金施策"の事例として、"欅坂46・日向坂46 UNI'S ON AIR"の事例を紹介します。このケーススタディで紹介する生活者は、好きなアイドルグループのゲームをする女性(24歳)が、推しメンにフォーカスした映像が出ると知り、欅坂46・日向坂46 UNI'S ON AIRに課金するに至った、という顧客体験をご紹介します。
今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「欅坂46・日向坂46 UNI'S ON AIR」を例に、好きなアイドルグループの推しメンの映像を見るためにゲーム内課金を促したという構造を持つ顧客体験を収集し、ケーススタディとしてまとめました。本稿では、ゲームのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ課金するに至ったのか、そのプロセスから「推しメンの映像を見るためにゲーム内課金を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。
ライブ会場にいなくてもライブに行ったような感覚になりたい。
いつでも簡単に映像を見ながら楽しめてライブに行ったような感覚になれる。(24歳女性 北海道)
田村さん 24歳(仮名)
まず、生活者と課題を見ていきましょう。欅坂46・日向坂46 UNI'S ON AIRに課金するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。田村さん(24歳女性 北海道)は元々、「好きなアイドルグループのゲームをしている。」という方です。世帯年収200~400万円未満ほどで、既婚の女性です。
田村さんは、「ライブ会場にいなくてもライブに行ったような感覚になれる。」と話しており、さらにライブ会場や握手会に行けなくても、メンバーと接しているような気分になれて満足感が得られると考えています。
では、このような状態の田村さんに、欅坂46・日向坂46 UNI'S ON AIRへの課金がどのような変化をもたらしたのかを解説します。
”欅坂46・日向坂46 UNI'S ON AIRへの課金で成立した価値※” ※1 |
= |
ゲームを通してメンバーの色々な表情が 見られ、新しい一面を知れる |
ブランドが果たした役割
田村さんは現在、映像を見ながらゲームを楽しむという習慣が続いています。もともと「このグループが好きで、リズムゲームが出たらいいのにと思っていてリリースされたからダウンロードした」と話しており、コアなファンもファン初心者も、みんなが楽しめるゲームだったことに加えゲームを通してメンバーの色々な表情がみられ、新しい一面を知ることができることで「レアなカードが出たり、ゲームでしか見られない映像が見られることで満足感が上がる。」と田村さんは考え、ゲーム内課金に至ったと考えられます。
顧客体験の変化
田村さんは欅坂46・日向坂46 UNI'S ON AIRをプレイする以前、「ライブにもなかなか行けず、スマホで簡単に好きなアイドルの音楽と映像を見られるものがなく少し落ち込んでいた。」と感じた体験で、今のままでは良くないと気づかされました。その後は欅坂46・日向坂46 UNI'S ON AIRをプレイすることにより、ゲームを通してメンバーの色々な表情がみられ、新しい一面を知ることができると田村さんに役立っています。また、「ライブ会場や握手会に行けなくても、メンバーと接しているような気分になれて満足感が得られる」とまで感じ、課金し続けるようになりました。
図解欅坂46・日向坂46 UNI'S ON AIRの顧客体験事例から紐解く
「特典映像を見るためにゲーム内課金を促す」の成功要因
本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「推しメンの映像を見るためにゲーム内課金を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、田村さんは元々「ライブ会場にいなくてもライブに行ったような感覚になりたい。」という課題認識を持っていました。しかし、欅坂46・日向坂46 UNI’S ON AIRをダウンロードしたことで、ライブ会場や握手会に行けなくても、メンバーと接しているような気分になれて満足感が得られるようになりました。さらに「ゲームを通してメンバーの色々な表情がみられ、新しい一面を知ることができる」という価値が成立して、課金に至りました。
応用可能性~本事例の学び
課題
距離が離れているという問題からイベントになかなか行けず、手軽に見られるコンテンツもないので、ファンとして不満に感じているケース
他の媒体では見られないコンテンツが
ゲームでは見られることを訴求
結果
ライブや握手会に行けない生活者に推しメンバーの特典映像をゲームで見れるようにすることで、日常環境の中でも推しメンバーと接しているような気分にさせ、もっと見たいと思わせることで課金を促した。
今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。本当は日常的にイベント(好きなアイドルのライブや握手会)に行きたいと思っているが何かしらの理由で行けず、さらに欲しいコンテンツが得られずに不満を持っている生活者がターゲットです。その生活者が本来イベントで体感できたはずの「興奮や満足感」(好きなメンバーの普段見られない表情が見られる など)をゲーム内の課金サービスで提供することで、実際にイベントに行くよりも少ない負荷で見たかったコンテンツに触れられるという理由から、ゲーム内課金へと繋がっている事例です。
この構造を応用することで、生活者が興味対象に紐づくサービスや商品に触れる際に物理的・金銭的・時間的負荷が発生し得る場合、興味対象とタイアップしたコンテンツに少ない負荷で日常的に触れられるよう構造化することで、コンテンツ自体の入門障壁を下げることが可能になると考えられます。
注記
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。
「カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。
https://www.journey-navi.com/