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顧客体験の解説 | シャンプー |「メリット」

から学ぶパッケージ施策事例

 
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 今回は"パッケージ施策"の事例として、"メリット"の事例を紹介します。このケーススタディで紹介する生活者は、人と会った時に自分の頭皮の汗やにおいで不快な思いにさせたくないと考えている女性(53歳)が、店頭で見たパッケージの商品情報と公式HPの閲覧により、メリットを新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
  

パッケージ施策

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新規購入促進

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「メリット」を例に、パッケージの商品情報と公式HPの閲覧が新規購入を促したという構造を持つ顧客体験を収集し、ケーススタディとしてまとめました。本稿では、パッケージや公式HPのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられていったのか、そのプロセスから「パッケージと公式HPで新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

人と会った時に自分の頭皮の汗やにおいで
不快な思いにさせたくない。

周りの人から、「あの女性が近づいてきたら良い香りがするね」って言われるようになりたい。
(53歳女性 福岡県)

後藤さん 53歳(仮名)
自営業

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。メリットを使用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。後藤さん(53歳女性 福岡県)は元々、「頭皮の汗の匂いやフケで、会う人に不愉快な人な思いをさせてしまっているのではないか。」と悩んでいる方です。世帯年収600~800万円未満ほどで、自営業、既婚の女性です。

 しかし、後藤さんは、「周りの人とすれ違ったり近付いたときに、いい香りがする爽やかな女性だと思われたい。」と話しており、悩みである頭皮の匂いやフケを確実に解消しつつ、ほのかに香るようなシャンプーを求めている方です。

 では、このような状態の後藤さんに、メリットがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”メリットで成立した価値”

※1

フケやにおいの悩みとは無縁になり、
人と会うときも気にならなくなった。

ブランドが果たした役割

 後藤さんは現在、気温が高かったり、汗を沢山かいた時にメリットを使用する習慣が続いています。
最初は「商品表示の”フケかゆみに効果がある”という記載が気になり公式HPで詳細を調べた。」と話しており、パッケージを見て自分の悩みを解決してくれそうだと商品に期待し、公式HPを見たことで「ノンシリコーン処方で髪と地肌にも優しいし、弱酸性かつダストシールド技術で汚れがキレイに落ちてスッキリしそうだ。」と理解し、新規購入に至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 後藤さんはメリットを使用する以前、「フケや頭皮の匂いで相手を不愉快にさせていないかと思うと、人と会うのが苦に感じる。」という体験で、今のままでは良くないと気づかされました。その後、メリットを使用することで、フケが出なくなったし汗のにおいもしっかり落としてくれるため、人と会うときも気にならなくなったと感じています。また、「出会った人から”いい香りがしますね。どんなシャンプーをつかっているのですか?”と尋ねられ嬉しかった。」など、使用していく中で”良い香りのする爽やかな女性だと思われたい”という理想が実現できていることを実感し、継続使用を続けるようになりました。
図解

メリットの顧客体験事例から紐解く

「パッケージと公式HPで新規購入を促す」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「パッケージと公式HPで新規購入を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、後藤さんは元々「人と会った時に自分の頭皮の汗や匂いで不快な思いにさせてしまっているのではないか。」という悩みを持っていました。しかし、パッケージの商品情報を見て「自分のフケや匂い悩みを解消してくれそうだ。」と認識し、商品に興味を持って公式HPを見る中で「地肌にも優しく、技術に裏付けされた汚れ落ち効果がありそう。」「シャンプーの良い香りで周りの人から爽やかな女性だと思ってもらえる。」という価値を感じたことで、継続購入に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

社会的負荷

周りの人に不快な思いをさせてしまっているのではないかと不安に感じているケース

パッケージ・製品表示で
生活者の悩みに直接的効果があることを訴求
さらに製品の具体的な機能や効果を公式HP等で訴求付帯サービスを付与

結果

主サービスを利用しない時期でも、他のサービスを追加利用できるので契約を維持させている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。社会的負荷(周りの人にフケや頭皮の匂いで不快な思いをさせてしまっているのではという不安)を感じていて、かつ悩みが具体的な生活者に直接的な表示(”フケかゆみに効果がある”)が刺さったことが、その後の公式HPの閲覧を促し、その結果、製品の詳細を理解した上での購買へと繋がった事例です。

 この構造を応用することで、生活者が具体的に認識している悩みに対しては、直接的なキャッチコピーで製品効果を訴えかけることで、生活者の興味を喚起を促し、公式HP等の自社の情報源へ誘導できる可能性が高いと言えます。また、多くの生活者が具体的に認識している”一般的な悩み”に対しては、効果効能がある製品が市場に多数存在しているため、独自の技術や配合成分などの面から競合との差別化を図り、自社の情報源にて具体的に製品の機能・効果の裏付けを示すことで、正しい製品理解にも繋がると考えられます。

注記
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。