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顧客体験の解説 | カフェチェーン |「コメダ珈琲店」から学ぶパブリシティ施策事例

 
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 今回はカフェチェーンの"継続利用"の事例として、"珈琲所コメダ珈琲店"の事例を紹介します。このケーススタディで紹介する生活者は、資格勉強をおもいっきりやりたい女性(38歳)が、TV番組で紹介されていた美味しそうなメニューと集中できそうな雰囲気に惹かれたことをきっかけとして珈琲所コメダ珈琲店を利用開始し、その後の店内体験によって継続利用するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

パブリシティ施策

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初回利用促進

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「珈琲所コメダ珈琲店」を例にTV番組での紹介をきっかけに入店し、店内体験から初回利用を促進したという構造を持つ顧客体験を収集し、ケーススタディとしてまとめました。本稿では、パブリシティ施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ初回利用するに至ったのか、そのプロセスから「パブリシティ施策で初回利用を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

美味しい飲み物を飲みながら資格の勉強に集中して取り組みたい。

目標としている資格を取得して勉強生活から解放されるために、集中できる環境で思いっきり勉強したい
(38歳女性 東京都)

近藤さん 38歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。珈琲所コメダ珈琲店を継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。近藤さん(38歳女性 東京都)は元々、「美味しい飲み物を飲みながら心置きなく資格試験の勉強がしたい」という方です。世帯年収200~400万円未満ほどで会社員、未婚の女性です。

近藤さんは「美味しい飲み物を飲むことで資格試験の勉強をがんばるぞという気持ちになる」と話していました。さらに、資格試験に合格し勉強生活から抜け出すために集中して勉強したいとも感じています。

では、このような状態の近藤さんに、珈琲所コメダ珈琲店を利用することがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”コメダ珈琲店を利用することで成立した価値※”

※2

仕切りのある席で美味しい飲み物を飲みながら集中して勉強ができる

ブランドが果たした役割

 近藤さんは現在、珈琲所コメダ珈琲店を継続利用しています。最初は「お昼のバラエティー番組で美味しそうなモーニングセットが紹介されてたのを見て入店した」と話していました。しかし実際に店舗を利用してみると、席に仕切りがあり、個々のスペースが確保されているため、「ものすごく集中してどんどん勉強が捗る環境」だということに気づき継続利用するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 近藤さんは珈琲所コメダ珈琲店を利用する以前、「家だと資格試験の勉強に集中できない」という体験で今のままでは良くないと気づかされました。その後、珈琲所コメダ珈琲店を利用することにより、美味しい飲み物を飲みながら資格試験の勉強をする時間が過ごせるようになった。さらに、継続的に利用していくうち、「個々の席が確保されていて、隣の人と距離感もありので勉強に集中できる」ということに気づき、珈琲所コメダ珈琲店を継続利用するようになりました。
図解

珈琲所コメダ珈琲店顧客体験事例から紐解く

「パブリシティ施策を通じて初回利用を促す」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

体験価値の
市場規模

20-50万人

本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「パブリシティ施策で初回利用を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、近藤さんは元々「美味しい飲み物を飲みながら集中して資格勉強をしたい」という課題認識を持っていました。そんな時にテレビ番組で美味しそうなメニューを見つけたことよって美味しいメニューを楽しみながら勉強に集中している自分を想像し珈琲所コメダ珈琲店の利用を開始しました。その後、コメダ珈琲を利用していくにつれ「席に仕切りがあり、落ち着いた雰囲気であるため、集中して資格試験の勉強に打ち込める」という価値が成立して、継続利用に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負担

落ち着いた空間で美味しい飲み物を飲みながら勉強に集中したい

TV番組で
メニューが紹介される

結果

利用検討している生活者に対してTVで取り上げられることでメニューの美味しさや店内の雰囲気が伝わり、ファン化を促進した。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。集中力を維持して勉強に臨めるように美味しい飲み物を飲みたい生活者に対して、バラエティー番組を通じて有名人がメニューを美味しそうに紹介することで、美味しそうなメニューや店内の雰囲気が伝わり、美味しい飲み物を飲みながら集中して思いっきり勉強ができそうと認知させ、利用につながったといえます。

 この構造を応用することで美味しい飲み物を飲んで集中したい、リラックスしたいなど「精神的負担」や「心理的負担」を抱えた生活者に対して、バラエティー番組で看板メニューや期間限定メニューなどの美味しさを伝えてもらうほか、店内の雰囲気も伝えられることで自身が利用するイメージが湧き、ファン化促進に導ける可能性があると考えられます。

注記
※1 体験価値の規模推定値は、市場調査結果(n=3000)データと人口統計データより、調査データ内の”同じ商品を購入した消費者”かつ、”本稿で紹介した消費者と類似のインサイトを持っている人”の規模から計算しています。

※2 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。