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顧客体験の解説 | スナック菓子 |「わさビーフ」
から学ぶ程よく刺激のある味施策事例

 
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※このケーススタディは消費者行動図鑑のカスタマージャーニー分析(http://kawarekata.com/)をリニューアルしたものです。 

今回はスナック菓子の"新規購入促進"の事例として、"わさビーフ"の事例を紹介します。このケーススタディでは、友人と集まるのでみんなで食べられるお菓子を買いに行った男性(30歳)が、ちょっといつもと違う刺激的な味で友人と楽しく過ごしたいと思ったことがきっかけでわさビーフの購入を決め、継続購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

程よく刺激のある味

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新規購入

今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「わさビーフ」を例に、いつもと違うちょっと刺激的な味で友人と楽しみたいと思ったことが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験を収集し、ケーススタディとしてまとめました。本稿では、程よく刺激のある味施策のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ継続利用するに至ったのか、そのプロセスから「程よく刺激のある味で新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

友人と集まるとき、
いつもと違うちょっと刺激的な味のお菓子が欲しい

食べ比べなどをして、みんなでわいわい盛り上がって楽しい気分になりたい。(30歳男性 茨城県)

浅野さん 30歳(仮名)
パート・アルバイト

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。わさビーフを継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。浅野さん(30歳男性 茨城県)は元々、「友人と集まる時に、お菓子を買うことが多い」という方です。世帯年収不明でパート・アルバイト、未婚の男性です。

 浅野さんは「いつもと違う刺激的な味で、友人たちと食べ比べなどをして盛り上がりたい」と話していました。しかし、辛すぎると食べられない人もいて困るので、ほどよい刺激でないと困る、とも感じています。

 では、このような状態の浅野さんに、わさビーフを使用することがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”わさビーフを購入することで成立した価値”

※1

わさびのほどよい刺激とビーフの旨味で、いつものお菓子の味との変化を友人たちと楽しめる。

ブランドが果たした役割

 浅野さんは現在、わさビーフを継続購入しています。最初は「友人が集まるのでお菓子を買いにスーパーに行ったところ、わさビーフを見つけた。いつもと違う刺激的な味で友人たちと食べ比べなどをして盛り上がりたいと思い購入を決めた」と話していました。その後、わさビーフならちょうど良い刺激加減とビーフの旨味でみんなで楽しめると感じ、さらに、それをきっかけに話が盛り上がるということに 気づいたことから、継続購入するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 浅野さんは、わさビーフを使用する以前、「いつも同じ味のお菓子ばかりだとイマイチ盛り上がりにかけるかもしれない」という体験で今のままでは良くないと気づかされました。その後、わさビーフを購入することにより、独特のわさびの刺激にビーフの旨味がマッチして意外と食べやすく、友達と食べ比べをして盛り上があがった、と感じました。さらに継続的に使用していくうちに、「仲間内で集まる時は自分がわさビーフを買っていくことで、少し場の雰囲気が盛り上がる」ということ気づき、わさビーフを継続購入するようになりました。
図解

わさビーフの顧客体験事例から紐解く

「「程よく刺激のある味で新規購入を促す」の成功要因

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「程よい刺激のある味で新規購入を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、浅野さんは元々「いつもと違うちょっと刺激的な味で友達ともりあがりたい。」という課題認識を持っていました。
友人と集まる時にスーパーにお菓子を買いに行ったところ、わさビーフなら、辛すぎないけどちょっと刺激的な味だから、他の味のポテトチップスと食べ比べたりしてみんなで盛り上がれると思ったので購入を決めました。その後、わさビーフの購入を続けていくにつれ、わさビーフをきっかけに話が盛り上がり、仲間うちで集まる時は自分がわさビーフを買ってくるのが定番となり、友人達がなんとなく楽しみにしてくれているようでうれしいという価値が成立して、継続購入に至りました。

注記
※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。