Collexia 
Marketing 
Casestudy

顧客体験の解説 | チョコレート菓子 |
「THE Chocolate」から学ぶ
キャンペーン・パッケージ施策事例

 
  • facebook
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 今回はチョコレート菓子の"ブランドのファン化"の事例として、"THE Chocolate(明治)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、ふとチョコレートが食べたくなった時に気軽に食べたいと考えている女性(38歳)が、宅配サービスを通して見かけたキャンペーン・パッケージからTHE Chocolateに興味を持って購入し、その後も購入し続けていく中でブランドファンとなるに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

キャンペーン・パッケージ施策

×

新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「THE Chocolate」を例に、キャンペーン・パッケージが新規購入を促進し、その後のブランドのファン化に繋がったという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、キャンペーン・パッケージのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続購入されるに至ったのか、そのプロセスから「キャンペーン・パッケージで新規購入を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

ふとチョコレートが食べたくなった時に気軽に食べたい

袋が大きいと食べきれず残したときに保管しておくのが面倒(38歳女性 沖縄県)

坂上さん 38歳(仮名)
自由業

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。THE Chocolateを継続購入するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。坂上さん(38歳女性 沖縄県)は「ふとチョコレートが食べたくなった時に気軽に食べたい」と考えている方です。世帯年収400~600万円未満ほどで自由業、既婚の女性です。

 坂上さんは「チョコレートが食べたくなった時に気軽に食べたいと思いつつも、袋が大きいと残したときの保管が面倒だ」と話していました。

 では、このような状態の坂上さんに、THE Chocolateがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”THE Chocolateで成立した
価値”

※1

食べたい時に気軽に
1袋ずつ食べられるため便利。

ブランドが果たした役割

 坂上さんは現在、THE Chocolateを継続購入しています。最初は「利用していた食材宅配サービスで見かけたキャンペーンやかっこいい商品デザインに惹かれ、さらに小分けで食べやすそうだと感じた」と話していました。実際に購入してみると、小分けだと保管しやすく、気分に合わせていろいろな味から選んで食べることができると感じました。また、「食べたい時に気軽に1袋ずつ食べられるため、幸せな気持ちで満たされながら、リラックスして過ごせる」ということに気づき、継続購入するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 坂上さんはTHE Chocolateを購入する以前、「1袋が大きいチョコレートは食べきれず残してしまうが、保管して置いておくのも面倒だ」ということに気づき、このままではいけないと思いました。その後、THE Chocolateを購入してみたときに、「小分けで保管しやすく、食べたい時に気軽に1袋ずつ食べられるため、幸せな気持ちで満たされながら、リラックスして過ごせるようになった」と感じ、さらに、THE Chocolateを購入していくうちに、「冷蔵庫にこれがあると「やった!ラッキー!」と嬉しい気分になるし、かっこいい外装なので冷蔵庫がおしゃれに見えて気分が良い」ということに気づいて継続的に購入するようになり、ブランドのファンとなっていきました。
図解

THE Chocolateの顧客体験事例から紐解く

「キャンペーン・パッケージで初回購入を促進する」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「キャンペーン・パッケージで初回購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、坂上さんは元々「ふとチョコレートが食べたくなった時に気軽に食べたいが、袋が大きいと残したときに保管しておくのが面倒」という課題認識を持っていました。
 そんな時、利用していた食材宅配サービスで見かけたキャンペーンやかっこいい商品デザインに惹かれ、さらに小分けで食べやすそうだと感じたことで、購入するに至りました。
 その後、THE Chocolateを継続して購入していく中で、「小分けだと保管しやすく、気分に合わせていろいろな味から選んで食べるのがちょっとした楽しみになっている」と感じ、「食べたい時に気軽に1袋ずつ食べられるため、幸せな気持ちで満たされながら、リラックスして過ごせるようになった」という価値が成立して、継続購入に至りました。
 今は、冷蔵庫にこれがあると「やった!ラッキー!」と嬉しい気分になり、かっこいい外装で冷蔵庫がおしゃれに見えて気分が良いと感じるほどにブランドのファンとなっています。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷+管理負荷

チョコレートが食べたくなった時に気軽に食べたいと思いつつも、袋が大きいと残したときの保管が面倒だと感じているケース

宅配サービスを通してキャンペーンや商品デザイン、
商品の利便性を訴求

結果

気軽にチョコレートを食べたい生活者が、宅配サービスのキャンペーン情報でかっこいい商品デザインに惹かれ、小分けで食べやすそうだと感じ購入、商品が冷蔵庫に入っているだけで満足できるようになった。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。チョコレートが食べたくなった時にもっと気軽に食べられたら、と考えている生活者が、利用している食材宅配サービスで見かけたキャンペーンやかっこいい商品デザインに惹かれ、さらに小分けで食べやすそうだと感じ購入に至っています。小分けだと冷蔵庫で保管しやすく、小腹がすいた時に気分に合わせて味を選んで食べられるため満足しています。また、おしゃれな外装で気分も上がり、3時のおやつやおつまみとして食べて楽しい気分を味わっています。

 この構造を応用することで、外出自粛期間で宅配サービスの利用者が増えて、非計画購買が減っていると考えられるため、宅配サービスを活用したプロモーションや商品情報の訴求を行うことで、商品の「ついで買い」を促すことができると考えられます。また、お菓子のパッケージをおしゃれにすることで、おやつとしてだけでなく、夜のお酒のお供として選択してもらえたり、気分の高まりなどの情緒的満足も得られるため、ファン化を促進できると考えられます。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。