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顧客体験の解説 | チョコレート菓子 |
「チョコレート効果」から学ぶ
公式SNS施策事例

 
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 今回はチョコレートの"新規購入"の事例として、"チョコレート効果(明治)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、疲れて家に帰った時は甘いものを食べて幸せで満たされたい男性(48歳)が、公式SNSを見たことからチョコレート効果を新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

公式SNS施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「チョコレート効果」を例に公式SNSが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験を基にケーススタディとしてまとめました。本稿では、公式SNS施策のどんな側面が、どのような課題を持った生活者にどうして受け入れられ継続利用するに至ったのか、そのプロセスから「公式SNSで新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

疲れて家に帰った時は、甘いものを食べて幸せで満たされたい。

仕事と家事の合間にリラックスできる時間を過ごしたい。(48歳男性 千葉県)

斎藤さん 48歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。チョコレート効果を継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。斎藤さん(48歳男性 千葉県)は「疲れて家に帰った時はリラックスしたいので、甘いものを食べて幸せで満たされたい」という方です。世帯年収400~600万円未満ほどで会社員、既婚の男性です。

斎藤さんは「チョコレートならどれでも良いわけではないので、あまり好きではないチョコレートは食べたくない」と話していました。また、「食事前の小腹が空いた時、家で家事をしている合間に食べたい」とも言っています。

では、このような状態の斎藤さんに、チョコレート効果を利用することがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”チョコレート効果で成立した
価値”

※1

チョコレート効果を食べること自体が
励みになり、日々の小さな目標を
達成することに役立つ。

ブランドが果たした役割

 斎藤さんは現在、チョコレート効果を継続利用しています。最初は「明治のSNSを見て、チョコレートなのに健康に良く、ポリフェノールも豊富に含まれていると知り、体に良さそうなので関心を持ったので購入した」と話していました。実際に利用してみると、「豊かな気持ちになって、また頑張ろうという気持ちになれた」と感じました。また、「仕事や家事でもうひと頑張りしたい時に、チョコレート効果を食べることを楽しみにしていると、辛いことも我慢できる」ということに気づき、継続利用するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 斎藤さんはチョコレート効果を利用する以前、「疲れて家に帰った時はリラックスしたいので、甘いものを食べて幸せで満たされたい」と感じ、今のままでは良くないと気づきました。その後、チョコレート効果を利用することにより、「豊かな気持ちになって、また頑張ろうという気持ちになれる」と感じ、さらに、継続的に利用する中で、「仕事や家事でもうひと頑張りしたい時に、チョコレート効果を食べることを楽しみにしていると、辛いことも我慢できる」ということに気づき、日常的にチョコレート効果を継続利用するようになりました。
図解

チョコレート効果の顧客体験事例から紐解く

「公式SNS施策で新規購入を促す」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「公式SNS施策で新規購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
このストーリーでは、斎藤さんは元々「疲れて家に帰った時はリラックスしたいので、甘いものを食べて幸せで満たされたい」という課題認識を持っていました。そんな時、明治のSNSを見て、チョコレートなのにポリフェノールも豊富に含まれている商品だと知り、体に良さそうなので関心を持ち購入しました。その後、チョコレート効果を利用していくにつれ、気持ちに余裕が生まれ、また頑張ろうという気持ちになり、「仕事や家事でもうひと頑張りしたい時に、チョコレート効果を食べることを楽しみにしていると、辛いことも我慢できるから、前向きで深く落ち込まない自分でいられる」という価値を実感して、継続利用に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

仕事などで疲れた時に家に帰ってからリラックスしたいと感じているケース

公式SNSで
同カテゴリ商品に比べて
健康に良い商品であることを訴求

結果

疲れて家に帰った時に、リラックスしたいと感じている生活者にSNSを通して健康にいい嗜好品であることを理解させたことで、購入を促進した。また、商品の高級感や安心感が生活者の気持ちに余裕を与え、続けて食べていきたい商品だと思わせられたことで、継続購入に至らせている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。家では仕事等での疲れから解放されてリラックスしたいと感じている生活者に、SNSを通じて、チョコレートでありながら健康にいい成分が含まれた商品だと訴求することで、身体に良い効果がありそうだと理解させ、購入を促している。さらに、甘い商品を食べたことで幸せな気持ちになったり、高級感のある商品であることでまた頑張ろうという気持ちを湧き起らせたり、商品を日常的な励み(ご褒美)として設定することで、目標の達成に役立たせていることがわかります。

 この構造を応用することで、疲れの解消やリラックスのために”甘いもの”を食べたいと感じている人の中には、「甘いもの=体に悪い」という健康不安を感じている人も少なくありません。そういう生活者にとって、たとえ同じチャネルで購入できる同カテゴリの他商品より高額でも、「カテゴリの中では比較的健康に良い」という付加価値がつくことで、そのプラスの価格がむしろ”安心感”や”高級感”に繋がり、今後も食べていきたいと感じたり、目標の達成時や辛いことを我慢した後のご褒美として商品を日常的に活用できるため、商品が生活の中に根付いていくことで、継続購入に繋がっていくと考えられます。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。