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顧客体験の解説 |輸入車(外車)|

「ゴルフ・オールトラック」から学ぶ

DMと公式HP施策事例

 
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 今回は輸入車の"継続購入"の事例として、"ゴルフ・オールトラック(フォルクスワーゲン)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、安定したドライビングを楽しめる、憧れの車を運転してみたい男性(58歳)が、DMで興味を持ち、そのあと公式HPを見たことで新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

DMと公式HP
施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ゴルフ・オールトラック」を例に、DMと公式HPが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、DMと公式HPのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには継続利用するに至ったのか、そのプロセスから「DMと公式HPで新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

安定したドライビングを楽しめる、
憧れの車を運転してみたい。

従来から憧れていた4MOTION(VW社独自の四駆システム)の実力を感じられる高速道路での車線変更や
雪道でのハンドリングを体感したい。(58歳男性 神奈川県)

武藤さん 58歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ゴルフ・オールトラックを継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。武藤さん(58歳男性 神奈川県)は「安定したドライビングを楽しめる、憧れの車を運転してみたい」と考えている方です。世帯年収800~1000万円未満ほどで会社員、既婚の男性です。

 武藤さんは「どんな状況でも安心と安全が実感できる安定したドライビングを楽しめる、憧れの車を運転してみたい。」と話していました。

 では、このような状態の武藤さんに、ゴルフ・オールトラックがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”ゴルフ・オールトラックで成立
した価値”

※1

運転を始めると途端に嬉しさと
高揚感で心を満たしてくれる。

ブランドが果たした役割

 武藤さんは現在、ゴルフ・オールトラックを継続利用しています。最初は「前の車の車検時期に、車の外観が伝わってくるDMを受け取った後、見積りの概算や3Dシミュレーションができるサービスを公式HPで体感したことで購入意欲が高まり購入した。」と話していました。実際に使用してみると、自分の感性にフィットしているため、座席に座れば自然と素の自分に戻れるような開放感を満喫できると感じました。また、「座席のシートに座るだけで解放感を満喫できて心が安らぎ、運転を始めると、途端に嬉しさと高揚感で心を満たしてくれる」ということに気づき、継続利用するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 武藤さんはゴルフ・オールトラックを購入する以前、「どんな状況でも安心と安全が実感できる車でないと、運転することに緊張感が高まってしまい、車を操ることの楽しみが低下してしまう」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、ゴルフ・オールトラックを購入することにより、「座席のシートに座るだけで解放感を満喫できて心が安らぎ、運転を始めると、途端に嬉しさと高揚感で心を満たしてくれる」と感じ、さらに、ゴルフ・オールトラックを利用していくうちに、「独自の四駆システムで天候や場所を問わず安心して利用できる上に、市場に出回っている数が非常に少ないため、自分だけの車だと思えて嬉しくなる。また、仕事の重圧から解放されたいときに運転することでリラックスできる」ということに気づき、継続的に利用するようになりました。
図解

ゴルフ・オールトラックの顧客体験事例から紐解く

「DMと公式HP施策で新規購入を促す」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

   本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「DMと公式HPで初回購入を促す」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、武藤さんは元々「どんな状況でも安心と安全が実感できる安定したドライビングを楽しめる、憧れの車を運転してみたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、車検時期になり、車の外観が伝わってくるDMを受け取った後、見積りの概算や3Dシミュレーションができるサービスを公式HPで体感したことで、購入するに至りました。
 その後、ゴルフ・オールトラックを継続して利用していく中で、「自分の感性にフィットしているため、座席に座れば自然と素の自分に戻れるような開放感が満喫できる」と感じ、「座席のシートに座るだけで解放感を満喫できて心が安らぎ、運転を始めると、途端に嬉しさと高揚感で心を満たしてくれる」という価値が成立して、継続利用に至りました。

応用可能性~本事例の学び

課題

心理的負荷

緊張感から安心して運転できず、車を操作する楽しみも感じることができていないケース

車検の時期に
車の外観が伝わるDMを送付
見積りの概算や
3Dシミュレーションが
できるサービスを提供

結果

前の車の車検時期が迫っていた時に、受け取ったDMに掲載されていた車の外観に興味を持った生活者は、実際にメーカーの公式HPでボディカラーや仕様を確認したり、オプションも含んだ見積りの概算や3Dシミュレーションができて、購入意欲が高まった結果、実際の購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。もともとブランドの四駆システムに憧れを持っていた生活者は、ブランドの車の外観が伝わるようなDMを、買い替えを考え始める車検の時期に受け取ったことで、該当の車に興味を持ちました。その後、実際にメーカーの公式HPを訪問してボディカラーや仕様を確認したり、HP上でオプションメニュー等も選択した最終的な見積りの概算を確認できたり、3Dシミュレーションで全体の外観を確認できたことで、購入への意欲が高まり、実際の購入に至っています。また、市場に出回っている数が少ないという情報や自分でカスタマイズした車だという認識が、自分だけの車だという特別感に繋がり、生活者の満足度を高めていると考えられます。

 この構造を応用することで、自社ブランドにもともと好感を抱いている生活者には、商品の買い替えを意識し始める時期に、現在所有している商品の新型情報や後継品情報を訴求することで、自社商品の購入を促進できると考えられます。また、商品の流通数の少なさや、カスタマイズの自由度の高さを訴求することで、「自分だけの商品である」と感じられ、商品自体の価値を高めることができるため、生活者に商品への満足や愛着を抱かせることができたのではないかと考えられます。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。