Collexia 
Marketing 
Casestudy

顧客体験の解説 | 輸入車(外車) |
「ゴルフ ヴァリアント」 から学ぶ
雑誌記事施策事例

 
  • facebook
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 今回は輸入車の"顧客満足の獲得&ファン化の促進"の事例として、"ゴルフヴァリアント(フォルクスワーゲン)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、家族を送迎するときに安全で快適な車内空間を提供してあげたいと考えている男性(63歳)が、雑誌記事でゴルフヴァリアントを見かけて興味を持ち、そのあと実際にディーラーで車を見かけたことで購入、運転していく中で満足度が高まり、ブランドのファンになっていった、という顧客体験をご紹介します。
 

雑誌記事施策

×

新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「ゴルフヴァリアント」を例に、雑誌記事が新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、雑誌記事のどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらには顧客満足の獲得&ファン化を促進するに至ったのか、そのプロセスから「雑誌記事で新規購入を促し、顧客満足の獲得&ファン化を促進する」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

家族に安全で快適な車内空間を提供してあげたい

家族の送迎や買い物のときに車がないと移動に困ってしまう(63歳男性 東京都)

福島さん 63歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。ゴルフヴァリアントを新規購入した生活者のカスタマージャーニーを紹介します。福島さん(63歳男性 東京都)は「自分が家族を送迎するときに安全で快適な車を使ってあげたい」と考えている方です。世帯年収1000~1200万円未満ほどで会社員、既婚の男性です。
 
 福島さんは「自分が家族を駅まで送迎したり、買い物に行ったりするときは、安全で快適な車内空間を提供してあげたい」と話していました。
 
 では、このような状態の福島さんに、ゴルフヴァリアントがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”ゴルフヴァリアントで成立した
価値”

※1

自分が家族から頼られる存在で
いるために欠かせない

ブランドが果たした役割

 福島さんは現在、ゴルフヴァリアントを運転する中で高い満足感を得ています。最初は「雑誌の紹介記事で安全性や車内の静粛性の評判がよかったため、買い換え候補になった」と話していました。その後、ディーラーで見かけた際に購入して運転する中で、駅までの送迎や買い物へのお出かけが、今までの車より自分や家族にとって楽しい時間になっていると感じました。また、「自分が家族から頼られる存在でいるために欠かせない存在であり、家族の中でも車に対する愛着が生まれてなくてはならない存在になっている」ということに気づき、ファン化したと考えられます。

顧客体験の変化

 福島さんはゴルフヴァリアントを購入する以前、「家族の生活に車は欠かせないため、送迎する用に安全で快適な車を持っていなければならない」と感じて、このままではいけないと思いました。その後、ゴルフヴァリアントを購入したことにより、「快適な車内空間を提供してくれて、自分が家族から頼られる存在でいるために欠かせない存在である」と感じ、さらに、ゴルフヴァリアントを運転していくうちに、「自分や家族の中で車に対する愛着が生まれて、家族にとってなくてはならない存在になった」ということに気づき、商品への満足度が高まり、ブランドのファンになりました。
図解

ゴルフヴァリアントの顧客体験事例から紐解く

「顧客満足の獲得&ファン化促進」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「雑誌記事で新規購入を促し、顧客満足の獲得&ファン化を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、福島さんは元々「自分が家族を駅まで送迎したり、買い物に行ったりするとき、安全で快適な車内空間を提供してあげたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、雑誌の紹介記事を見て、安全性や車内の静粛性の評判がよかったため買い換えの候補になり、ディーラーへ見に行った際に購入するに至りました。
 その後、ゴルフヴァリアントを継続して運転していく中で、「駅までの送迎や買い物へのお出かけが、今までの車より自分や家族にとって楽しい時間になっている」と感じ、「自分が家族から頼られる存在でいるために欠かせない存在であり、家族の中でも車に対する愛着が生まれてなくてはならない存在になっている」という価値が成立して、満足感が高まり、ブランドのファンになりました。

応用可能性~本事例の学び

課題

社会的負担

自分が家族を駅まで送迎したり、買い物に行ったりするとき、安全で快適な車内空間を提供してあげたいと考えているケース

雑誌の紹介記事で安全性、
車内の静粛性の高さを訴求

結果

家族の送り迎えや買い物のときに安全な車で快適な空間を家族に提供したい生活者が、車の買い替え検討時にディーラーを訪れた際、雑誌の紹介記事で安全性や車内の静粛性の評判がよく、興味を持っていた車種を見つけて購入に至っている。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。自分が家族を駅まで送迎したり、買い物に行ったりするとき、安全で快適な車内空間を家族に提供してあげたいと考えている生活者が、雑誌の紹介記事を見て安全性、車内の静粛性の評判がよく、興味を持っていた車種がディーラーで販売されていたため購入に至っています。運転する中で、自分も家族も駅までの送迎が今までの車より楽しい時間になっていると気づき、快適な車内空間を提供してくれている車に対して愛着が生まれて、なくてはならない存在になっていると感じています。

 この構造を応用することで、車やスマートフォン、インターネットなど、生活になくてはならない商品やサービスは、日頃から情報収集したり、次の購入候補を検討している生活者が多いため、戦略上のターゲットが日常的に接していると考えられる媒体を通じて、商品やサービスだけでなくブランドイメージなどの情報も発信し続けることで購入に繋げられる可能性があります。また、家族などコミュニティ内で便益を共有できるような商品やサービスは、ブランドやメーカーへの愛着が生まれやすいため、ブランドやメーカーのファン化を促しやすいと考えられます。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。