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顧客体験の解説 | 輸入車 (外車)|「320d(BMW)」 から学ぶカタログ施策事例

 
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 今回は輸入車の"継続利用"の事例として、"320d(BMW)"の事例を紹介します。このケーススタディでは、憧れのブランド車に乗って周りに認められたい男性(30歳)が、カタログを見て新規購入するに至った、という顧客体験をご紹介します。
 

カタログ施策

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新規購入

 今回、コレクシアマーケティングケーススタディでは、「320d」を例に、カタログが新規購入を促進したという構造を持つ顧客体験をケーススタディとしてまとめました。本稿では、カタログのどんな側面が、どんな課題を持った生活者にどのように受け入れられ、新規購入さらにはファン化の促進に至ったのか、そのプロセスから「カタログで新規購入を促す」施策の学びを読み解き、解説していきます。

顧客理解

憧れのブランド車に乗って、周りに認められたい

憧れのブランド車に乗ることで自分も大人になったと実感したいし、家族や社会からも認められたい。
(30歳男性 福岡県)

伊東さん 30歳(仮名)
会社員

 まず、生活者と課題を見ていきましょう。320dを継続利用するようになった生活者のカスタマージャーニーを紹介します。伊東さん(30歳男性 福岡県)は「憧れのブランド車に乗って、周りに認められたい」と考えている方です。世帯年収1000~1200万円未満ほどで会社員、既婚の男性です。

 伊東さんは「憧れのブランド車に乗ることで自分も大人になったと実感したいし、家族や社会からも認められたい。」と話していました。

 では、このような状態の伊東さんに、320dがどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ブランドの役割と顧客体験の変化

”320dで成立した価値”

※1

見た目のカッコよさで
大人な自分を演出してくれる

ブランドが果たした役割

 伊東さんは現在、320dを継続利用しています。最初は「憧れのブランド車のカタログを見ていた時に、外観や都会的なイメージにひとめぼれして購入した」と話していました。実際に使用してみると、ブランド車に買い替えたことにより、上司や先輩に話しかけられる機会が前より増えたと感じました。また、「都会的な見た目のカッコよさで大人な自分を演出してくれる」ということに気づき、継続利用するに至ったと考えられます。

顧客体験の変化

 伊東さんは320dを購入する以前、「ステータスになるものを手に入れたいが、持っていない」ことに気づき、このままではいけないと思いました。その後、320dを利用することにより、「都会的な見た目のカッコよさで大人な自分を演出してくれる」と感じ、さらに、320dを購入していくうちに、「この車に乗ることで、家族や社会のために頑張りたいという向上心を保てて、このような車を買えたのも自分が社会で結果を残した証だと思うと自信もつく」ということに気づき、ファン化の促進に繋がりました。
図解

320dの顧客体験事例から紐解く

「カタログ施策で新規購入を促す」の成功要因

※上記図解のように生活者の行動動線とそれに紐づく心理変化を明らかにするカスタマージャーニーの使い方や創り方は
カスタマージャーニーの教科書」をご覧ください。

https://www.journey-navi.com/

 本セクションではブランド視点で顧客体験を読み解いて、「カタログで初回購入を促進する」施策のヒントを探っていきます。今回の顧客体験から得られた学びをまとめると、上図のような構造になっていることが読み取れます。
 このストーリーでは、憧れのブランド車に乗ることで自分も大人になったと実感したいし、家族や社会からも認められたい」という課題認識を持っていました。
 そんな時、憧れのブランド車のカタログを見て、外観や都会的なイメージにひとめぼれして購入するに至りました。
 その後、ブランド車に買い替えたことにより、上司や先輩に話しかけられる機会が前より増えた」と感じ、「都会的な見た目のカッコよさで大人な自分を演出してくれる」という価値が成立して、ファン化の促進に繋がりました。

応用可能性~本事例の学び

課題

社会的負荷

憧れのブランド車に乗ることで、一人前の大人として家族や社会から認められたいといったケース

自社ブランドのカタログで
都会的なイメージや外観を
訴求

結果

一人前の大人として認められたいと考える生活者が、憧れのブランド車のカタログを見ていた時ひとめぼれして購入。見た目のカッコよさに加え、大人としての自分を演出してくれると感じ、ファン化に至る。

 
 今回の事例で生活者に起こった変化を構造化すると、上図のようにまとめられます。憧れのブランド車に乗ることで一人前の大人として認められたいと考える生活者が、ブランド車のカタログを見ていた時に、外観や都会的なイメージにひとめぼれして購入に至っています。購入後、上司や先輩に話しかけられる機会が増えたことに気づき、大人としての自分を演出してくれていると感じてファン化に至っています。また、ブランド車を買えるようになったのは、自分が社会で結果を残した一つの証だと思うと、自信もつくと感じています。

 この構造を応用することで、車や、高価格帯で身に着けるような商品においては、購入すれば「生活者の理想とする自分像に近づける」と感じられるブランド像が構築されているかが重要だと考えられるため、自社の戦略上のターゲットが理想としている人物像に近いイメージを訴求することで、購入を促すことができると考えられます。また、ブランド価値が世間にしっかりと認識されていると、周りからも評価される機会が増えるため、ファン化を促すことができると考えられます。

注記
この記事は、コレクシア社が独自に行った市場調査により、顧客体験をデータとして逆引きしたもので、当該ブランドが企業として意図した戦略・施策・狙い・ターゲット等を表すものではありません。

※1 消費者が実際に認識した価値です。企業やブランドが、当初狙って生みだそうとした価値とは異なる場合があります。